今すぐに英語を話せる人になる − from『ずるいえいご』
時折「どうやったら英語を話せるようになりますか?」と聞かれることがあります。
そんなときの定番の答えは、
「もう話せますよ」
というもの。
聞いた方は一瞬はぐらかされたような気持ちになるかもしれません。
しかしこれは偽らざる本音。
中学・高校で一通り英語を習ってきた人なら、簡単な挨拶や自己紹介くらいはできるでしょう。
I’m XX. I’m from Japan.
そんなのは話せて当たり前!と思うかもしれません。
でも、上記のフレーズをポルトガル語やオランダ語で言える人はなかなかいないはず。
それだけに私たち日本人は英語を話すことに関して大きなアドバンテージを持っています。
よって「どうやったら英語を話せるようになるのか?」と考えるより、「もう話せる!」と宣言することをスタート地点にしてしまいましょう。
もちろんそんなことを言っても「とっさに英語が口を付いて出て来ない」「だから困っているのに!」という人もいるでしょう。
そんな人におすすめなのが、本日紹介する『ずるいえいご』です。
本書では著者の青木ゆかさんが、手持ちの英語力を使ってコミュニケーションをはかるための具体的な方法を紹介しています。
英語の学習法を紹介する本は数多くありますが、本書のように手持ちの英語力で何とかしようという発想はこれまであまりなかったのではないでしょうか。
本書の目次は次のとおり。
- Part 1 話せることを知る「6つの心構え」
- Part 2 言い換えの原則「4大柱」
- Part 3 魔法のボックス − 言い換えトレーニング編
- Part 4 魔法のボックス − 応用編
Part 1、Part 2 で基本的な考え方を学び、Part 3、Part 4 で実践するという構成になっています。
今回は個人的に最も「なるほど!」と思った言い換えの原則「4大柱」を簡単に紹介してみたいと思います。
4大柱というのは次のとおり。
- 8割すてる
- 大人語をすてる
- 直訳をすてる
- 抽象語をすてる
8割すてる
例えば、次の内容を英語で伝えたいとします。
しかし「海沿い?」「シナモンロール?」と頭の中がぐるぐる回ってしまい全く言葉が出て来ない。そんなことってありますよね。
そんなときには、まず中心となる2割の情報だけでも伝えてみましょう。
?? 海沿いのカフェやシナモンロールはどこへ行ったんだーと思われたかもしれません。
でも黙っているより、これだけでも伝えてみれば、相手の方から
What kind of bread?
と聞いてくれるかもしれません。そうしたら、
Sweet
などと少しずつ情報を付け足していけばよいのです。
まずは言いたいことの2割だけでもよいので、核になる情報を伝えてみましょう。
大人語をすてる
「船酔い」という単語がわからない!
そんなときには、小さな子供に説明するように話してみましょう。
船に乗ったことがない、そもそも船酔いという概念を知らない子供に「船酔い」を伝えるとしたら、何と言うでしょうか?
船の上で気分が悪かったということが伝われば、それで十分。
もちろん相手が大人なら、船酔いと察してくれることでしょう。
直訳をすてる
「大聖堂」という単語がわからない!
そんなときには、いったん大聖堂のイメージをありありと思い浮かべてみましょう。
これだけでもある程度のイメージは伝わるのではないでしょうか。
抽象語をすてる
「生家」という単語がわからない!
そんなときには、そもそも生家というのはどんな場所なのか考えてみましょう。
これだけでも必要にして十分な情報が含まれていると思います。
以上『ずるいえいご』より、言い換えの原則「4大柱」を自分なりの例文とともに紹介してみました。
本書にはこの原則を使って取り組むことができる練習問題もたくさん収録されています。
「英語を話したい!」「○○語を話したい!」と思っている人に、勇気と励ましを与えてくれる素晴らしい一冊。
ぜひ手に取ってみてください。