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フィンランド語

フィンランド語学習記 vol.500 − Kauas pilvet karkaavat

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フィンランド語教室で使っているテキスト『Suomen mestari 3』でフィンランドの映画監督アキ・カウリスマキの1996年の監督作品『浮き雲』が紹介されていました。

『浮き雲』の原題は Kauas pilvet karkaavat。

そのまま訳せば「雲が遠くに逃げていく」という感じでしょうか。

フィン
kauas far 遠く
pilvi cloud
karata escape
run away
逃げる

 

今回は映画のあらすじ紹介も兼ねて、テキストの本文をがりがり訳してみたいと思います。

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1990-luvun alussa Suomessa oli lama. Yritykset yrittivät säästää monin tavoin irtisanoivat paljon työntekijöitä. Työttömiä oli Suomessa enemmän kuin koskaan aikaisemmin. Tällaisesta ajasta kertoo Aki Kaurismäen palkittu menestyselokuva Kauas pilvet karkaavat (1996).

1990年代初頭、フィンランドは不況だった。企業は多くの方法で節約に努め、多くの労働者を解雇した。フィンランドでは以前よりも失業者が増えた。アキ・カウリスマキの賞を取り成功した映画 Kauas pilvet karkaavat はこの時代について語る。
フィン
alku beginning, start 最初
lama recession 不況
yritys company 会社
säästää save 節約
tapa way 方法
irtisanoa dismiss 解雇する
työntekijä worker 労働者
työtön umemployed 失業した
aikaisemmin earlier より早くに
tällainen this kind of このような
aika time 時、時代
palkittu award-winning 賞を取った
menestys success 成功

 

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Elokuvan pääosassa on helsinkiläinen pariskunta. Lauri (Kari Väänänen) on raitiovaununkuljettaja, ja Ilona (Kati Outinen) työskentelee ravintolassa hovimestarina. Elämä on siis kunnossa. Lauri kuitenkin irtisanotaan työpaikastaan. Tämäkään ei perheen taloutta vielä kaataisi, mutta kun Ilonakin menettää työnsä, elämä muuttuu vaikeaksi.

映画の主役はヘルシンキに住んでいる夫婦である。ラウリ(カリ・ヴァーナネン)は路面電車の運転手、イロナ(カティ・オウティネン)はレストランで給仕長として働いている。人生は順調だ。しかしラウリは解雇されてしまう。このことはまだ家計をダメにはしなかった。しかしイロナも仕事を失ったとき、人生は困難になる。
フィン
pääosa leading role 主役
pariskunta couple 夫婦
raitiovaunu tram 路面電車
kuljettaja driver 運転手
työskennellä work 仕事をする
hovimestari head waiter 給仕長
kunto condition, state 状態
työpaikka workplace 仕事場
perhe family 家族
talous economy 経済、家計
kaataa topple 倒す
menettää lose 失う

 

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Kaurismäki kuvaa taitavasti ihmisiä, jotka kamppailevat työttömyyden kanssa. Elokuvan hahmot ovat tavallisia suomalaisia ihmisiä. Mies on perisuomalainen jääräpää, joka ei halua elää työttömyyskorvauksella, nainen puolestaan on ikuinen optimisti.

カウリスマキは失業と戦う人々を巧みに描く。映画の登場人物は普通のフィンランド人だ。男は典型的なフィンランド人の頑固者で、失業手当で暮らしたくはない。一方、女は永遠のオプティミストだ。
フィン
kuvata describe 描く
taitavasti skillfully 巧みに
kamppailla fight 戦う
työttömyys unemployment 失業
hahmo character 登場人物
perisuomalainen typical Finnish 典型的フィンランド人
jääräpää stubborn person 頑固な人
työttömyyskorvaus unemployment benefit 失業手当
puolestaan as for 〜については
ikuinen eternal 永遠の

 

17093005

Kauas pilvet karkaavat menestyi maailmalla erinomaisesti. Ranskassa elokuva pyöri teattereissa kuukausikaupalla ja amerikkalainen Time-lehti valitsi sen vuoden 1996 kymmenen parhaan elokuvan joukkoon.

