フィンランド語学習記 vol.125 − 目的語の格変化②/さまざまな複数形

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フィンランド語教室49週目のレポート。

今回は目的語の格変化について復習しました。

[参考]フィンランド語学習記 vol.112 − 目的語の格変化 | Fragments

フィンランド語の目的語は、その意味するところによってさまざまな形に変化します。

例えば複数の本を読んだと言いたいとき、英語なら本はいつも books のまま。

しかしフィンランド語の場合は一筋縄ではいきません。

ここでは3つの形を順番に紹介してみたいと思います。

 

単数分格

Luin 2 kirjaa.(本を2冊読んだ。)
*lukea(読む)、kirja(本)

フィンランド語では、2以上の数詞の後に来る名詞は単数分格の形になります。

「なぜ分格になるのか?」は気になりますが、はっきりとした答えはわかりません。ここはとにかく覚えてしまいましょう。

英語で言えば、I read two books. に当たる表現です。

 

複数分格

Luin kirjoja.(本を何冊か読んだ。)

2冊・3冊などはっきりとした数がわからないときには、複数分格の形になります。

英語で言えば、I read(some)books. に当たる表現です。

 

複数対格

Luin kirjat.(本をすべて読んだ。)

前述の分格が「部分」を表すのに対して、対格は「全体」を表します。

ただし本をすべて読んだというのは、あらゆる本を読んだということではなく、そこにあった本をすべて読んだとか、この前話題になっていた本をすべて読んだということなのでしょう。

英語で言えば、I read the books. に当たる表現です。

 

まとめ

以上、フィンランド語の目的語で複数を表すケースを3つまとめてみました。

[単数分格]Luin 2 kirjaa.(本を2冊読んだ。)
[複数分格]Luin kirjoja.(本を何冊か読んだ。)
[複数対格]Luin kirjat.(本をすべて読んだ。)

「分格=部分」「対格=全体」と考えれば、複数分格と複数体格の使い分けについてはよくわかります。

しかし単数分格と複数分格の使い分けについては、理屈では割り切れないように感じるのですが、この先視界が開けることもあるのでしょうか?

また、改めて kirja の格変化表を眺めてみれば、今回の内容は格変化の森のほんの一部。焦らずじっくりと学んでいきましょう。

単数 複数
主格 kirja kirjat
属格 kirjan kirjojen
kirjain
分格 kirjaa kirjoja
対格 kirja
kirjan
kirjat
内格 kirjassa kirjoissa
出格 kirjasta kirjoista
入格 kirjaan kirjoihin
接格 kirjalla kirjoilla
奪格 kirjalta kirjoilta
向格 kirjalle kirjoille
様格 kirjana kirjoina
変格 kirjaksi kirjoiksi
具格 kirjoin
欠格 kirjatta kirjoitta
共格 kirjoineen