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『きょうの花活け』

photo credit: Forget me not via photopin (license)

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もともと花というものとは全く無縁の生活を過ごしていて、チューリップやバラのような誰でも知っている花以外は名前も知らないくらいでした。

ただここ数年、花屋さんがあるとふらっと立ち寄ったり、お寺などで季節の花を楽しんだり、花を見る楽しみというものが少しずつわかってきたような気がします。

特に今年の春、鎌倉に引っ越してきてからは、その傾向が顕著になって、花を意識しながら過ごす時間がさらに増えてきました。

そして先日、鎌倉駅西口のたらば書房という本屋さんに行ったときに、この『きょうの花活け』という本が目立つ棚に平積みになっていて、手に取ってパラパラとめくっていたらじっくりと読みたくなり購入してしまいました。

きょうの花活け: 花あしらい101の見本帖。花と鎌倉とウーロンと。

考えてみると、花の本なんて買ったのは人生で初めてのことかもしれません。

本書『きょうの花活け』は鎌倉在住のフラワーアーティスト CHAJIN さんによる花活けの写真集。

もちろんフラワーアレンジメントの類には全く詳しくないのですが、写真を眺めているだけで何だか癒される気がします。

またフラワーアレンジメントというと、たくさんの花をバランス良く組み合わせて。。。とかなり難しい印象があったのですが、本書に出てくる花活けはとてもシンプル。

最初の章などは「1種類で活ける」となっていて、冒頭には赤い椿の花をたった一本、赤い器に活けた写真がのっています。

そのたたずまいがとても美しく、そうかこんなシンプルでもいいんだ、と新しい価値観に出会ったような気がしました。

また個人的には青い花が好きなので、繰り返し登場するアジサイやワスレナグサあたりの写真を見ながらほっこりとしています。

花好きな人、あるいはこれから花好きになる人も、きっとお気に入りの花活けに出会うことができる素敵な一冊だと思います。

 

きょうの花活け: 花あしらい101の見本帖。花と鎌倉とウーロンと。
CHAJIN
誠文堂新光社
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『はじめてのマインドフルネス − 26枚の名画に学ぶ幸せに生きる方法』

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『はじめてのマインドフルネス − 26枚の名画に学ぶ幸せに生きる方法』という本を読みました。

はじめてのマインドフルネス ――26枚の名画に学ぶ幸せに生きる方法

著者はクリストフ ・アンドレというフランスの精神科医の方。

本の帯には「ストレスに強い心をつくる」「人生に息切れしないために」という文言が並んでいます。

先日、銀座のブックファーストに行った際に、たまたま面陳されていた本書の表紙の雰囲気に惹かれて購入。とても素晴らしい本だったので、紹介したいと思います。

それにしても、最近本屋さんに行くとマインドフルネスに関する本をたくさん見かけるようになりました。

マインドフルネスというのは、一言で言えば、過去や未来ではなく「今」に注意と意識を向けることによって、心の安定を目指すためのトレーニング。

もともとは仏教の瞑想に由来するそうなので、日本人にとって馴染みのある考え方も多く取り入れられています。

例えば、私たちの心というのは、普段休むことなく「思考」を生み出しています。

「何も考えないようにしよう」と決めて静かに座っていたとしても、ついやり残した仕事のこと、友人に言われた一言、将来の不安など、さまざまな想念が心に浮かんでは消えていきます。

心のおしゃべりはとりとめがない。だが、自分の呼吸を感じ、鼓動を感じているうちに、それもゆっくりと静まってくる。時折、心はまたおしゃべりをする。でも、彼はそのおしゃべりを、落ち葉を見ているように、ただ眺める。ちょっと距離をとって観察する。

P.68 第5章「思考を観察する」より

マインドフルネスの一つの方法に、このように思考をただ静かに観察するというものがあります。

ただ実践してみるとわかりますが、これが案外難しい。最初は客観的に思考を眺めているつもりでも、いつのまにか思考の渦に捉われていることがよくあります。

また本書の最大の特徴はこのマインドフルネスの解説を26枚の絵画を使って行うということ。

古今の名画の中から、人の様々な思考様式や在り方を読み取り、それをマインドフルネスの実践に結びつけていくのです。

このアプローチがとても新鮮で、一章一章味わうように読み進めることができました。

これからマインドフルネスを始めてみようという人にも、すでに実践しているという人にも、おすすめできる一冊だと思います。

 

