フィンランド語学習記 vol.249 − 受け取ったり、受け取ってもらったり
フィンランド語を勉強していて面白いなあと思うことの一つは、目的語の形がさまざまに変化すること。
例えばこんな文。
Minä pidän sinusta.(私はあなたが好きです。)
*minä(私は)、pitää(〜が好き)
*minä(私は)、pitää(〜が好き)
この文で目的語の sinusta は出格という形になっています。
主格 | sinä | あなたは |
---|---|---|
出格 | sinusta | あなたの中から |
つまり「あなたが好き」というのは、あなたから何かを受け取るようなイメージになるんですね。
あるいはこんな文。
Minä tutustui sinuun talvella.(私は冬にあなたと知り合った。)
*tutustua(〜と知り合う)、talvi(冬)
*tutustua(〜と知り合う)、talvi(冬)
この文で目的語の sinuun は入格という形になっています。
主格 | sinä | あなたは |
---|---|---|
入格 | sinuun | あなたの中に |
つまり「あなたに会う」というのは、あなたに何かを受け取ってもらうようなイメージになるんですね。
こんな風に動詞の種類によって、人と人のつながりを丁寧に示すフィンランド語というのは、暖かな言語だなあと思います。