雨が降る − 天候を表す文の構造について

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「雨が降る」という文について考えてみましょう。

  • 主語=雨
  • 述語動詞=降る

構造は非常にシンプル。

気温が下がり、雨が氷の結晶になった場合は主語を「雪」に置き換えます。

  • 主語=雪
  • 述語動詞=降る

当たり前!と思われたかもしれませんが、他の言語を見てみると、天候を表すのにこのような構造を用いている言語は案外見当たりません。

以下に見ていきましょう。

 

英語の場合

It rains.(雨が降る。)

英語の場合、主語のポジションに来るのはいわゆる天気の it。

「雨が降る」という情報は rain 一語に集約されています。

そのため「雪が降る」場合は、動詞を置き換えます。

It snows.(雪が降る。)

 

フィンランド語の場合

Sataa vettä.(雨が降る。)

フィンランド語の場合、「降る」を意味する sataa を最初に置き、その後に「水」を意味する vesi(vettä)を置きます。

ただしこの vettä は省略されて、sataa 一語で「雨が降る」という文を構成することも多いよう。

Sataa.(雨が降る。)

「雪が降る」場合は、水を雪に置き換えます。この場合の雪は省略できません。

Sataa lunta.(雪が降る。)

 

ラテン語の場合

Pluit.(雨が降る。)

ラテン語の場合、主語のポジションは空欄となり、pluit という動詞一語で「雨が降る」という文を構成します。

また「雪が降る」場合は、動詞を置き換えます。

Ningit.(雪が降る。)

 

まとめ

こうして見てみると、日本語・英語・フィンランド語・ラテン語のうち「雨が/降る」という構造を持っている言語は日本語以外にないことがわかります。

また「雨」が「雪」になったときの表現方法も言語によって異なります。

日本語 英語 フィンランド語 ラテン語
雨が降る。 It rains. Sataa (vettä). Pluit.
雪が降る。 It snows. Sataa lunta. Ningit.

 

もし新しく人工言語を作るとしたら、どのシステムを採用するのが一番合理的なのだろう?などとしばらく考えてみたものの、もちろんすぐに結論が出るはずもありません。

みなさんはどれがよいと思いますか?