巡礼たちはカンタベリーへ向かう − went

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このところ、ひーひー言いながら、フィンランド語の「過去形」を練習しています。

しかしどんなに複雑であっても、フィンランド語の過去形というのは規則的。

「go の過去形は went!」のような無茶はありません。

The children go to school by bus.(子供たちはバスで学校へ行きます。)
The children went to school by bus yesterday.(子供たちはきのうバスで学校へ行きました。)

それにしても go → went というのは、かなり破天荒な変化。

もし今初めてこの go → went を習ったとしたら、間違いなく「なぜ?」と思いますが、実際にこれを習った中学生のときにはどのように感じていたのでしょう?

そのときの気持ちを思い出せたらおもしろいのですが、残念ながらそれは遠い記憶の彼方に消え去ってしまいました。

ただ改めて考えると、なぜ go の過去形は went になるのでしょう?

went

go(行く)の過去形

元来は wend の過去形

『アンカーコズミカ英和辞典』

なるほど。went はもともと wend という動詞の過去形なんですね。

wend

(文)(進路)を進む、たどる(go の過去形 went は元来はこの語の過去形)

The pilgrims wended their way to Canterbury. 巡礼たちはカンタベリーへの道をたどった。

『アンカーコズミカ英和辞典』

今ではすっかりニュートラルな単語になっている went ですが、遠い昔には固有のイメージを持っていたに違いありません。

移動するということ自体が、一つの大事業だった時代。

カンタベリーへ向かう巡礼たちの姿にバスで学校へ向かう子供たちの姿を重ねてみると、言葉がそんな風に時代を超えてつながっているのがとても不思議なことに思えてきます。

そしてまた1,000年の後には、現在では予想もつかないような変化を遂げているのかもしれません。