フィンランド語学習記 vol.269 − 雪はどこにある?

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フィンランド語教室で使っているテキストの一つ『Suomen mestari』にフィンランドの冬を表す次のような文が出てきました。

Talvella on normaalisti kylmä ja maassa on lunta.

Google翻訳で英訳すると、次のようなきれいな英文に変換されます。

In winter it is normally cold and there is snow on the ground.

さて、さきほどの文で不思議に思ったのが後半の部分。

…maassa on lunta.(地面には雪がある。)
*maa(地面)、lumi(雪)

フィンランド語の格変化のうち、[-ssA]は「〜の中に」を意味する格語尾。

よって maassa on lunta と言われると、地面の中に雪があるかのようなイメージを思い浮かべてしまいます。

一方、フィンランド語には「〜の上に」を意味する[-llA]という格語尾もあります。

フィン
[-ssA] in 〜の中に
[-llA] on 〜の上に

 

だとすると、さきほどの maassa は maalla ではダメなの?という疑問が生じてきます。

maassa on lunta.(地面には雪がある。)
maalla on lunta.(??)

そこで先日の授業の際に先生に聞いてみると、この文は地面の上にある雪を横からではなく、上から見ているイメージなのだとか。

なるほど!

考えてみると、

Olen Suomessa.(私はフィンランドにいます。)

と言うとき、私はフィンランドの中にもぐっているのではなく、フィンランドの上に立っている訳です。

それにもかかわらず[-ssA]を使うのは、なぜなのでしょう?

この問いに対して、さきほどの視点を使えば「横から見ればフィンランドの土地の上にいる私も、上から見ればフィンランドという枠の中にいる」と答えることもできるでしょう。

わかったつもりになっていた[-ssA]と[-llA]の使い分けにも、まだまだ奥深いところがあるなと気付かせてくれたテキストの例文でした。