日本語の身に付ける動詞と wear の関係について

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帽子はかぶる、シャツは着る、靴は履く、

という使い分けは、日本語ネイティブならまず間違えることはないでしょう。

しかし外国語として日本語を学んでいる英語話者にとっては、この使い分けが案外難しいのではないかと想像します。

というのも、私たちが当たり前のように使い分けているこれらの動詞は、英語では wear に集約されてしまうからです。(動作に焦点を当てる場合は put on)

英語の wear に対応する日本語の語彙を集めてみたら、予想以上にたくさんあってびっくりしました。

wear a backpack バックパックを背負っている(担いでいる)
wear a bathrobe バスローブをはおっている
wear a belt ベルトを締めている
wear a hat 帽子をかぶっている
wear a ribbon リボンを付けている
wear a scarf スカーフを巻いている
wear a shirt シャツを着ている
wear a tie ネクタイをしている
wear glasses 眼鏡をかけている
wear gloves 手袋をはめている
wear pants ズボンをはいている(穿いている)
wear shoes 靴をはいている(履いている)

 

これらはノンネイティブの立場からすると「そんなに細かく分けてどうするの!」と突っ込みを入れたくなる世界なのではないでしょうか。

眼鏡はかけるのに、コンタクトレンズは付けるとか、

手袋ははめるのに、マフラーは巻くとか、

一つ一つの動きをロジカルに分析すれば何とかなるのかもしれませんが、何といっても数が多いですし、全部きちんと覚えるのはかなり大変な作業でしょう。

そして一つ気になるのは、身に付ける動詞をここまで細かく分類するのは日本語だけなのか?ということ。

あるいは広大な言語世界の中には、日本語以上に精緻な体系を持った言語もあるのかもしれません。

例えば、セーターを「着る」とジャケットを「着る」が違う動詞になるとか。(一応、着方は異なるので)

もしそんな言語があったら、ぜひお目にかかってみたいものです。