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音楽

グリーンランドのバンド Nanook を聴いてみる

グリーンランドと聞いて思い浮かぶイメージは、世界地図の上の方で妙な存在感を主張している白い島。

調べてみると、ここはデンマーク領で、面積は日本の約6倍。その広大な領土に約50,000人の人が住んでいます。

最近よく聴いているのが、このグリーンランドの Nanook というバンド。

グリーンランドの音楽?

と言っても、民族音楽のようなものではなく、ストレートなロックサウンドです。

ただし歌詞はすべてグリーンランド語というところがポイントかもしれません。

グリーンランドの公用語であるグリーンランド語は、言語系統的にはイヌイット語の一つに分類されるよう。

ただラテン文字を使っているので、文字から何となく音を想像することはできます。

公式ホームページに掲載されている歌詞の対訳によると、さきほどの曲名「Ingerlaliinnaleqaagut」は We keep on going という英訳になっています。

Ingerlaliinnaleqaagut

uummatiga ulikkaariartormat
kissarneq tunginnut supoorpara
qungujummik akigamma
eqqarsaatitit atuarpakka
qaammassuaq imissereersoq
ersiginagu akuerisigu

We keep on going

As my heart fills up
I blow warmth in your direction
I read your mind
when you responded with a smile
don’t be afraid of the full moon
let’s embrace it

from Nanook official website

4語の英語がグリーンランド語では1語に。

ひとつながりの単語の中に主語や述語を含める言語体系なのでしょうか? このあたりは謎。

それにしても人口50,000人のマーケットで音楽をやっていくというのは大変なことだと思います。

そんなバンドをささやかながら応援したいと思ったので、iTunes からアルバムを購入してみました。

そんな風にグリーンランドのバンドをサポートできるというのも、デジタル時代の恩恵。考えてみるとすごいことですね。

 
Live in Nuuk


Come Rain or Come Shine(降っても晴れても)

photo credit:  via photopin (license)

photo credit: via photopin (license)

I’m gonna love you like nobody’s loved you

Come rain or come shine

High as a mountain and deep as a river

Come rain or come shine

「Come Rain or Come Shine」

雨の日も晴れの日もあなたを愛し続けると歌う「Come Rain or Come Shine」は、もともと1946年に『St. Louis Woman』というミュージカルのために書かれた曲。

その後、ビリー・ホリデイ、レイ・チャールズ、フランク・シナトラなどアメリカの音楽史に名前を刻むミュージシャンによってカバーされ続け、スタンダードとして広く知られるようになりました。

思い返してみると一番始めに聞いたのは、おそらくビル・エヴァンス・トリオの『ポートレイト・イン・ジャズ』に収録されているバージョン。

それから様々なアーティストによるアレンジを聞きましたが、特に好きなのがノラ・ジョーンズがウィントン・マルサリスのトランペットに合わせて歌うこちらのライブバージョン。

とにかくありとあらゆる有名ミュージシャンがカバーしているので、様々なバージョンを聞き比べたり、お気に入りのアレンジを探したりして楽しむこともできるでしょう。

たった一つの曲から、これだけの世界が広がっているというのはすごいことですね。


憐れみ給え、わが神よ − 映画『サクリファイス』より

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いつもと変わらない日常の風景。

スーパーに行けば、いつものように商品が並んでいたり、駅に行けば、いつものように電車が走っていたり。

そんな日常が成り立っているのは、この世界のどこかで自分の身を「犠牲」に供して、祈りを捧げている人がいるからではないか?