はじめてのマインドフルネス ――26枚の名画に学ぶ幸せに生きる方法
クリストフ アンドレ
紀伊國屋書店
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俳句の本を読んでみる

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この頃、折に触れて読んでいるのが俳句の本。

俳句なんて中学や高校の国語の教科書にのっているものに接して以来、とんとご無沙汰だったのですが、久しぶりに接してみるととても新鮮。

これは自分には絶対に真似できない!と思えるような世界の切り取り方を、五七五のたった十七文字の中に垣間見ることができる、とても素敵な世界です。

今回はそんな俳句の本を三冊紹介してみたいと思います。

 

君に目があり見開かれ

柚子の花君に目があり見開かれ  佐藤文香

柚子の花ってどんな花なのか、考えてみるとわからないのですが、柚子の花を見ている「君」を見ている人の心の内はありありと伝わってくるような。

先月のかまくらブックフェスタでこの佐藤文香さんの句集を買ったのが、俳句の世界に引き込まれて行くきっかけになりました。とても素敵な一冊です。

 

漱石俳句集 (岩波文庫)

仏性は白き桔梗にこそあらめ  夏目漱石

写真で見る白い桔梗の花には、何とも言えない品があって、その中に仏の姿を見たという漱石の心持ちが伝わってくるようです。

漱石が参禅していた北鎌倉の円覚寺、帰源院にこの句の句碑があります。

 

十七音の海 俳句という詩にめぐり逢う

葉ざくらの中の無数の空さわぐ  篠原梵

最後にこんな風に空を見上げたのはいったいいつのことだっただろう、と思わず考えてしまいました。たしかにそこにはたくさんの空があって、その向こうはどこまでも広がっているのでしょう。

本書は俳人の堀本裕樹さんによる俳句の鑑賞本。古今のさまざまな句に堀本さんの丁寧な解説が添えられていて、俳句に興味をもったときの最初の一冊によいかもしれません。

 

以上、最近読んだ俳句の本を三冊紹介してみました。

これまであまり触れてこなかった世界ですが、これから少しずつ開拓してみようと思います!

 

君に目があり見開かれ
君に目があり見開かれ

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佐藤文香
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漱石俳句集 (岩波文庫)
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夏目 漱石
岩波書店
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十七音の海 俳句という詩にめぐり逢う
堀本裕樹
カンゼン
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椎名誠著『アイスランド 絶景と幸福の国へ』

photo credit: Skógafoss via photopin (license)

photo credit: Skógafoss via photopin (license)

椎名誠さんの『アイスランド 絶景と幸福の国へ』という本を読みました。

アイスランド 絶景と幸福の国へ

椎名さんの本は、昔から家の書棚の一角にコーナーができるくらい読んでいるので、「アイスランド」などというタイトルの本が出ていればついつい手に取ってしまいます。

本書は椎名さんによる3週間のアイスランド旅行記。日経ナショナル ジオグラフィック社から出ているということもあり、写真にも大変力が入っています。

アイスランドは北大西洋の北極圏近くに位置する人口わずか30万人の小国。同じ北欧でも、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、デンマークなどと比べると、少しマイナーなイメージがあるかもしれません。

ただ近年は観光にも力を入れており、日本からの観光客もかなり増えているのだとか。

また音楽好きの人にとっては、ビョーク(Björk)、シガー・ロス(Sigur Rós)、ムーム(múm)といったミュージシャンを生み出した国としても知られているかもしれません。

そんなアイスランドに関する本を読みながら、脳裏に浮かんで来た一つの問いがあります。それは、

なぜ自分は北欧に惹き付けられるのだろう?

