フィンランド語学習記 vol.116 − 二つの月

13112001

フィンランド語で「月」は kuu(クー)。

この kuu は空に浮かぶ月でもあり、暦の月でもあります。

空に浮かぶ月にはこんな表現も。

フィン
täysikuu full moon 満月
kuunsirppi crescent moon 三日月


「満月」は täysikuu(タウシクー)。täysi は full の意味。

「三日月」は kuunsirppi(クーンシルッピ)。sirppi は「鎌」の意味。三日月=月の鎌ということでしょうか。おもしろい表現ですね。

続いて暦の月。

フィン
marraskuu November 11月(霜月)
joulukuu December 12月(師走)


「11月」は marraskuu(マッラスクー)。marras は「死」の意味。

「12月」は joulukuu(ヨウルクー)。joulu は「クリスマス」の意味。

死の月から、クリスマスの月へ。死者を敬い、そしてクリスマスを祝うという順番なんですね。

その頃、日本では霜が降り、お坊さんが忙しく走り回るという対比もおもしろいです。

ところで空に浮かぶ月(moon)と暦の月(month)は、日本語では同じ「月」ですが、フィンランド語には暦の月を表す「kuukausi」という単語もあります。

フィン
天体 kuu moon
kuukausi month


普通の会話でこの二つを混同することはまずなさそうですが、世界の言語を見てみるとそれぞれ別の単語を当てるケースも多いようです。

マレー スウェーデン
天体 lune bulan måne
mois bulan månad


少し調べた範囲では、マレー語がどちらも同じ単語(bulan)でした。

英語ネイティブやフランス語ネイティブの人が、日本語やマレー語を習うと、なぜこの二つが同じ単語なの?と悩んでしまうこともあるのでしょうか? もしチャンスがあったらそのあたりの感覚を聞いてみたいものです。