アンドレイ・タルコフスキー監督の『サクリファイス』という映画は、そんな世界観がモチーフになっています。

主人公の元舞台俳優アレクサンデルは無神論者。

しかし核戦争が勃発し、崩壊に直面する世界の中で、アレクサンデルは初めて「神」と真正面から対峙します。

「犠牲」と引き換えに、愛する人々を救ってほしいと祈りを捧げるアレクサンデル。

ここでいう「犠牲」というのは、具体的なあれこれというよりも、象徴的なものであり、映画全体を一つの寓話と見ることもできるでしょう。

そして想像力を働かせてみれば、この世界をそんな視点から捉えてみることも可能ではないでしょうか。

この映画の中で使われているのが、バッハの「マタイ受難曲」の第39曲、アリア「Erbarme dich, mein Gott(憐れみ給え、わが神よ)」です。

イエス・キリストの受難を題材としたマタイ受難曲において、この曲が扱うのは「ペテロの否認」と呼ばれる場面。

最後の晩餐の後、キリストは捕縛・連行され、使徒のペテロは「おまえもキリストの仲間か」と問われますが、恐怖のあまり「違う」と答えます。

再三の詰問を受けたペテロが三度否認した後、鶏の鳴き声が聞こえ、ペテロは涙を流します。

最後の晩餐の後、キリストはペテロに「あなたは鶏が鳴く前に三度、私を知らないというだろう」と予言していたのでした。

そんな人間の弱さに、さきほどの『サクリファイス』の世界観を重ねてこの曲を聴いてみると、また違った風景が見えてくるようにも思います。


セリム・パルムグレン「粉雪」

photo credit: Billie Jane via photopin cc

photo credit: Billie Jane via photopin cc

今冬の東京はどういうわけか雪がよく降ります。

今日から3月だと言うのに、明日も地域によっては雪が降るのだとか。

雪といえば、すぐに思い浮かぶのがパルムグレンのこの曲。

この曲を聴くと、舞い落ちる雪のイメージがありありと浮かんできます。イメージの喚起力がすごい。

邦題は「粉雪」、英題は「Snowflakes」。

それではフィンランド語のタイトルは何だろう?と思って調べてみたら「Lumihiutaleita」でした。

lumi は「雪」、hiutale は「薄いかけら」の意味。

hiutaleita は hiutale が格変化した形。

[単数主格]hiutale
[複数分格]hiutaleita

*フィンランド語の複数分格は、不定数・不定量のものを表すイメージ。

無数の雪片が鈍色の空から舞い落ちる、そんな情景に気持ちを添わせながら、ゆったりと週末の夜を過ごすのはいかがでしょう?


Trio Töykeät「Ab Fab」

curvacious keyboard

飛び跳ねるようなピアノにすっかり心を奪われました。

最近よく聞いているのがフィンランドのジャズ・トリオ Trio Töykeät(トリオ・トウケアット)。

今回紹介するのは2000年のアルバム『Kudos』の中の一曲「Ab Fab」。

バンド名の töykeät というのは「無礼な」を意味するフィンランド語 töykeä の複数形。

[単数主格]töykeä
[複数主格]töykeät

すなわち Trio Töykeät というのは「無礼なトリオ」「ぶっきらぼうなトリオ」といった感じでしょうか。

バンドは残念ながら2008年に解散してしまったようなのですが、ピアノの Iiro Rantala(イーロ・ランタラ)さんはソロで活動を続けています。

iTunes Store でも、彼らの作品を購入することはできますので、もし気に入ったらチェックしてみてください。

Kudos


Lou Reed「Why can’t I be good」

photo credit: Georg Sedlmeir via photopin cc

photo credit: Georg Sedlmeir via photopin cc

平日休みの今日は、先月亡くなったルー・リード(Lou Reed)のアルバムを一枚ずつ順番に聞いていました。

言うなれば一人追悼式といったところ。

我が家には彼のソロアルバムはほとんど揃っていますが、好きな曲を一つ挙げよと言われたときに挙げたい曲はどのアルバムにも入っていません。

それは1993年公開の映画『Faraway, So Close!』のサウンドトラックに収録されている「Why can’t I be good」という曲。

この映画の主人公は永遠の生命を放棄し、人間として生きることを選んだ天使。

映画の中で天使役のオットー・ザンダー(Otto Sander)が、ルー・リードのライブに迷い込むというシーンがあり、そこで実際にリード本人がこの曲を演奏しています。

モノクロームの画面の中、どこか悟ったような表情で「なぜ俺は善人になれないのか」と歌う姿が、映画に描かれる人間の実相と相まって強く印象に残ります。

Why can’t I be good
Why can’t I act like a man
Why can’t I be good
And do what other men can
Why can’t I be good
Make something of this life
If I can’t be a god
Let me be more than a wife

Why can’t I be good
Why can’t I be good
Why can’t I be good
Why can’t I be good

I don’t want to be weak
I want to be strong
Not a fat happy weakling
With two useless arms
A mouth that keeps moving
With nothing to say
An eternal baby
Who never moved away

Why can’t I be good
Why can’t I be good
Why can’t I be good
Why can’t I be good

I’d like to look in the mirror
With a feeling of pride
Instead of seeing a reflection
Of failure a crime
I don’t want to turn away
To make sure I cannot see
I don’t want to hold my ears
When I think about me

Why can’t I be good
Why can’t I be good
Why can’t I be good
Why can’t I be good

I want to be like the wind
When it uproots a tree
Carries it across an ocean
To plant in a valley
I want to be like the sun
That makes it flourish and grow
I don’t want to be
What I am anymore

Why can’t I be good
Why can’t I be good
Why can’t I be good
Why can’t I be good

I was thinking of some kind of whacked out syncopation
That would help improve this song
Some knock ‘em down rhythm
That would help it move along
Some rhyme of pure perfection
A beat so hard and strong
If I can’t get it right this time
Will a next time come along

Why can’t I be good
Why can’t I be good
Why can’t I be good
Why can’t I be good

この曲が歌われている『Faraway, So Close!』という映画は、1987年公開の映画『ベルリン・天使の歌』の続編に当たります。

本編の映画もおもしろいので、未見の方はぜひご覧になってみてください。


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