Kauas pilvet karkaavat は世界で素晴らしい成功をした。フランスでは映画が何か月も上映された。そしてアメリカではタイム紙がこの映画を1996年のベストテンに選んだ。
フィン
menestyä succeed 成功する
erinomaisesti great, well 素晴らしく
pyöriä show, play 上映する
kuukausikaupalla several months 数か月
valita choose 選ぶ
paras best 最高の
joukko group グループ

 

テキストの訳はここまで。

本作は1996年公開ということですから、もう20年も前の映画。

しかし今見ても全然古びていませんし、むしろ現在の日本に通じるようなメッセージがあると思います。

Time がベストテンに選んだというのも納得の映画。未見の方はぜひ!

 

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フィンランド語学習記 vol.499 − 第1不定詞長形(2)

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きのうに続いて、フィンランド語の第1不定詞長形について。

フィンランド語学習記 vol.498 − 第1不定詞長形(1)

今回はフィンランド語教室のテキスト『suomea suomeksi 2』に出ていた例文を見ていきたいと思います。

Emme elä syödäksemme vaan syömme elääksemme.
Soitin kotiin kysyäkseni, kuinka vanhempani voivat.
Menimme taksilla ehtiäksemme ajoissa perille.

どの単語が第1不定詞長形になっているかわかるでしょうか?

以下に一文ずつ見ていきましょう。
 

Emme elä syödäksemme vaan syömme elääksemme.
(私たちは食べるために生きているのではなく、生きるために食べている。)

ここでは syödäksemme, elääksemme の部分が第1不定詞長形になっています。

syödä(食べる) syödäksemme(私たちが食べるために)
elää(生きる) elääksemme(私たちが生きるために)

 

Soitin kotiin kysyäkseni, kuinka vanhempani voivat.
(私は両親が元気なのか尋ねるために、家に電話をした。)

ここでは kysyäkseni の部分が第1不定詞長形になっています。

kysyä(尋ねる) kysyäkseni(私が尋ねるために)

 

Menimme taksilla ehtiäksemme ajoissa perille.
(私たちは目的地に間に合うように、タクシーで行った。)

ここでは ehtiäksemme の部分が第1不定詞長形になっています。

ehtiä(間に合う) ehtiäksemme(私たちが間に合うように)

 

以上、今回は第1不定詞長形を含む例文を3つ紹介してみました。

「第1不定詞長形がある」という前提で例文やスキットを見れば意味をつかむことはできるのですが、その前提なしで突然この形が出てきたら「これは何?」と迷ってしまいそうな気がします。

ポイントはおそらく真ん中の[-kse-]に気付けるかどうか。ただ語頭や語尾と違って語中のサインというのは見落としがちなので、そういう意味では少しやっかいな文法事項なのかなと思います。


フィンランド語学習記 vol.498 − 第1不定詞長形(1)

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先日のフィンランド語教室では第1不定詞長形という動詞の形を扱いました。

[第1不定詞短形]lukea(読む)
[第1不定詞長形]lukeakseni(私が読むために)

第1不定詞短形というのはいわゆる動詞の原形(辞書形)のこと。

フィンランド語の動詞の原形は正式には第1不定詞短形と呼ばれる形で、それに対して第1不定詞長形と呼ばれる形もあるのだとか。

文法用語が苦手な人にとっては「??」という感じかもしれませんが、基本的には動詞を使って「◯が〜するために」という意味を表すための形と覚えておけばよいでしょう。

まずはその作り方から見ていきましょう。

 

