フィンランド語学習記 vol.225 −「3時まで」と「3時までに」の違いとは?

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フィンランド語教室76週目のレポート。

今回は時間の表し方をいくつか習いました。

その前にまずは日本語のレッスンから。次の文をご覧ください。

私は3時まで学校にいます。
私は3時までに家に帰ります。

もし日本語を勉強している人に、

「3時まで」と「3時までに」の違いは何ですか?

と聞かれたら、どのように答えますか?

??

??

ちょっと考えてみると、この二つの表現には次のような違いがあることがわかります。

3時まで → 3時まで継続的に何かをしている
3時までに → 3時より前の一点に何かをする

さきほどの例文を再掲すると、上の文の私は2時半には必ず学校にいるはずです。

私は3時まで学校にいます。
私は3時までに家に帰ります。

しかし下の文の私は2時半には家にいるかもしれないし、いないかもしれない。ただし3時には必ず家にいるはずです。

英語ではこの違いを until と by の使い分けで表わします。

I’m in school until 3:00.(私は3時まで学校にいます。)
I’ll come home by 3:00.(私は3時までに家に帰ります。)

それではフィンランド語の場合はどうでしょう?

Olen koulussa kolmeen saakka.(私は3時まで学校にいます。)
Tulen kotiin kolmeksi.(私は3時までに家に帰ります。)
*koulu(学校)、kolme(3)、saakka(〜へ)、tulla(来る)、kotiin(家に)

フィンランド語では、入格+saakka の形で「〜まで」、変格の形で「〜までに」の意味を表します。

[入格+saakka]kolmeen saakka(3時まで)
[変格]kolmeksi(3時までに)

このようにフィンランド語の時間に関する表現はかなり複雑。一つ一つのケースをこつこつと覚えていくしかなさそうです。

ただ先生もおっしゃっていたのですが、この使い分けが一番難しいのはもしかしたら日本語なのかもしれません。

私は3時まで学校にいます。
私は3時までに家に帰ります。

ささいなようですが、この使い分けを間違ってしまうとずいぶん違和感のある表現に。

私は3時までに学校にいます。(今、学校にいるの? それともこれから行くの?)
私は3時まで家に帰ります。(今、家にいるの? それともこれから帰るの?)

ノンネイティブの人にとって「に」一文字のあるなしで意味が変わってしまうというのは、なかなか大変なのではないでしょうか。

こんな微妙な違いをさらっと使い分けられるネイティブというのは、やっぱりすごいなあと改めて思いました。