原題と邦題が全く異なるおすすめ映画3本

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先日、フィンランド映画『旅人は夢を奏でる』についてのエントリーを書きました。

ミカ・カウリスマキ監督『旅人は夢を奏でる』@イメージフォーラム | Fragments

『旅人は夢を奏でる』のフィンランド語の原題は『Tie Pohjoiseen』。日本語に訳せば「北への道」。邦題とはずいぶん異なります。

今回はこのように原題と邦題が全く異なるおすすめ映画を3本紹介してみたいと思います。

 

大人は判ってくれない(1959)フランソワ・トリュフォー監督

フランス語の原題は『Les Quatre Cents Coups』。各単語の意味は次のとおり。

quatre(4)
cent(100)
coup(打撃、殴打)

原題をそのまま訳せば「400回の打撃」。これはフランス語の「ばか騒ぎをする」というような意味の慣用句から来ているのだとか。

英語タイトルは直訳の『The 400 blows』なので、英語圏の人にとってはよくわからないタイトルになってしまっています。

 

火の馬(1964)セルゲイ・パラジャーノフ監督

ウクライナ語の原題は『Тіні забутих предків』。

原題の意味は「忘れられた祖先の影」。英語タイトルも『Shadows of Forgotten Ancestors』となっています。

同名のウクライナ文学が映画の原作になっており、映画も前編ウクライナ語で製作されています。(ただし監督のセルゲイ・パラジャーノフはグルジア出身。)

カメラワークと色彩が印象的な忘れられない一作。『火の馬』という邦題はそれなりにしっくりくると思うのですが、どうでしょう?

 

ギター弾きの恋(1999)ウディ・アレン監督

英語の原題は『Sweet and Lowdown』。

lowdown は「卑劣な、堕落した」などを意味する形容詞。

おそらく映画の主人公エメット・レイのキャラクターを指して「やさしいけれどダメな奴」のような意味合いで使っているのでしょう。

『Sweet and Lowdown』という英語の語感はとてもいいなと思いますが、このイメージを損なわずに日本語に訳すのは至難の業ですね。

以上、邦題からはなかなか想像できない原題の映画3本を紹介してみました。もちろんタイトルだけではなく、映画本編もおもしろいのでおすすめです!