フィンランド語学習記 vol.251 − しなければならない/しなくてよい
以前のエントリーで「〜しなければならない」という意味を表す動詞 täytyy を使った構文を扱いました。
フィンランド語学習記 vol.224 − täytyy を使った文 | Fragments
まずは前回のおさらいから。
*opiskella(勉強する)、suomi(フィンランド語)
täytyy 構文では、主語は属格、動詞は三人称単数の形になります。
主格 | minä | 辞書形 | täytyä |
---|---|---|---|
↓ | ↓ | ||
属格 | minun | 三人称単数 | täytyy |
フィンランド語の属格は「〜の」という意味なので、ちょっと不思議な感じもしますが、とにかくこの形を覚えておきましょう。
ここまでは前回のおさらい。
今回はこの täytyy 構文の否定形を取り上げてみたいと思います。
日本語で考えると「〜しなければならない」の否定形は、
「〜しなければならないということはない」=「〜しなくてよい」
という意味になりますね。
実際の会話例を、フィンランド語教室で使っているテキスト『suomea suomeksi』のスキットから紹介してみたいと思います。
Ei. Teidän ei tarvitse tulla.(いいえ。あなたたちは来なくていいですよ。)
*tulla(来る)、huomenna(明日)
下の文の ei tarvitse というのは「〜を必要とする」という意味の動詞 tarvita(タイプ5)の三人称単数否定形。
つまり täytyy の否定形は、täytyy(täytyä)とは別の動詞を使って表すということ。
念のため tarvita の語形変化を見ておきましょう。
肯定 | 否定 | |
---|---|---|
minä | tarvitsen | en tarvitse |
sinä | tarvitset | et tarvitse |
hän | tarvitsee | ei tarvitse |
me | tarvitsemme | emme tarvitse |
te | tarvitsette | ette tarvitse |
he | tarvitsevat | eivät tarvitse |
肯定文と同じように否定文でも、主語は属格、動詞は三人称単数の形になっています。
主格 | te | 辞書形 | tarvita |
---|---|---|---|
↓ | ↓ | ||
属格 | teidän | 三人称単数 (否定) |
ei tarvitse |
この täytyy(〜しなければならない)と ei tarvitse(〜しなくてよい)の関係は、英語の must(〜しなければならない)と not have to(〜しなくてよい)の関係と同じなので、英語に馴染みのある人にはわかりやすいかもしれません。
以上、今回はフィンランド語の täytyy と ei tarvitse の関係についてまとめてみました。
Minun täytyy opiskella suomea!