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映画

アキ・カウリスマキ監督『白い花びら』@渋谷区総合文化センター大和田

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昨日のエントリーの続き。

ヴィクトル・シェストレム監督『風』@渋谷区総合文化センター大和田 | Fragments

昨日は渋谷区総合文化センター大和田・さくらホールにて、ヴィクトル・シェストレム監督の『風』とアキ・カウリスマキ(Aki Kaurismäki)監督の映画『白い花びら』を見てきました。

『白い花びら』は、1999年に製作された全編モノクロームのサイレント映画。古き良き時代の映画にオマージュを捧げた一作ということになるのでしょう。

カウリスマキはこの映画の制作にあたり、過去の多くのサイレント映画を研究したそうなので、その中には昨日紹介したシェストレム監督の『風』もあったかもしれません。

映画の原題は Juha(ユハ)。これは主人公の名前。

キャベツ作りを生業とする農夫のユハは、フィンランドの片田舎で妻のマルヤとつつましい暮らしを送っています。

新婚で幸せそうな二人。しかしある日、都会からオープンカーに乗った伊達男シュメイッカがやってきて、マルヤは誘惑されてしまい。。。

映画の原作はフィンランドの古典小説で、このカウリスマキ作品以外にも何度か映像化されているのだとか。

どうしようもない人間の弱さを描いた作品で、生きている限り誰にでも起こりうる悲劇を描いています。ユハ、マルヤ、シュメイッカの3人はそれぞれが人間の一種の典型として描かれているのかもしれません。ストーリーはまるで違いますが、なんとなくフェリーニの『道』を思い出しました。

シュメイッカ役のアンドレ・ウィルム(André Wilms)とマルヤ役のカティ・オウティネン(Kati Outinen)は、カウリスマキの近作『ル・アーブルの靴磨き』では仲の良い夫婦を演じているのに、この映画では真逆の関係になっているのがおもしろいですね。

サイレント映画なので、もちろん台詞を含めた音声は一切なし。ただしときどき字幕で状況説明や登場人物の台詞は示されます。

また今回の上映では、ノルウェーのバンド、ハンツヴィル(Huntsville)による生演奏も行われました。

個性的なエレクトロニカサウンド。最初の方は「演奏している」ことを意識して、映画の画面とバンドの様子を交互に見ていたりしたのですが、途中からストーリーに引き込まれてしまい、完全にBGMになっていました。

映画の中盤にハンツヴィルがふっと演奏を止めるところがあって、そこで「あっそうそう、生演奏だったんだ」と思い出したくらい。映画の世界観とすっかり融合して心地よい空間を作り出していたように思います。

サイレント映画+生演奏という組み合わせもいいなあと思った日曜日でした。


ヴィクトル・シェストレム監督『風』@渋谷区総合文化センター大和田

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今日は渋谷区総合文化センター大和田・さくらホールにて、ヴィクトル・シェストレム(Victor Sjöström)監督のサイレント映画『風』を見てきました。

思い返してみても、劇場でサイレント映画を見るのは初めて。

この日はアキ・カウリスマキ監督の『白い花びら』と合わせてサイレント映画の二本立てという企画。

正直カウリスマキ作品の方がお目当てだったので、初めは「どんなものかな?」と半信半疑だったのですが、結果見に来て大正解!でした。

『風』(原題:The Wind)は、1928年のアメリカ映画。

監督のシェストレムは、当時のスウェーデン映画界の巨匠。ハリウッドに招かれてこの作品を監督しました。

リリアン・ギッシュ演じる主人公のレティは故郷のバージニアから、いとこのビバリーを頼って風の吹きすさぶテキサスへやってきます。

行きの列車で出会ったお調子者のロディに騙されたり、近くに住むカウボーイのライジと気の進まない結婚をしたり。。。

物語自体はよくあるメロドラマのよう。しかしこの映画の本当の主役は全編を通して吹き続ける風・風・風。

なんとカリフォルニアの砂漠に8台のプロペラ機を持ち込んで撮影されたのだとか。この風が映画全編に異様な迫力を与えています。

また今回の上映では、サイレント映画ピアニストの柳下美恵さんによるピアノの生演奏(伴奏)も行われました。

サイレント映画を見たことがなかったので、何となく「映画は映画、音楽は音楽」で流れて行くというイメージがあったのですが、実際には柳下さんが物語の展開を見ながら即興で音を付けていきます。

物語が盛り上がるところは音楽も盛り上がり、沈黙すべきところは沈黙するという具合で、これにはびっくり。すごいテクニックです!

