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英語

attender vs attendee − する人とされる人(2)

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昨日のエントリーの最後に書いた attender と attendee の違いについて、改めて検証してみたいと思います。

[昨日のエントリー]employer vs employee − する人とされる人

<前提>
・英語の接尾辞[-er]は「〜する人」、[-ee]は「〜される人」を意味する。
(例、employer=雇う人、employee=雇われる人)

・しかし attender と attendee はともに「出席する人」の意味になる。

動詞 attend は「出席する」の意味ですから、本来なら attender は「出席する人」、attendee は「出席される人」になるはずです。

しかし「出席される人」というのは意味がよくわかりません。

無理にこじつければ、その会の主催者ということになるでしょうか。

ここで改めて employ と attend の語法を考えてみると、employ というのは「人」を目的語にとる動詞であるのに対して、attend は「会」を目的語にとる動詞です。

employ someone(人を雇う)
attend a meeting(会議に出席する)
主語(人) employ 目的語(人)
employer employee

 

主語(人) attend 目的語(会)
attender
attendee
×

 

このように図示してみると、attend という動詞から「〜される人」を意味する[-ee]の形が派生すること自体が不自然なようにも思えます。

このあたりの事情について、Wiktionary の attendee の項に次のような説明が出ていました。

Attender was originally the only word for a person attending. As with most nouns formed from verbs, as payer, trainer, employer, it was the receiver of action that was formed with -ee, as with payee, trainee, employee. In the 1980s with the advent of spell-checkers, the word attender was erroneously flagged as misspelled and attendee was its replacement. Since then attender is no longer in popular usage.

「Wiktionary」

すなわち、

1)もともと「出席者」を意味する単語は attender しかなかった。
2)1980年代にスペルチェッカーが誤って attender をスペルミスと判定し、attendee が代わりに使われるようになった。
なぜスペルミスと判定されたのか?という疑問は残りますが、この説明が正しいなら、やはり「出席する人=出席者」を意味する単語としては attender の方が正当であるということになります。

とはいえ、言葉の選択というのは「正しい、正しくない」だけで決まるわけではないので、正当性を主張しただけでは attender が復権することはないでしょう。

attender にしてみれば、とんだ濡れ衣を着せられたことになりますね。


employer vs employee − する人とされる人

18011801

employer

A person or organization that employs people.

Oxford Dictionaries

employee

A person employed for wages or salary, especially at non-executive level.

Oxford Dictionaries

英語で employer は「雇い主」、employee は「従業員」の意味。

[-er]は「〜する人」を意味する接尾辞なのに対して、[-ee]は「〜される人」を意味する接尾辞です。

ただ[-er]と比べて[-ee]の付く英単語というのはあまり思い浮かびません。

そこで今回は辞書の中から[-ee]の付く英単語を拾ってみました。

adviser, advisor
指導教官
advisee
指導学生
attender
出席者
attendee
出席者
- committee
委員会
- contactee
被接触者(宇宙人と接触したと主張する人)
examiner
試験官
examinee
受験者
interviewer
面接官
interviewee
面接を受ける人
- referee
レフェリー
trainer
訓練をする人
trainee
訓練[研修]を受けている人

*『ウィズダム英和辞典 第3版』より

ご覧のように[-ee]の単語があっても、ペアになる[-er]の単語がないケースもあります。なお、

[-er]= する人
[-ee]= される人

という原則を考えると、attender と attendee が同じ「出席者」という意味になるのは不思議な現象。

原則に従えば attendee は「出席される人=会の主催者」になってもよさそうですが、そのような意味は見つかりません。

ここを掘り下げると、また別のテーマになりそうです。


nevermas

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OED(Oxford English Dictionary)のツイッターアカウントでは一日一回 Word of the Day としてユニークな単語を紹介しています。

昨日流れて来たのはこんな単語。

nevermas は「決して訪れない時間や日」を意味する英単語。

これはすごい単語だと思ったので、すぐにメモ。

nevermas の具体的な例を思いつくままに挙げてみると、

  • 1月32日
  • マイナス20歳の誕生日
  • フィンランド語が世界の公用語になる時代
  • 一切の争いがない時代、人と人が完全にわかりあえる時代
  • etc.

さまざまに想像力の膨らむ単語です。

なお nevermas の[-mas]というのは「祭、祝祭日」を意味する接尾辞。

Christmas の[-mas]もそうですし、次のような単語にも使われています。

Candlemas

n. (ローマカトリックで)聖燭せいしょく祭、聖母お潔きよめの祝日、(英国国教会で)被献日、処女マリア被潔日:2月2日;御子みこキリストを神殿にささげ、聖母マリアが潔めの式にあずかったのを記念するキリスト教会の祝日;Candlemas Day.

「ランダムハウス英和大辞典 第2版」

Hallowmas

n. ⦅古⦆ 万聖節、諸聖人の祝日(All Saint’s Day)(11月1日). (また Hallowmass)

「ランダムハウス英和大辞典 第2版」

Lammas

n. 1 収穫祭、ラマス:昔、英国で8月1日に行われた祭り;新麦で作ったパンをささげて祝った.

