空と青

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東京ではこの頃、冬晴れの空がきれいです。

せわしない日常の中でも、ふと空を見上げると気持ちが落ち着くことってありますよね。

そんな「空」は世界の言語ではどのように表すのでしょう?

English sky
Finnish taivas
French ciel
Greek ουρανός
Latin caelum
Russian небо

 

ギリシア語で「空」は ουρανός(ウラノス)、ラテン語で「空」は caelum(カエルム)。

当たり前ですが、言語によって響きはずいぶん異なるもの。

そんな空の色というのは、時刻によって青、赤、黒と変化します。

しかし「空は何色?」と聞かれたら、ほとんどの人は真っ先に青を連想することでしょう。

「青」はラテン語で caeruleus(カエルレウス)。

caelum
caeruleus

 

つまり2,000年前のローマでは、「青」という概念は「空の色」として共有されていました。

「Wiktionary」による caeruleus の語義は次のとおり。

caeruleus

  1. Of or pertaining to the sea.
  2. Of or pertaining to the sky.
  3. Of or pertaining to rivers or sea and river deities.
  4. dark colored, dark blue, dark green, cerulean, azure
  5. gloomy, sable, black

現代ではそこかしこに人工の青が散乱していますが、ローマの人にとって青というのは、海の色であり、空の色であり、川の色であったと。

そんな時代の人にとって、青という色は今よりもずっと新鮮で貴重なものとして映っていたのかもしれない。冬空を見上げながらそんなことを考えました。