「香り」と「薫り」の違いとは?
日本語には「飛ぶ」と「跳ぶ」のように、同じ読みでも字によって意味の異なる「異字同訓」が多いので、パソコンで文字を変換するときなど、どちらの漢字を使えばよいのだろう?と迷うことがよくあります。
そんな「異字同訓」の使い分け例を文化庁が発表したとのニュースがありました。
異字同訓の使い分け例公表 文化庁 会う・合う・遭う…:朝日新聞デジタル
何でも1972年に当時の国語審議会が示したもの以来42年ぶりの改訂なのだとか。今回の報告では新たに9項目が追加されたそうです。
その中で、個人的になるほど!と思ったのが次の項目。
かおり・かおる
【香り・香る】鼻で感じられる良い匂い。
茶の香り。香水の香り。菊が香る。梅の花が香る。【薫り・薫る】主に比喩的あるいは抽象的なかおり。
文化の薫り。初夏の薫り。菊薫る佳日。風薫る五月。
香るは実際のかおりであるのに対して、薫るは比喩的・抽象的なかおりなんですね。
これまであまり意識したことはなかったのですが、そう言われてみればそのように思えてくるのは不思議なもの。
ちなみにGoogle翻訳で英訳してみると、
- 香り=Fragrance
- 薫り=Smell
となりました。
こちらは「香り」の方がずいぶん扱いがよい感じ。
「薫り」もさすがに smell 以外に何かあるだろうと思ったのですが、なかなかよい単語が思い付かず。
「かおり」を表す単語には aroma, fragrance, odor, perfume, scent などがありますが、どれも「薫り」よりは「香り」のイメージ。
「薫り」のニュアンスを英語で伝えるのは大変だと思いました。このあたりが翻訳の難しいところですね。