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英語

water under the bridge(橋の下の水)

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デール・カーネギーの『人を動かす』の原書『How to Win Friends and Influence People』を読んでいて見つけた、ちょっと面白いイディオムを一つ紹介してみたいと思います。

南北戦争の際、合衆国大統領のリンカーンは指揮官のジョージ・ミード(George Gordon Meade)に、撤退する敵軍追撃の指示を出しますが、ミードは攻撃を躊躇し、敵軍の撤退を許してしまいます。

一度はミードへの怒りの手紙を書いたリンカーンでしたが、結局、その手紙は投函しませんでした。

著者のカーネギーがその時のリンカーンの胸中を推測して書いたのが次のシーン。リンカーンは「自分がミードの立場にいたらどうしていただろう?」と想像し、最後に Anyhow, it is water under the bridge now. という一文でその思索を締めくくっています。

Maybe I ought not to be so hasty. It is easy enough for me to sit here in the quiet of the White House and order Meade to attack; but if I had been up at Gettysburg, and if I had seen as much blood as Meade has seen during the last week, and if my ears had been pierced with the screams and shrieks of the wounded and dying, maybe I wouldn’t be so anxious to attack either. If I had Meade’s timid temperament, perhaps I would have done just what he had done. Anyhow, it is water under the bridge now.

Dale Carnegie『How to Win Friends and Influence People』

この water under the bridge というフレーズの意味がわからなかったので辞書で調べてみました。

water under the bridge

(North American water over the dam)

PHRASE

Used to refer to events that are in the past and consequently no longer to be regarded as important.

‘I don’t want to talk about that—it’s all water under the bridge now’

Oxford Dictionaries

water under the bridge は過去の出来事を指して「今さら仕方のないことだ」という諦観を表現するためのイディオム。

どんな出来事も川の水のように過ぎ去ってしまい、誰もその流れを戻すことはできないというニュアンスなのでしょう。詩的で使ってみたくなる表現です。

北米版の water over the dam も同じことを言っている(ダムを越えた水を戻すことはできない)のでしょうが、ダムというのはやや詩情に欠けるような気も。個人的には water under the bridge の方が好みですね。

 

How to Win Friends and Influence People (English Edition)
Numitor Comun Publishing (2010-12-16)

一本のとうもろこし

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英語の名詞には可算(countable)、不可算(uncountable)の区別があります。

それを私たちはしばしば「数えられる、数えられない」と解釈しますが、実際には「数えられる、数えられない」という言葉では説明できない、次元の違う感覚があるのだろうと感じることがあります。

例えば「とうもろこし」を意味する corn は可算名詞でしょうか、不可算名詞でしょうか?

corn

名 U

1(米・カナダ・豪)[集合的に]トウモロコシ;トウモロコシの粒((英)maize)

▶corn on the cob
軸つきのゆで[焼き]トウモロコシ(!複数形は~ on the cobs)

▶eat an ear [a sheaf] of corn
トウモロコシを1本食べる

「ウィズダム英和辞典 第3版」

英語の corn は不可算名詞であり、「一本のとうもろこし」は上記の説明にもあるように an ear of corn などと言うのが一般的。

ただとうもろこしが不可算名詞と言われても、英語のノンネイティブである自分には腑に落ちないところもあります。

corn というのは軸付きのとうもろこしではなく、粒々のコーンを意味するのだと言われれば頭では理解できるのですが、eat a corn という表現に英語のネイティブスピーカーが感じるであろう違和感を共有することまではできません。

結局、日本語には可算・不可算という概念がないので、感覚的にそれをイメージするのは難しいような気がします。

これは三次元の世界に住む人間が四次元の世界を想像できないようなものなのかもしれない、と言ったら言い過ぎでしょうか。

 
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時計の「長針・短針」は英語で何と言う?

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朝が弱いので、ウチには枕元に4台の目覚し時計を置いています。

そのうち1台はデジタルで、3台はアナログ。

目覚し時計は何となく「針」の付いているアナログタイプの方が安心感があります。

さて、そんなアナログ時計の「長針・短針」は英語で何と言うのでしょう?

日本語では「針」という漢字を使いますが、英語もそのまま needle になるのでしょうか?

調べてみたところ、一般的に時計の「長針・短針」は次のように表現するようです。

big hand

NOUN

informal

The long hand on a clock or watch that indicates the minutes.

Oxford Dictionaries

little hand

NOUN

informal

The short hand on a clock or watch that indicates the hours.

Oxford Dictionaries

「長針」は big hand、「短針」は little hand。

「針」を hand と表現するのも意外ですし、「長・短」を big, little と表現するのも意外でした。

*ただ「長・短」については long hand, short hand という表現もあるようです。

時計の針と人間の手の共通点は何だろう?と考えてみると、あの時計の針というのはまさに時刻を「指し示している」ということに思い当たります。

そう考えると、枕元のアナログ時計に人間らしさのようなものを感じますし、それがデジタル時計よりアナログ時計に安心感を感じる理由なのかなとも思います。


peach color(ピーチ色)

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3月に入り、すっかり暖かくなってきました。今日3月3日は桃の節句ですね。

「桃」は英語で peach。この peach という英単語は、果物の「桃」以外に色名としても使われることがあります。

それって「桃色=ピンク」のことじゃないの?と思われるかもしれませんが、色名としての peach は pink とは異なる色。

辞書の説明を見てみましょう。

peach

noun

  1. [countable] a round fruit with soft red and yellow skin, yellow flesh and a large rough seed inside
  2. [singular] peach (of a…) (old-fashioned, informal) a particularly good or attractive person or thing
  3. [uncountable] a pinkish-orange colour

「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」

3の意味に pinkish-orange colour とあります。

pinkish-orange というのはどんな感じかイメージできるでしょうか?

