フィンランド旅行記③ − 中世の街タリンへ

9月1日から六日間フィンランドを旅行してきました。その3日目の記録です。

フィンランド旅行記というタイトルではありますが、この日向かうのは隣国エストニアの首都タリンです。

ただしヘルシンキからタリンまでは、フィンランド湾を挟んでわずかに85km。高速船で一時間半の距離。

そのためヘルシンキから日帰りで訪れる人も多いとのこと。

自分はせっかくなので一泊する予定です。

朝食をいただき、二泊お世話になったクムルス・ハカニエミをチェックアウト。

朝のハカニエミ広場(Hakaniementori)をざっと見学してから、トラムに乗り込みます。

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予定ではトラムでフェリーターミナルまで行くはずだったのですが、路線図を見間違えたのか途中のマーケット広場で終点になってしまいました。

一瞬焦りましたが、ここからフェリーターミナルはそんなに遠くないはず!と思い歩いていくと、目的地のマカシーニ・ターミナル(Makasiiniterminaali)は目と鼻の先でした。

事前にネットで予約していたリンダ・ライン(Linda Line)の高速船のチケットを窓口で発券してもらいます。

出発時間が迫るなか、ある窓口に並んでいると、前の男性が窓口のお姉さんに、

You are so beautiful!

とか連呼していて、全く立ち去る気配をみせません。

おーい!

と思いましたが、しばらくして男性撤退。何とか出発に間に合いました。

既に夏のシーズンも終わったせいか、船内はかなりガラガラ。すぐに定刻の10時になり、船はヘルシンキを出航。

船酔いしやすい体質なので、揺れを心配していたのですが、特に問題なし。

のんびりと海を眺めたり、うとうとしたりしていました。

しかし!

到着30分前くらいになって、にわかに船が揺れ出しました。

猛烈に気持ち悪くなり、慌てて横になり、脂汗を流しながら耐えるはめに。

しかしなんとか最悪の事態(噴火)だけは避け、船はタリンの市民ホール港へ無事到着。

こんな記述を読むと、これから船でタリンへ行こうと思っている人は二の足を踏むかもしれませんが、自分以外のお客さんはみな平然としていたので、普通の人には問題ないレベルの揺れだったのだと思います。

ただし酔いやすい上位1%に属している自分のような人は気を付けた方がよいでしょう!

フィンランド経由でエストニアに入国する場合は、シェンゲン協定により入国審査はありません。簡単なパスポートチェックのみというのは船酔いの身にはありがたい限り。

ふらふらの足取りで船を降り、歩いていくと芝生が広がっていたので、一旦休憩。

陸地の上にいるということは何てありがたいことなんだ!と陸地に感謝しました。
(すぐに忘れてしまうのですが。。。)

乗ってきた高速船はこんな感じ。

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Helsinki はエストニア語で Helsingi なんですね!

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一休みの後、地図を見ながら旧市街の方に歩いていくと、すぐに城壁が見えてきました。

トンネルの向こうに旧市街の建物が見えます。

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観光客の姿もたくさん見えます。

門をくぐって旧市街に入ると、石畳の道とパステルカラーの建物が続き、まるで別世界にいるかのよう。

中世の街並みがそのまま保存されているんですね。

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これはすごい!と感動しながら歩いていくと、やがてラエコヤ広場(Raekoja Plats)へ到着。

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ここは旧市街の中心で、町歩きの起点になる場所。

お昼時ですが、船酔いのダメージが抜けないので、食事は控えてカプチーノを一杯。

エストニアはユーロ圏なので両替の必要がないというのもありがたいですね。

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にぎやかな広場で行き交う人を眺めているだけでも楽しくなってきます。

その後、何と1422年から営業の記録があるという老舗薬局 Raeapteek を見学。

棚には怪しげな薬が陳列されています。

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Magic Square。文字によるヒーリング効果?

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さて、ここまで荷物を抱えて動いていたので、そろそろ身軽になりたいと思い、今晩の宿である Hotel Bern に向かうことに。

旧市街の東側にあるヴィル門を通り、

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ホテルに到着したのが14時頃だったので、まだチェックインできないかな?とも思ったのですが、セーフでした。

部屋はこんな感じ。シンプルで、落ち着いた感じのホテルです。

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荷解きをして、少し休憩をした後、再び旧市街の中心部へ。

広場に面して建っている旧市庁舎(Raekoda)の塔に上ってみることに。

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狭い階段を目が回るくらいくるくるくるくると上ると、

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塔の上からタリン旧市街が一望できます!

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思わず見入ってしまいました。

その後、塔を降りて、ぶらぶらと歩いていると書店を発見!

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しかし今日は書店につかまってしまう訳にはいかないので、泣く泣くざっと見るだけにしました。

店内は厳粛な音楽が流れ、一種独特の雰囲気が漂っています。

ここは古書店のようで、さまざまな分野の本が雑多に並べられています。

こういう雰囲気の中に置かれると、一冊一冊の本が非常に貴重なものに思えてくるから不思議なもの。

そんなことを考えながら棚を眺めていると、エストニア語や他言語の古書に混じって、なぜか日本のマンガが数冊。

中にはドラゴンボールもありました! エストニアでも日本のマンガは人気なのでしょうか?

その後、聖ニコラス教会(Niguliste Kirik)で中世の絵画や彫刻を見学。

それから坂道を上って、トームペア(Toompea)と呼ばれる高台のエリアに入っていきます。

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ここから先はその昔、支配階級が住んでいた場所なのだそう。見所のある建物も多いです。

アレクサンドル・ネフスキー聖堂(Aleksander Nevski Katedraal)

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トームペア城(Toompea Loss)

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大聖堂(Toomkirik)

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展望台の横にあった建物の壁面。どういう意味でしょう?

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帰り道で見つけたあるお店の看板。エストニア語で「エストニアの」は Eesti。

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フィンランド語で「エストニアの」は Viron。

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ドイツ語で「エストニアの」は Estnische。

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英語で「エストニアの」は Estonian。

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高台のトームペアからラエコヤ広場まで戻ってきたら、すでに17時過ぎ。

足が疲れ、おなかも空いたので、何か食べることにしました。

広場を見渡して目に付いた Liisu juures というエストニア料理の店へ。

まずは Saku Original というエストニアのビールとチキンサラダを注文。

あちこちのレストランに Saku Saku Saku Saku Saku Saku と表記があるので「いったい何だろう?」と思っていたのですが、ビールの銘柄だったんですね。味わいがあって、おいしいビールでした。

サラダの方はかなり量が多く、しかもライ麦パンがおまけに付いてきたので、結局メインは頼まずに夕食終了。

その後、ホテルに戻る前に旧市街の外側、いわゆる新市街のあたりを歩いてみたのですが、こちらは高層ビルもあったりして全く別の世界のよう。

このコントラストは何を語りかけているのだろう?と思いながら、日が暮れるまで飽きることもなく散歩をしていました。