「おじ・おば」の区切り方
フィンランド語で「おじ」は eno(エノ)または setä(セタ)。
「おば」は täti(タティ)。
おじの方が二つあるのはなぜでしょう?
これは母方と父方で異なる単語を当てているため。
母方 | 父方 | |
---|---|---|
おじ | eno | setä |
おば | täti | täti |
母方のおじは eno、父方のおじは setä。
おばの方はどちらも同じ täti です。
英語や日本語では母方・父方の区別によって「おじ・おば」の名称を使い分けることはありませんが、フィンランド語ではこんな使い分けも必要になるんですね。
一方、日本語は長幼の序を重んじる言語。
おじ・おばが父母より年上の場合と年下の場合で異なる漢字を当てます。
年上 | 年下 | |
---|---|---|
おじ | 伯父 | 叔父 |
おば | 伯母 | 叔母 |
ひらがなで書いてしまえば、どちらも「おじ・おば」ですが、区別が必要なときには伯父・伯母を「はくふ・はくぼ」、叔父・叔母を「しゅくふ・しゅくぼ」と読むこともできます。
しかし法律の話をするときならともかく、話し言葉ではこの違いを意識することもないでしょう。
それでも書き言葉の中にこのような使い分けが残っているのは、おもしろいこと。
同じ「おじ・おば」であっても、言語によって「区切る」ポイントが異なるというのは興味深いですね。