フィンランド語学習記 vol.218 − 動名詞の格変化

Woman with Basket of Food

昨日のエントリーに続いて、動名詞のはなし。

フィンランド語学習記 vol.217 − 動名詞の作り方 | Fragments

動名詞[-minen]は、例えば次のように使われます。

Syöminen on hauskaa.(食べることは楽しい。)
Minä rakastan syömistä.(私は食べることを愛しています。)
Minä pidän syömisestä.(私は食べることが好きです。)
*rakastaa(愛する)、pitää(〜が好き)

後の二つの文はよーく見ると「食べること」の部分が[-minen]の形になっていません。

??

ここでのポイントは、

動名詞[-minen]は[-nen]で終わる名詞と同じように格変化をする。

ということ。

これは大変??

しかし考えてみると、あらゆる動名詞(の主格)は[-minen]で終わる訳ですから、その格変化というのはたったの一通り。慣れてしまえば、それほど難しいことではないはず。

それでは実際に[-minen]の格変化を見てみましょう。

Syöminen on hauskaa.(食べることは楽しい。)
Minä rakastan                     .(私は食べることを愛しています。)

「愛する」を意味する動詞 rakastaa は分格の目的語を伴います。

syöminen の分格を求める手順は以下のとおり。
 

1)語幹を求める

語尾が[-nen]で終わっている単語は[-nen]が[-se]に変化する。

syöminen → syömise
 

2)分格語尾を付ける

語尾が[-e]で終わっている単語は[-e]を外して、分格語尾[-tA]を付ける。

syömise → syömistä

これで次のような文ができあがりました。

Minä rakastan  syömistä .(私は食べることを愛しています。)

続いてもう一文。

Syöminen on hauskaa.(食べることは楽しい。)
Minä pidän                     .(私は食べることが好きです。)

「〜が好き」を意味する動詞 pitää は出格の目的語を伴います。

syöminen の出格を求める手順は以下のとおり。
 

1)語幹を求める

語尾が[-nen]で終わっている単語は[-nen]が[-se]に変化する。

syöminen → syömise
 

2)出格語尾を付ける

出格語尾[-stA]を付ける。

syömise → syömisestä

これで次のような文ができあがりました。

Minä pidän  syömisestä .(私は食べることが好きです。)
 

以上、今回は動名詞[-minen]の分格と出格の形を作ってみました。

[分格]Minä rakastan syömistä.(私は食べることを愛しています。)
[出格]Minä pidän syömisestä.(私は食べることが好きです。)

理屈としてはわかったものの、この syömistä と syömisestä は形が似ているので注意が必要。ちょっとややこしいですよね。