ノーテンキ
誰でも身の回りに一人くらい、考えるよりも先に行動してしまう、そして失敗してもあっけらかんとしている、そんな「ノーテンキ」な人がいるのではないでしょうか。
このように「あの人はノーテンキだなあ」と言うとき、大抵は悪い意味でノーテンキという言葉を使っていると思います。
ただし改めて考えてみると、脳がよい天気だというなら、それは喜ばしいことなのではないでしょうか?
そんな疑問から、ノーテンキという単語を調べてみました。
のうてんき【能天気・能転気】
(「脳天気」とも書く)軽薄で向こうみずなさま。なまいきなさま。また、物事を深く考えないさま。…
「広辞苑 第五版」
軽薄、なまいき…とさんざんな言われようですが、よく見てみるとノーテンキの表記は「能天気・能転気」となっています。
「脳天気」とも書くという注釈はあるものの、もともとは能天気という表記なんですね。
「脳天気」なら頭の中が快晴というイメージがぱっと湧きますが、能天気となるとやや解釈の難しいところ。
能という字は「〜をなしうる」という意味なので、能天気というのは○○を快晴にできるというような意味なのかもしれません。
そうだとすれば、なぜ能天気はネガティブな意味になってしまったのでしょう?
もしかしたら、もともと能天気というのは、他人の評価にかかわらず、自分自身の気持ちを明るく保つことができるという、そんなポジティブな意味だったのではないか?
辞書を眺めながら、ふとそんなことを想像してしまいました。