A rolling stone gathers no moss(転がる石には苔が生えぬ)

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ことわざの中には、全く相反する二つの意味を内包するものがあります。

例えば、こんなことわざ。

A rolling stone gathers no moss.

(ことわざ)転がる石には苔がつかない

「職業や住まいを転々と変える人は金がたまらず、友人もできない」と「常に活動的な人は新鮮である」との両方の意がある。

『ウィズダム英和辞典 第3版』

つまり「苔」をよいものとして捉えるか、悪いものとして捉えるかによって、解釈が変わってくるということ。

苔をよいものとして捉えれば、一か所に留まるべきということになりますし、苔を悪いものとして捉えれば、積極的に動き回るべきということになります。

ちなみにイギリスでは前者の解釈、アメリカでは後者の解釈が主流なのだとか。

このあたりは国民性の違いが出ていて、おもしろいですね。

日本語の「転がる石には苔がつかない」ということわざにもこの二面性はありますが、自分の場合はどちらかというとイギリス式のネガティブな解釈を思い浮かべてしまいます。

おそらくは根っこの部分が保守的なのでしょう。

一方、現代の人々の暮らしや価値観の移り変わりを考えると、これからの時代はアメリカ式のポジティブな解釈が主流になっていくのかもしれません。

しかしそんな時代だからこそ、一か所に留まることの大切さを訴えたくなることもあるでしょう。

結局はいつの時代も、この二つの価値観の間で揺れ動くのが人間というものなのかもしれません。