二進法のはなし

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コンピュータの記憶装置では、0と1の二進法によって数字を表します。

十進法 二進法
0 0
1 1
2 10
3 11
4 100
5 101
6 110
7 111
8 1000
9 1001
10 1010

 

集積回路において、あるピンに電流が流れていなければ0、流れていれば1を表わす。そのように二択にすることでエラーが少なくなるというのは、素人でも納得のできるところ。

しかしこの二進法を私たちの日常生活に採用してしまったら、どうなるでしょう?

さきほどの表で十進法の10は二進法では1010になっています。

これくらいならまだしも、十進法の100は二進法では1100100、十進法の1000は二進法では1111101000となり、いちいちこんなにたくさんの数字を書くのは非効率だということになるでしょう。

しかし世界の言語の中には、数の数え方において二進法を採用しているものもあるのだとか。

先日、千野栄一さんの『言語学フォーエバー』という本を読んでいたら、レビ・レオナルド・コナントの『数の起源と発達』という本からの引用として、二進法を採用しているトーレス・ストレート島のある方言が紹介されていました。

1 urapun
2 okosa
3 okosa urapun
4 okosa okosa
5 okosa okosa urapun
6 okosa okosa okosa

 

1は urapun、2はokosa、それ以上の数は全て urapun と okosa の組み合わせ。

ただ6くらいまでならこれで良いとしても、その後はどうするのでしょう?

さきほどの本によると、これ以上の数は全て ras(沢山)と呼ばれるのだそう。

「なるほど。昔の島の暮らしではそんなにたくさんの数は必要ないのか」と一瞬納得しそうになりましたが、考えてみると未開の生活であっても、6以上の数字を使う機会はあったはず。

A:魚が釣れたよー。
B:何匹くらい?
A:ras

とか、

A:敵が攻めてきた!
B:軍勢の数は?
A:ras

とか、

とにかく数の多いものは ras ということにしてしまうのも、一つの知恵なのかもしれません。

これを現代社会に応用して、

A:えーと、宴会の予約をしたいんですが。
B:何名様ですか?
A:ras

とか、

A:日本は少子化が進んでいるねー。
B:現在の日本の人口はどれくらい?
A:ras
B:50年後の日本の人口はどれくらい?
A:ras

なんて言えたら、もう少し牧歌的な生活がやってくるのかもしれません。

 

言語学フォーエバー
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