フィンランド語学習記 vol.198 − 新しい辞書を買いなさい

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フィンランド語教室68週目のレポート。

この回は以前習った命令文の復習。

フィンランド語学習記 vol.169 − 命令文(二人称単数) | Fragments

フィンランド語学習記 vol.170 − 命令文(二人称複数) | Fragments

フィンランド語学習記 vol.171 − 命令文の目的語 | Fragments

久しぶりに命令文を扱ってみると、フィンランド語の命令文の難しさというのは目的語の形にあるということを再認識させられます。

Osta uusi sanakirja.(新しい辞書を買いなさい。)
*ostaa(買う)、uusi(新しい)、sanakirja(辞書)

この文において、目的語の uusi sanakirja は主格(辞書形)のままになっています。

「それなら、簡単じゃないか!」という声が聞こえてきそうですが、実はこれがなかなかの違和感。

というのも、これまでに習った範囲では、フィンランド語の目的語は必ず何らかの形に格変化させてきました。

Minä ostan uuden sanakirjan.(私は新しい辞書を買います。)
*ostaa(買う)、uusi(新しい)、sanakirja(辞書)

この文において、目的語の uuden sanakirjan は対格の形になっています。

[主格]uusi sanakirja
[対格]uuden sanakirjan

対格というのは「〜を」を意味するフィンランド語の格変化。

「〜を」を意味する格変化にはもう一つ分格もありますが、ここでは詳細は省略します。

[詳細はこちら]フィンランド語学習記 vol.112 − 目的語の格変化 | Fragments

いずれにしても、これまでは目的語の形として、おもに対格か分格を使ってきました。

主格(〜は) uusi sanakirja
対格(〜を) uuden sanakirjan
分格(〜を) uutta sanakirjaa

 

この使い分けがフィンランド語文法のポイントだった訳ですが、命令文になると目的語に主格を使うケースもあるということ。

もともと主格というのは「〜は」の形、対格と分格は「〜を」の形と覚えたので、目的語が主格になるというのは本末転倒のような気もします。

「言葉は理屈ではない」ということをひしひしと感じる項目なのでした。