「ランダムハウス英和大辞典 第2版」

Martinmas

n. (聖)マルティヌス祭:St.Martin を記念して11月11日に行う.

「ランダムハウス英和大辞典 第2版」

Michaelmas

n. ⦅主に英⦆ 聖ミカエル祭:天使長 Michael を祝う9月29日の祭り;英国では四季支払日(quarter day)の一つ. (また Míchaelmas Dày)

「ランダムハウス英和大辞典 第2版」

このような祝祭のイメージに否定の never を重ねた nevermas。

深刻な話題ではなく、At nevermas I’ll go on a date to Disneyland. のようにちょっとした愚痴に使ってみるのも面白そうな単語です。

みなさんにとっての nevermas はいったいどんな一日でしょうか?

 
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skosh

18010701

問題:英単語 skosh の意味は何でしょう?

ヒント:skosh は日本語に由来する英単語です。

答え:

skosh

NOUN

US
informal

A small amount; a little.

‘the car could do with a skosh more room in the back’

Origin

1950s: from Japanese sukoshi.

Oxford Dictionaries

skosh は「少し」を意味する英単語。

sushi などと異なり、おしまいの[i]が消えて英語風の綴りになっているので、ぱっと見ただけではなかなか日本語の少しから来ているとは気づきません。

それにしても sushi や karaoke のように、英語(英語圏)にないものを指すために日本語が使われるならわかりますが、なぜわざわざ「少し」を日本語から持ってくる必要があったのでしょう?

この語源に関してランダムハウスには次のような説明が出ていました。

skosh[skóuʃ]

n.⦅a skosh⦆⦅米俗⦆少し

語源

1959.<日本語「少し」. 朝鮮戦争から

「ランダムハウス英和大辞典 第2版」

どうも朝鮮戦争の際に使われたスラングであるということはたしかなようです。

ただこれ以上のことはわからず。

いったいどのような文脈で使われたのかわかりませんが、英語のネイティブスピーカーたちが skosh… skosh… と言っているのを想像すると面白いなと思います。

もしそれを耳にした日本人がいたなら、日本語の「少し」のことだと気づいたのでしょうか?

 
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西瓜糖とクローバー

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正月休みにリチャード・ブローティガンの『西瓜糖の日々』を再読しました。

この小説を読み始めたときに、まず頭に浮かぶ疑問は「西瓜糖(watermelon sugar)って何?」ということ。

いま、こうしてわたしの生活が西瓜糖の世界で過ぎてゆくように、かつても人々は西瓜糖の世界でいろいろなことをしたのだった。

『西瓜糖の日々』P.9

ここから始まる物語は、<アイデス>と<忘れられた世界>と呼ばれる場所で起こる断片的なエピソードを淡々と紡いでいきます。

最後まで読んでも西瓜糖の正体を知らされることはなく、その答えは読者一人一人の想像力に委ねられています。

今回再読していて、ひとつおもしろいと思ったのは翻訳者の藤本和子さんによる訳者あとがきの一節。

原題は In Watermelon Sugar だが、これはきっと We lived in clover というような場合のイディオムが発想のはじめのところにあったように思う。We lived in clover というのは、牛がじゅうぶんにクローバーの葉を食べて暮すように、「われわれはなに不足なく暮した」という意味で、この in clover が in watermelon sugar になったのだろうと思う。

『西瓜糖の日々』P.197〜198 訳者あとがきより

この live in clover というイディオムを辞書で調べてみると、次のように出ていました。

be/live in clover

(informal) to have enough money to be able to live a very comfortable life

「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」

西瓜糖というのは、牛にとってのクローバーのようなもの。

しかしこの小説で描かれる西瓜糖の世界は、ユートピアのようでユートピアではない、何かが欠落した世界です。

そんな西瓜糖の世界で生きる人間は幸福なのか?

私たちを私たちの世界につなぎとめているものは何なのか?

答えのない問いが次々に浮かんでくる不思議な小説です。

 

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lip service(リップサービス)

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いかにも英語っぽいのに実は和製英語であるという言葉もあれば、いかにも和製英語っぽいのに実は正真正銘の英語であるという言葉もあります。

後者の例として、すぐに思い浮かぶのは次の表現でしょうか。

lip service

noun

if somebody pays lip service to something, they say that they approve of it or support it, without proving their support by what they actually do

「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」

lip service は「口先だけの好意」の意味。

いわゆる口先だけの言葉を意味する英単語には flattery(お世辞)もありますが、この lip service には「言うだけ言って行動しない」という含意があります。

そういう意味では flattery 以上に不誠実とも言えるでしょう。

このリップサービスという言葉はカタカナ語として国語辞書にも出ています。

リップサービス(名・自サ)〔lip service〕

口先だけのことば。おせじ。

「三省堂国語辞典 第七版」

これを見て思うのは、このリップサービスという言葉を最初に日本語に訳した人は苦労したのではないかということ。

「唇の○○」と訳しても、そのまま「リップサービス」と表記しても、何だか怪しげな意味にとられてしまうのではないかということは容易に想像できます。

カタカナ語として定着する前はいったいどんな風に解釈されていたのか? 気になってしまう表現です。


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