ということ。

その答えを探して自分の中を深堀していくと、根っこのところに「シンプルに暮らしたい」という思いがあって、そのためのヒントを探しているからなのかもしれないという結論のようなものに至りました。

実際、本書に描かれているアイスランドの田舎の風景や人々の暮らしはとても魅力的で、一度は訪れてみたいと思わせるものでした。

また本書の一つのテーマとして、OECD(経済協力開発機構)の幸福度ランキングで世界第9位に入ったというアイスランドの人々の幸福度をめぐる考察があります。

もちろんアイスランドの人々が、(例えば日本の人々と比べて)幸福なのかどうか、それは結論の出る問題ではないでしょう。

ただ本書に出てくる人々の生活を通して、自分の身の回りを振り返って本当に必要なものは何かということについて、少し思いを巡らせることができました。

北欧やアイスランドというキーワードだけではなく、シンプルライフやミニマリズムに興味のある人にもおすすめの一冊です。

 

アイスランド 絶景と幸福の国へ
椎名 誠
日経ナショナルジオグラフィック社
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カディブックス『馬語手帖』

言葉についてあれこれ考えているときに思い浮かぶ疑問の一つは「動物に言葉はあるのか?」というもの。

人間のような言葉はないとしても、動物と動物の間に、あるいは動物と人間の間に何らかのコミュニケーションはあるはず。だとすれば、その仕組みはいったいどのようになっているのでしょう?

今回紹介する『馬語手帖』はそんな素朴な疑問に答えてくれるユニークな一冊。

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多くの人にとって、馬の言葉と言うと、まず思い浮かぶのはあの「ヒヒヒーン」といういななき声かもしれません。

本書にはそのような馬の声についての解説もありますが、ページの多くが割かれているのは馬のさまざまなボディーランゲージについて。

馬という動物が、その身体を通してこんなにもさまざまな感情を表現していると知って、新鮮な驚きがありました。

その中でも特に面白いと思ったのは、馬の耳と馬の気持ちの関係について。

例えば、馬の耳が少し開いているときには馬はくつろいでいるとか、馬の耳がピクピク動いているときには馬の気持ちがざわめいているとか、馬の耳を見ると馬の気持ちがわかるのだそう。

そんな視点から馬を見たことはなかったので「なるほど」と思うとともに、人間もそんな風に耳を見るだけで相手の気持ちを推し量ることができたら便利なのに、などと考えてしまいました。

そんな『馬語手帖』を出版しているカディブックスは、日本の最西端、与那国島在住の河田桟さんという方が一人でやっている出版社。

よって、本書を取り扱っている書店はかなり限られているよう。自分は池袋のジュンク堂で入手しましたが、カディブックスのホームページから直接注文することもできるようです。

与那国島から本を送ってもらうというのも、考えてみるとめったにできない体験ではありますね。

 
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『珈琲とエクレアと詩人』橋口幸子著

photo credit: Amapolas via photopin (license)

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『珈琲とエクレアと詩人 スケッチ・北村太郎』という本を読みました。

珈琲とエクレアと詩人 スケッチ・北村太郎

北村太郎は田村隆一や鮎川信夫などと並ぶ、荒地派の詩人の一人です。

本書はその北村太郎と交流のあった著者による、詩人の晩年の生活の記録。

北村太郎という人について特に知識があった訳ではなく、ふとしたきっかけで手に取ったに過ぎないのですが、読み進めるにつれて、その人となりにすっかり魅了されてしまいました。

晩年の北村太郎は勤めていた朝日新聞社を退職し、鎌倉や横浜のアパートを転々とします。慎ましい暮らしの中で、身の回りの人とたわいのない話をしたり、翻訳の仕事をしたり、猫をかわいがったり。

市井の片隅で人が生きていくその息づかい。一日一日のいとおしさのようなものが静かに伝わってきます。

「校正の仕事、わたしに向かないと思うんですよね」とある日わたしは、自分に自信のないことを訴えた。

「自分に向いていると思って、校正の仕事をしているひとこそ向いていないと思うよ」

著者と詩人のさりげない会話や気持ちのやりとりの中に、大げさに言えば、生きていく意味のようなものが透けて見えたり。

本は100ページ少々ですぐに読めてしまうのですが、何度でも繰り返し読みたくなる素敵な一冊です。

また巻頭に引用された「天気図」という詩がとても印象的。

夜中に台所でネギを切っていたら、そのあまりの白さに誰もいない後ろを振り返ってしまうという内容。

本書の次にはぜひ詩集を読んでみたいと思いました。

 

珈琲とエクレアと詩人 スケッチ・北村太郎
橋口 幸子
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