日本語の一人称代名詞

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英語の一人称代名詞は I、フィンランド語の一人称代名詞は minä。

その他の言語からも拾ってみましょう。

ドイツ語 ich
フランス語 je
マレー語 saya
ロシア語 я

 

「イッヒ」「ジュ」「サヤ」「ヤー」と、さまざまな音がありますね。

それでは日本語の一人称代名詞は?

と聞かれたら、ぱっと思い付くだけでも「わたし」「ぼく」「おれ」など、よりどりみどり。

大野晋先生の『日本語練習帳』には、日本語の一人称代名詞のバリエーションとして次のような単語が紹介されています。

わたくし。わたし。わっち。あたし。あたい。おれ。おら。おいら。われ。こちら。こっち。こちとら。うち。それがし。手前。手前ども。自分。僕。我輩。予。拙者。小生。不肖。

大野晋『日本語練習帳』P.147

よくもまあ、これだけの種類があるなあと感心してしまいます。

外国語として日本語を学んでいる人にこれらのニュアンスと使い分けを教えるとしたら、いったいどれくらいの紙幅を費やすことになるのか想像もできません。

とはいえ、この中で実際に使ったことがあるのは「わたし」「おれ」「こちら」「自分」「僕」くらいのもの。

これからの人生でもおそらく、このあたりの単語を使い分けていくことになるのでしょう。

ただし、もしいつか世界の支配者にでもなることがあったら、こんな単語も使ってみたい気がします。

よ【余/予】

[代]一人称の人代名詞。わたくし。われ。現代では改まった文章や演説などで用いる。

『デジタル大辞泉』

この「よ」という一人称は、王様や貴族が使っているようなイメージ。

日本でも時代劇などで使われているのは聞いたことがあります。

ちなみにスペイン語の一人称代名詞は yo ですが、もしかしたら日本語との関連が??

。。。あるはずはないですね。

 

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