??

頭に思い浮かべていただいたところで、

、、

ピーチ色というのはこんな感じの色。

18030302

つまり桃の皮の色ではなく、中の果肉の色ということなんですね。

ピンクでもオレンジでもなく、黄色でも肌色でもない、たしかに桃の色としか表現できないような、絶妙なバランスの色だと思います。

日本語ではあまり馴染みのないこのピーチ色。これから広まっていく可能性はあるでしょうか?


「ぷちぷち」は英語で何と言う?

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壊れ物の梱包などによく使われる「ぷちぷち」の正式な名称は何でしょう?

気になったので、まずは「ぷちぷち」から辞書で調べてみました。

ぷちぷち

一(副・自サ)

①小さな つぶ状のもの〈が はじける/をつぶす〉音・ようす。

②小さな つぶ状であるようす。

二(名)〔商標名〕 気泡の はいった包装用のシート。

「三省堂国語辞典 第七版」

さすが三国。きっちり「気泡のはいった包装用のシート」という意味ものせています。

ただ〔商標名〕のラベルが付いているので、正式な名称は他にあるのでしょうか?

辞書の中にはこれ以上見つからず、Wikipedia を調べてみると「気泡緩衝材(きほうかんしょうざい)」という名称が出ていました。

気泡緩衝材。

もちろん意味は伝わるものの、ちょっと堅い感じ。これなら「ぷちぷち」の方が日常会話には向いているような気がします。

実際、日本語には「宅急便」や「バンドエイド」のように商標名が一般名詞化した例も多く見られます。

ではこの「ぷちぷち」は英語で何と言うのでしょう?

調べてみるとこんな表現が見つかりました。

bubble wrap

(also BubbleWrap)

NOUN

mass noun

Plastic packaging material in sheets containing numerous small air cushions designed to protect fragile goods.

Oxford Dictionaries

bubble wrap は「ぷちぷち(気泡緩衝材)」を意味する英語表現。

ただ厳密にはこちらも日本語の「ぷちぷち」と同じ商標名であるとのこと。よって bubble pack など他の表現が使われることもあります。

「ぷちぷち」はいかにも日本語らしいオノマトペですし、bubble wrap もまた英語らしいシンプルでストレートな表現。

それぞれの言語の個性がよく伝わる単語のペアなのではないかと思います。

 
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消えゆく英単語 − 女性を表す[-ette][-trix]

18021501

以前に女性を表す接尾辞[-ess]についてのエントリーを書いたことがあります。

消えゆく英単語 − 女性を表す[-ess]

ジェンダーフリーな表現が主流になりつつある現在、接尾辞[-ess]を含む単語の使用頻度は低くなりつつあります。

しかし stewardess や waitress が消えてしまっても、actress はまだまだ残りそうですし、princess はおそらく消えることはないでしょう。

ところで英語の語彙にはそんな[-ess]以外にも女性を表す接尾辞が存在するのをご存知でしょうか?

今回は[-ette]と[-trix]という二つの接尾辞を紹介してみたいと思います。

 

[-ette]

[-ette]はフランス語由来の接尾辞。

「小さい」「女性の」という二つの意味があります。

前者の代表には次のような単語があります。

  • kitchenette(小さな台所)
  • novelette(中編小説)
  • sermonette(短い説教[法話])

一方、後者の代表には次のような単語があります。

Man Woman
major? majorette バトンガール
usher usherette (教会・劇場などの)女子案内係[役]

*「ランダムハウス英和大辞典 第2版」より

残念ながらこの二つ以外に現役で使われている単語は見当たらないようです。

 

[-trix]

[-trix]はラテン語由来の接尾辞。

残念ながら現役バリバリで使われている単語は一つも存在しませんが、辞書には法律関連の用語を中心にいくつか掲載されています。

Man Woman
aviator aviatrix 女性飛行士
executor executrix 〘法律〙女性遺言執行者
inheritor inheritrix 〘法律〙女性(遺産)相続人
mediator mediatrix 女性の仲介者[調停者]

*「ランダムハウス英和大辞典 第2版」より

「女性飛行士」を意味する aviatrix は何だか素敵な響きのある単語。しかし今では aviator で男女両方を表すのが一般的とのこと。

 

以上、今回は女性を表す二つの接尾辞[-ette]と[-trix]を含むいくつかの英単語を紹介してみました。

どの単語も歴史の荒波を潜り抜けて現代の英語辞書に到達した強者たち。しかしもちろんその将来には危ういものがつきまとっています。

これだけはぜひ残しておきたいという単語はあるでしょうか?

 
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