労いのすすめ

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ねぎらう【労う・犒う】

その人の骨折りに対して、ご苦労だという気持を何らかの行為で示す。「労をー」

「新明解国語辞典 第七版」

もしも最近、職場の雰囲気がちょっとぎすぎすしているなと思ったら、労いの気持ちが不足しているのかもしれません。

冬の朝に白い息を吐きながら出勤して来た人には「寒かったでしょう」。

忙しくてお昼に出るのが遅れた人には「お腹が空いたでしょう」。

残業をしてため息を付いている人には「疲れたでしょう」。

書き出してみると、どれも当たり前の言葉なのですが、こういう言葉の使い方というのは今の日本社会から急速に失われているようにも思います。

自分は労いの言葉くらいかけるよ!と言う人も、よくよく振り返ってみると、

「お疲れー」

くらいで終わっていませんか?

相手の気持ちにきちんと降りていくというのは、案外難しいことですよね。

ある一日、もしも世界中の人がみな一言、身の回りの人に本当の労いの言葉をかけたなら、それだけで地球上のさまざまな紛争が解決に向かうのではないか。そんな幻想すら抱きます。

そんな「労う」は英語で何と言うのだろう?と思い、Google翻訳で英訳してみたものの結果は次のとおり。

  • ねぎらう → Negirau
  • 労う → Negirau

たしかに「労う」に当たる英単語というのは、考えてみてもなかなか思い付きません。

実際、日本語の「労う」という動詞の持つ意味を端から端まで日本語を解さない人に伝えようと思ったら、かなりの言葉を費やさなければならないでしょう。

そういう意味で「労う」というのは実に日本語らしい日本語なのだと思います。

せっかくこんな素晴らしい動詞を持っているのだから、身の回りの人にしっかりと労いの気持ちを伝えていきたいものですね。

 
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