[-esque]の付く英単語
ドビュッシー(Claude Debussy)の「2つのアラベスク」は好きなピアノ曲の一つ。
有名な曲なので、どこかで聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
「2つのアラベスク」のフランス語原題は Deux Arabesques。
仏 | Deux Arabesques |
---|---|
英 | Two Arabesques |
日 | 2つのアラベスク |
arabesque というのはアラビア風の唐草模様を意味する単語。そこから転じてバレエのポーズやクラシック音楽の作品を表すことばになりました。
arabesque の[-esque]というのは「〜風の」を意味する接尾辞。英語にはこの[-esque]を持つ単語が他にもたくさんあります。
英 | 日 | |
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1 | arabesque | 〔美〕唐草[アラビア]模様 〔バレエ〕アラベスク(のポーズ) 〔楽〕アラベスク(華やかな小曲) |
2 | burlesque | バーレスク、茶番、パロディ |
3 | grotesque | <人・物などが>奇怪な、異様な、恐ろしい |
4 | humoresque | 〔楽〕ユーモレスク(ユーモアのある軽快な楽曲) |
5 | picaresque | 悪漢の、悪漢を題材とした(小説など) |
6 | picturesque | (場所が主に古風で)絵のように美しい |
7 | Ramboesque | ランボーのような |
8 | Romanesque | ロマネスク様式の、ロマネスク風の |
9 | statuesque | 彫像のような、均整のとれた |
*語義は『ウィズダム英和辞典』より。
5)picaresque というのは、いわゆる悪人が主人公の物語を表す単語。
ただし日本のピカレスク小説は、本当の意味での悪人というより、アウトローな生き方を描いたものが主だと思います。阿佐田哲也さんの「麻雀放浪記」などが典型でしょうか。
また接尾辞[-esque]は、これ以外にもさまざまな単語と組み合わせて「〜風の」という意味を表すのに使うことがあります。
Wiktionary にはこんな単語ものっていました。
Kafkaesque(カフカ風の)
その作家の名前を出すことで、あるイメージやスタイルを連想・共有することができるということなら、こんな組み合わせもありでしょう。
Soseki-esque(漱石風の)
Mishima-esque(三島風の)
Mishima-esque(三島風の)
Googleで検索してみたら mishima-esque はそれなりの件数がヒットしました。この認知度はすごいですね。
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カテゴリ: 辞書/辞典/その他, 教育
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