第1不定詞長形の作り方

第1不定詞長形は動詞の原形(第1不定詞短形)に変格語尾[-kse]を付け、その後に所有接尾辞を付けてつくります。

*変格語尾の基本形は[-ksi]ですが、後に所有接尾辞が付くと[-kse]に変化するので注意が必要。

ここでは各人称の所有接尾辞を付けた形を見てみましょう。

一人称単数 lukeakseni [-ni] 私が読むために
二人称単数 lukeaksesi [-si] あなたが読むために
三人称単数 lukeakseen
lukeaksensa
[-en]
[-nsA]
彼/彼女が読むために
一人称複数 lukeaksemme [-mme] 私たちが読むために
二人称複数 lukeaksenne [-tte] あなたたちが読むために
三人称複数 lukeakseen
lukeaksensa
[-en]
[-nsA]
彼ら/彼女らが読むために

 

何となくイメージがつかめたでしょうか?

 

第1不定詞長形の慣用表現

フィンランド語には第1不定詞長形を使った次のような慣用表現もあるのだそう。

tietää(知っている) tietääkseni(私が知る限り)
muistaa(覚えている) muistaakseni(私が覚えている限り)
ymmärtää(理解する) ymmärtääkseni(私が理解している限り)
luulla(思う) luullakseni(私が思う限り)

 

これらは「◯が〜するために」とは訳せない、やや特殊な用法。

数は多くないので、そのまま覚えておきたいところです。

明日も引き続き、この第1不定詞長形について見ていきたいと思います。


ハリー・ディーン・スタントンのこと

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アメリカの俳優ハリー・ディーン・スタントンが15日に91歳で亡くなりました。

。。。というニュースを最初に見たのは、ツイッターのタイムラインに流れてきたフィンランド国営放送 yle のツイートでした。

これも何かの縁ということで、記事の抜粋を訳してみます。

Näyttelijä Harry Dean Stanton on kuollut

Monista mieleenpainuvista sivurooleista tunnettu Harry Dean Stanton on kuollut. 91-vuotiaana kuollut Stanton on näytellyt seitsemällä eri vuosikymmenellä.

俳優ハリー・ディーン・スタントン亡くなる

多くの印象に残る脇役で知られるハリー・ディーン・スタントンが亡くなった。91歳で亡くなったスタントンは70年の間、演技を続けてきた。

フィン
näyttelijä actor 俳優
mieleenpainuva unforgetable 忘れられない
sivurooli supporting role 脇役
tunnettu famous, well-known 有名な、よく知られた
näytellä act 演じる
vuosikymmen decade 10年

 

ハリー・ディーン・スタントンと言えば、やはり印象に残っているのは『パリ、テキサス』の中で演じた寡黙な主人公。

さきほどの yle の記事の中でも mieleenpainuva(unforgetable)という単語を使っていますが、本当に一度映画を見たら忘れられない印象を残す個性的な俳優でした。

また一人、映画の中のヒーローが去ってしまったようで寂しい気持ちです。


フィンランド語学習記 vol.497 − 本を集める人

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電子書籍の利便性は認めつつも、紙の本の手触りも捨てがたい。

本好きの人なら、そのような感情を抱いている人も多いでしょう。

現在のようにデジタルデータのない時代、一冊の紙の本には私たちの想像が及ばないような価値があったのかもしれません。

今回はフィンランド語学習者のためのやさしいフィンランド語によるニュースサイト「Yle Uutiset selkosuomeksi」から本にまつわる素敵なコラムを一つ紹介してみたいと思います。

Kirjastojen sankari Matti Pohto

Matti Pohto on suomalaisen kirjallisuuden sankari, joka on unohdettu.

1800-luvun alkupuolella Matti Pohto käveli tuhansia kilometrejä ympäri Suomea. Hän keräsi kirjoja. 4 000 suomenkielistä kirjaa tarvittiin niiden tilalle, jotka paloivat Suomen suurimman kirjaston mukana Turussa 190 vuotta sitten. Matti Pohto ehti kerätä melkein kaikki 4 000 kirjaa. Vain muutama puuttui, kun hän kuoli.