ところで監督のヴィクトル・シェストレムという名前を聞いたことがない人でも、イングマール・ベルイマン監督の『野いちご』に主演していた老紳士と言えば、古い映画好きなら「ああ、あの人!」と思い出す人も多いのではないでしょうか。

『野いちご』の撮影当時はすでに78歳で、映画の完成後2年ほどで亡くなってしまったとのこと。最後の作品は役者として残したんですね。


原題と邦題が全く異なるおすすめ映画3本

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先日、フィンランド映画『旅人は夢を奏でる』についてのエントリーを書きました。

ミカ・カウリスマキ監督『旅人は夢を奏でる』@イメージフォーラム | Fragments

『旅人は夢を奏でる』のフィンランド語の原題は『Tie Pohjoiseen』。日本語に訳せば「北への道」。邦題とはずいぶん異なります。

今回はこのように原題と邦題が全く異なるおすすめ映画を3本紹介してみたいと思います。

 

大人は判ってくれない(1959)フランソワ・トリュフォー監督

フランス語の原題は『Les Quatre Cents Coups』。各単語の意味は次のとおり。

quatre(4)
cent(100)
coup(打撃、殴打)

原題をそのまま訳せば「400回の打撃」。これはフランス語の「ばか騒ぎをする」というような意味の慣用句から来ているのだとか。

英語タイトルは直訳の『The 400 blows』なので、英語圏の人にとってはよくわからないタイトルになってしまっています。

 

火の馬(1964)セルゲイ・パラジャーノフ監督

ウクライナ語の原題は『Тіні забутих предків』。

原題の意味は「忘れられた祖先の影」。英語タイトルも『Shadows of Forgotten Ancestors』となっています。

同名のウクライナ文学が映画の原作になっており、映画も前編ウクライナ語で製作されています。(ただし監督のセルゲイ・パラジャーノフはグルジア出身。)

カメラワークと色彩が印象的な忘れられない一作。『火の馬』という邦題はそれなりにしっくりくると思うのですが、どうでしょう?

 

ギター弾きの恋(1999)ウディ・アレン監督

英語の原題は『Sweet and Lowdown』。

lowdown は「卑劣な、堕落した」などを意味する形容詞。

おそらく映画の主人公エメット・レイのキャラクターを指して「やさしいけれどダメな奴」のような意味合いで使っているのでしょう。

『Sweet and Lowdown』という英語の語感はとてもいいなと思いますが、このイメージを損なわずに日本語に訳すのは至難の業ですね。

以上、邦題からはなかなか想像できない原題の映画3本を紹介してみました。もちろんタイトルだけではなく、映画本編もおもしろいのでおすすめです!


ミカ・カウリスマキ監督『旅人は夢を奏でる』@イメージフォーラム

photo credit: monojussi via photopin cc

photo credit: monojussi via photopin cc

渋谷のシアター・イメージフォーラムでミカ・カウリスマキの新作『旅人は夢を奏でる』を見てきました。

フィンランド映画祭2013でも上映されていたのですが、そのときはぐずぐずしていたらチケットが売り切れに。今回ようやく見ることができました。

映画の主人公は30代後半のピアニスト、ティモ。ある日、コンサートを終えて帰宅すると、35年前に家を出て行ったきりの父親レオがドアの前に座り込んでおり。。。

映画はそこから始まる親子二人の旅を描いていきます。

母親違いの姉ミンナの家を訪ねたり、養護施設に入っている祖母に会いに行ったり、そして旅の最後には。。。という出会いと別れのロードムービー。

映画の原題『Tie Pohjoiseen』は「北への道」という意味。

フィン
tie road
pohjoinen north

 
原題の pohjoiseen は「北」を意味する pohjoinen の入格の形。

[主格]pohjoinen(北)
[入格]pohjoiseen(北へ)

入格は「〜の中へ」という意味を表す格変化。

実際、映画の中で親子二人はティモが住むヘルシンキから、車で北へ北へと移動していきます。


大きな地図で見る

地図で見るとヘルシンキからロヴァニエミ(映画の中でティモの奥さんと娘さんが住んでいる)は、600km以上あるんですねー。遠い!

街から街へと移動する際に出てくるフィンランドの自然は、荒涼としていながら、どこかなつかしいような感じもします。

こちらも車の振動に揺られている気分がしてきて、久しぶりに長距離のドライブをしたくなりました。

またこの映画で一番印象に残ったのは、親子二人を演じる役者さん。

父親役のヴェサ・マッティ・ロイリ(Vesa-Matti Loiri)、息子役のサムリ・エデルマン(Samuli Edelmann)は二人ともフィンランドでは有名なミュージシャン&俳優なのだとか。

いい加減で人たらしの父親と生真面目で神経質な息子というコントラストもおもしろく、息の合った名コンビだったと思います。

ロードムービーが好きな方、フィンランドが好きな方、人生で本当に大切なものを考えたい方におすすめの一本です。


ヘイフラワーとキルトシュー(Heinähattu ja Vilttitossu)

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DVDで『ヘイフラワーとキルトシュー』というフィンランド映画を見ました。

Hayflower and Quiltshoe – Trailer from NonStop Sales on Vimeo.

