フィンランド語学習記 vol.133 − 北欧の国旗
*lippu(旗)、sininen(青い)、valkoinen(白い)
青は湖(järvi)、白は雪(lumi)を表しているのだとか。
調べてみると、北欧の国旗は配色こそ異なるものの、全てこのようなデザインになっていました。
このデザインは「スカンディナヴィア十字」と呼ばれているようです。
スカンディナヴィア十字(スカンディナヴィアじゅうじ、スカンディナヴィア・クロス、Scandinavian Cross)またはノルディック・クロス(Nordic Cross)は、北欧地域で良く見られる十字。
左側に交点が寄った横長の十字であり、国旗や地域の旗などに用いられている。デンマークの国旗が基になっている。
Wikipedia「スカンディナヴィア十字」より
*keltainen(黄色い)
スウェーデン国旗の十字はよく見ると、黄色というより金色(kultainen)に近いのかもしれません。
Wikipedia の説明によると、青は空(taivas)、黄/金はキリスト教(kristillinen)、自由(vapaus)、独立(itsenäisyys)を表しているとのこと。
しかし別の情報源によると、金は太陽(aurinko)を表すとも。
色の意味というのは、法律で決められている訳でもないでしょうし、さまざまな解釈の余地があるのかもしれません。
よく見ると、十字の幅はフィンランド国旗よりいくぶん細くなっています。
*punainen(赤い)
一説によると、デンマークの国旗は世界最古の国旗と言われているそうです。
よって冒頭に紹介したスカンディナヴィア十字のオリジナルは、このデンマーク国旗。
紅白の国旗というのは、日本を含め、インドネシア、カナダ、スイス、トルコなどなど世界中に多く存在します。
そんな中、デンマーク国旗の赤は祖国愛(isänmaallisuus)を表すのだとか。
よく見ると、十字の幅はスウェーデン国旗よりさらに細くなっています。
ノルウェーの国旗は、これまでに見てきたフィンランド、スウェーデン、デンマークのものとは異なり、十字の部分に白の縁取りがあります。(中央の青はインディゴ・ブルー)
あるいはデンマークの国旗に青十字を足したという見方もできますね。
色の由来は調べてみたものの発見できず。
ただし赤・青・白という組み合わせはイギリスのユニオンフラッグやフランスのトリコロールと同じです。これは偶然の一致でしょうか?
またかつての連合国であるデンマーク(赤)、スウェーデン(青)とのつながりを示しているという説もあるようです。
アイスランドの国旗は、ノルウェーのものと青赤がちょうど逆になっています。(ただし青はインディゴではない。)
青は山(vuori)、赤は火山(tulivuori)、白は雪(lumi)と氷河(jäätikkö)を表すとのこと。
フィンランドの青は湖、スウェーデンの青は空、そしてアイスランドの青は山。
このあたりの対比もおもしろいですね。
まとめ
もう一度、北欧の国旗で使われている色とその意味をまとめておきたいと思います。
väri(色) | merkitys(意味) | ||
---|---|---|---|
白 | valkoinen | lumi | 雪 |
jäätikkö | 氷河 | ||
青 | sininen | järvi | 湖 |
taivas | 空 | ||
vuori | 山 | ||
黄 金 |
keltainen kultainen |
kristillinen | キリスト教 |
vapaus | 自由 | ||
itsenäisyys | 独立 | ||
aurinko | 太陽 | ||
赤 | punainen | isänmaallisuus | 祖国愛 |
tulivuori | 火山 |
こうして並べてみると、北欧の人たちが何を大切にしてきたのかがよくわかる気がします。
旗というのは、その国についてさまざまなことを知ることができるおもしろい教材だと思いました。