Matti Pohto keräsi kirjoja, vaikka hän oli köyhä eikä päässyt lapsena kouluun.

図書館の英雄、マッティ・ポフト

マッティ・ポフトは、忘れられたフィンランド文学の英雄である。

1800年代前半、マッティ・ポフトはフィンランドを回って数千キロメートルを歩いた。彼は本を集めていた。四千冊のフィンランド語の本が必要とされていた。190年前のトゥルクにおいてフィンランド最大の図書館とともに燃えてしまった本の代わりとして。マッティ・ポフトは全部でほぼ四千冊の本を集めることができた。彼が亡くなったときには、ほんの数冊が無くなっっていただけだった。

マッティは本を集めたけれども、貧しく子どものときに学校へ行くことはできなかった。

フィン
sankari hero 英雄、ヒーロー
kirjallisuus literature 文学
unohtaa forbid 忘れる
alkupuoli first part 前半
kävellä walk 歩く
tuhat thousand 1,000
ympäri around 〜を回って
kerätä collect 集める
tarvita need 必要とする
palaa burn 燃える
ehtiä have time, make it 間に合う、到達する
muutama a few, some いくつかの
puuttua to be missing 欠く、失う
kuolla die 死ぬ
köyhä poor 貧乏な
päästä get 行く

 

本を書いた人だけでなく、このように本を後世に残した人も、たしかにフィンランド文学の英雄なのでしょう。

時代を超えて、先人から受け継がれた貴重な書物たち。これからも一冊一冊との出会いを大切にしていきたいと思います。

 
Yle Uutiset selkosuomeksi | Yle Uutiset | yle.fi


フィンランド語学習記 vol.496 − 動作主分詞の使い方

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昨日に続いて、フィンランド語の動作主分詞について。

フィンランド語学習記 vol.495 − 動作主分詞の作り方

昨日作ったのは次のような表現。

Pekan avaama kirje(ペッカが開いた手紙)

このフレーズを使って、次のような文を作ってみたいと思います。

                     oli valokuva.
(ペッカが開いた手紙の中には写真が入っていた。)

「手紙の中」なので、kirje を kirjessä と内格[-ssA]の形にすればよいのかなと思いますが、、、

* Pekan avaama kirjessä  oli valokuva.
(ペッカが開いた手紙の中には写真が入っていた。)

これは間違い。

kirjessä を修飾する動作主分詞 avaama も kirjessä に合わせて内格の形にしなければなりません。

 Pekan avaamassa kirjessä  oli valokuva.
(ペッカが開いた手紙の中には写真が入っていた。)

これでできあがり。

なおテキストには次のような表現も出ていました。

Pidin lainaamastani kirjasta.
(私は借りてきた本の内容が好きだ。)
Pekka antoi kadulta löytämänsä lompakon poliisille.
(ペッカは道で拾った財布を警察に届けた。)

太字の部分は「人称代名詞の属格+動作主分詞」の人称代名詞が省略されて、代わりに動作主分詞の末尾に所有接尾辞が付いた形になっています。

minun lainaama kirja
Pidin minun lainaamasta kirjasta.
Pidin lainaamastani kirjasta.

 

hänen löytämä lompakko
Pekka antoi kadulta hänen löytämän lompakon poliisille.
Pekka antoi kadulta löytämänsä lompakon poliisille.

 

このように分詞の動作主と主語の動詞が同じときには、動作主に当たる人称代名詞の属格は省略するのがルール。

人称代名詞と所有接尾辞の関係を念のため確認しておきましょう。

一人称単数 minun [-ni]
二人称単数 sinun [-si]
三人称単数 hänen [-nsA]
一人称複数 meidän [-mme]
二人称複数 teidän [-tte]
三人称複数 heidän [-nsA]

 

このように語尾が複数重なる形は少々ややこしく、認識するのに時間がかかってしまいます。

とはいえ、これでフィンランド語の5つの分詞はすべて終了。

お疲れさまでした!


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