[th]と[ð]と[þ]
次の二つの英単語の発音を思い浮かべてみましょう。
think
カタカナで表記するなら「ズィス」と「スィンク」。
発音記号で表記するなら、次のようになります。
think /θɪŋk/
何を当たり前のことをと思われたかもしれませんが、同じ[th]の文字をあるときは有声音 /ð/、またあるときは無声音 /θ/ で発音するというのはなかなか難しいこと。
頭の中ではいったいどのように処理されているのでしょう?
知らず知らずのうちに使い分けているというのは、考えてみると実に不思議なこと。
ただしこれら /ð/ と /θ/ の音は、古英語(old English)の時代には[th]ではない二種類の文字で表わしていたのだとか。
その文字というのは以下の二つ。
þ
なるほどー。古英語の時代には有声音 /ð/ を[ð]の文字、無声音 /θ/ を[þ]の文字で表わしていたんですね。納得、納得。
。。。
と想像してしまいますが、実際にはどちらの文字も有声音と無声音の両方を表わすことがあったのだとか。
あくまで文字に頼らず単語ごとの発音を覚えなさいということなのですね。
なぜもっと効率的な体系が作れないのだろう?と思いつつ、同時にこの混沌がいかにも英語らしいとも思います。