ヘイフラワーとキルトシュー(Hayflower and Quiltshoe)というのは、主人公の姉妹の名前。

ただしこれは英語タイトルをそのままカタカナにしたもので、もとのフィンランド語タイトルは Heinähattu ja Vilttitossu となっています。

7歳のしっかりもののお姉さん Heinähattu の heinä は「干し草」、hattu は「帽子」の意味。

干し草の帽子というのは「麦わら帽子」のこと。

5歳のおてんばな妹 Vilttitossu の viltti は「毛布」、tossu は「スリッパ」の意味。

毛布のスリッパ? これはそのような生地のスリッパということでしょうか。

映画の中で、ヘイフラワーは麦わら帽子をかぶり、キルトシューはスリッパを履いているので、二人が身に付けているものがそのままそれぞれの名前になっているんですね。

この映画は、ジャガイモの研究をしているお父さん(isä)、家事が苦手なお母さん(äiti)、そしてヘイフラワーとキルトシューの4人家族の物語。

しっかりもののヘイフラワーは、家事が苦手なお母さんの手伝いをしたり、おてんばなキルトシューの面倒をみたり、一家の大黒柱(?)として頑張りますが、ある事件をきっかけにすっかり口を利かなくなってしまい。。。

ストーリーらしいストーリーがある訳ではなく、ちょっと風変わりな家族の日常が淡々と描かれていきます。

でもそんな日常の一コマ一コマがとてもいとおしく思える素敵な映画です。

また主人公やお隣さんの家のインテリアデザインがとてもカラフルで楽しいので、そのあたりに注目して見るのもよいでしょう。

家族のキャラクターや舞台設定などは、何となく『となりのトトロ』を連想させるところもあり。トトロが好きな人なら、きっと楽しめると思います。

2002年製作の映画ということですので、今ではこの姉妹もすっかり大人になっているんでしょうね。

フィンランド(フィンランド語)に興味がある人、デザインに興味がある人、とにかくかわいい映画が見たい人にはオススメの一本です。
 

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フィンランド映画祭2013で『すべては愛のために』を観てきました。

photo credit: Daniele Zanni via photopin cc

昨日に続いてフィンランド映画祭2013のレポート。

フィンランド映画祭

[昨日のレポート]フィンランド映画祭2013で『ミス・ジーンズ・フィンランド』を観てきました。 | Fragments

土曜の『ミス・ジーンズ・フィンランド』に続き、日曜は『すべては愛のために』という映画を観てきました。

この日はもともと行く予定はなかったものの、土曜の夜の段階で空席照会をすると、5席ほどの残席が。

これは行くしかないだろう!ということで2日連続の出陣となりました。

土曜は一番後ろの席だったのですが、日曜は前から2列目。こんなに前で映画を見るのは、いつ以来だろう?という感じ。

映画の冒頭は、写真家の主人公がラップランドの原野の中で、白い無人のベンチの写真を撮っているシーン。

シュールな絵柄とともに、荒涼としたラップランドの風景が強く印象に残ります。

内容は『ミス・ジーンズ・フィンランド』とは異なり、シリアスな大人のドラマという感じでした。

あらすじは映画祭のホームページより。

すべては愛のために
原題:Kaikella Rakkaudella
英題:Things We Do For Love

トイヴォは、内気でロマンチックなカメラマンだが、風変わりな芸術的趣向があった。彼は、人里離れた自然の公園で、空のベンチの写真を撮っているのだ。ある日、車ごと川にはまり抜け出せなくなっていたところ、通りがかったイスモに助けられる。翌朝、トイヴォの目の前に、下品で手に負えない女性アンサが突然現れ、その強烈な雰囲気に圧倒されてしまう。イスモは、あることから服役し、4年ぶりに故郷に戻って生活をやり直そうとしたが、身を寄せる兄一家の居心地は決して良いものではなかった。そして、元妻アンサにまだ未練をもっているかのようだ。一方で、トイヴォはアンサのノルウェー行きのため、車を出し出発するのだった。複雑な事情を抱えた彼ら、そして、狂気と騒乱、美しさと幸福の先に見えるものとは…。

登場人物同士の関係がなかなか明示されないので、最初は物語の背景がよくわからないものの、話が進行するに従ってさまざまな疑問が氷解していきます。

ちょっとスティーブ・ブシェーミ風(?)の主役の役者さんがとてもいい味を出していました。

この映画を監督したマッティ・イヤスという人は、フィンランド国内ではアキ・カウリスマキなどと並ぶ大御所なのだとか。もっと他の映画も観てみたいものです。

冬のシーンではラップランドの雪景色がとても美しいのですが、それと合わせて厳しい環境に住む人間の狂気のようなものも描かれていきます。

実際、このような環境に暮らしていたら、いつのまにか精神的に行き詰まってしまうこともあるのでしょう。

そんな雪と氷と人間のやりきれなさを描いたこの作品。

全体のトーンは、コーエン兄弟の『ファーゴ』や、クリストファー・ノーランの『インソムニア』といった「雪」の映画に似ているところもあります。そういえば『インソムニア』はノルウェー映画のリメイクでした。

上記の映画が好きな人には、ぜひおすすめの一本です!(といっても、おそらく一般公開はされないのでしょうね。。。)


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