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フィンランド語

フィンランド語学習記 vol.455 − ヘルシンキは世界で一番大きい都市?

フィンランド語教室のテキスト『suomea suomeksi 2』の復習をすすめています。

今、読んでいるのは比較級・最上級の導入に当たる単元。

今回はテキストの中に出てきたちょっと楽しいスキットを紹介してみます。おそらくお母さんと男の子の会話でしょうか。

− Mitä sinä opit koulussua tänään, pikku-Kalle.
− Helsinki on maailman suurin kaupunki.
− Eikä ole! Ei Helsinki ole maailman suurin kaupunki.
− No siinä tapauksessa minä en oppinut mitään.
フィン
oppia learn 学ぶ
koulu school 学校
pikku little 小さな
maailma world 世界
suuri large 大きい
siinä tapauksessa in that case その場合には

 

会話らしく訳してみると、次のような感じに。

− 今日は学校で何を学んだの、カッレ。
− ヘルシンキは世界で一番大きい都市だってこと。
− 違う! ヘルシンキは世界で一番大きい都市ではないでしょ。
− それなら、僕は何も学んでないよ。

カッレくんのすっとぼけた感じが面白いです。

文法的には “Helsinki on maailman suurin kaupunki.” の suurin の部分が最上級の形になっています。

念のため形容詞の最上級の作り方をおさらいしておきましょう。

suuri(大きい)

suuri 1)単数語幹を求める suure
suure 2)kpt の変化を伴う単語では弱形の語幹を使用
*今回は kpt の変化なし
suure
suure 3ー1)語末の長母音は短母音に変化する
3ー2)語末の[-e][-a/-ä]は消える
3ー3)語末の[-i][-ii]は[-e]に変化する
*今回は(3ー2)のルールを適用
suur
suur 4)語幹に[-in]を付ける suurin

このように[-i]で終わる形容詞の最上級の求め方は以下の2つのパターンに分かれます。

 

【原則】語幹が[-e]になる単語

そのまま[-n]を付けます。

suuri(大きい)→ suurin
pieni(小さい)→ pienin

 

【外来語系】語幹が[-i]になる単語

[-e-]を挟んで[-n]を付けます。

siisti(清潔な)→ siistein

これから未知の単語が出てきたときには、どちらのパターンなのか見極めていく必要がありそうです。


フィンランド語学習記 vol.454 − 春分

17032001

何度かの寒の戻りを挟みつつ、日ごとに春めいてきたこの頃。桜の開花も近づいてきました。

三連休の最終日となる本日3月20日は春分の日。

しゅんぶん【春分】

二十四(節)気の一。陽暦三月二十一日ごろ。昼と夜の長さが等しくなる。

「新明解国語辞典 第七版」

昼と夜の長さが等しくなるこの「春分」のことをフィンランド語では何と言うのでしょう?

Wiktionary には次のような単語が出ていました。

kevätpäiväntasaus

(Calendar terms) Vernal equinox.

「Wiktionary」

Verbal equinox というのは英語で「春分」の意味。

フィンランド語の kevätpäiväntasaus はずいぶん長い単語ですが、これは次の3つの単語から成る複合語。

フィン
kevät spring
päivä day
tasaus equalisation 均等化

 

フィンランド語の春分は春の「一日の均等化」という表現になっています。

特に意識しなければ「あれ? 今日は何の日だっけ?」などと言いつつ、過ぎてしまうこともあるこの春分の日。

春の日差しを感じながら、昼の長さが最も短い冬至から最も長い夏至へ向かう道程の折り返し地点にいるのだということを、立ち止まって意識してみるのはどうでしょうか。


フィンランド語学習記 vol.453 − ekologinen

17031301

フィンランド語教室のテキスト『suomen mestari 3』を読み進めています。

前回のエントリーにも書きましたが、文章の内容や出てくる単語はかなり難しくなってきました。

フィンランド語学習記 vol.452 − 単語の切れ目を探す

未知の単語に関しては、短くても長くても、とにかく辞書で調べるよりほかありません。

Kappale 1 には[-nen]の付く形容詞がいくつかまとめられていたので、英訳を調べてみました。

フィン フィン
ekologinen
ympäristöystävällinen
ecological
environmentally friendly
←→ epäekologinen unecological
hyödyllinen useful ←→ hyödytön useless
tarpeellinen necessary ←→ tarpeeton
turha
unnecessary
useless
säästäväinen prudent ←→ tuhlaavainen prodigal
kotimainen domestic ←→ ulkomainen foreign

 

この中では ekologinen のような単語は、英語の知識があれば、その綴りから容易に意味を推測することができます。

学習者としては、文章を読むときにこのような単語が多く含まれていると楽なのですが、一方ではちょっと味気ない感じもします。

外国語として日本語を学んでいる人も、カタカナ語の氾濫に対して同じようなことを感じているのでしょうか?

フィンランド語の文章を読みながら、そんなことがふと頭をよぎりました。


フィンランド語学習記 vol.452 − 単語の切れ目を探す

17030701

フィンランド語教室で使っているテキストの一つ『suomen mestari』が3冊目に入りました。1・2冊目と比べると、出てくる文章はかなり難しくなった印象。

授業の前に知らない単語の意味は調べるようにしていますが、最近は辞書を引いても載っていないこともよくあります。

ただその場合には、探している単語が、

  • 辞書形ではなく変化形である。
  • 複数の単語から成る複合語である。

という二つの可能性を考慮する必要があります。

特に探しているのが「長い単語」である場合は、後者の可能性(複合語)が高いかもしれません。

例えば『suomen mestari 3』の Kappale 1 には次のような単語が出てきます。

  • ympäristönsuojelu
  • sähkönkulutus
  • elektroniikkalaite
  • huonelämpötilä
  • ilmastonmuutos

これらの単語は小さな辞書には載っていないことが多いでしょう。ただある程度フィンランド語の知識があれば、単語の切れ目を探して二つに分割することができるはず。

  • ympäristö(環境)+suojelu(保護)=ympäristönsuojelu(環境保護)
  • sähkö(電力)+kulutus(消費)=sähkönkulutus(電力消費)
  • elektroniikka(電子技術)+laite(機器)=elektroniikkalaite(電子機器)
  • huone(部屋)+lämpötilä(温度)=huonelämpötilä(室内温度)
  • ilmasto(気候)+muutos(変化)=ilmastonmuutos(気候変動)

これらの単語の構造を「A+B=C」と表現すれば、Cが辞書に出ていないとしても、AとBは出ている可能性があります。

よって長い単語が出てきたら、まずはじーっと見つめて単語の切れ目を探す。それが意味をつかむための突破口になるかもしれません。


フィンランド語学習記 vol.451 − jolloin

photo credit: Stanley Zimny (Thank You for 22 Million views) Winter Sun via photopin (license)

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フィンランド語教室のテキスト『suomea suomeksi 2』に jolloin という単語の使い方が出てきました。

Kesällä, jolloin päivät ovat pitkiä, ihmiset eivät nuku yhtä paljon kuin talvella, jolloin päivät ovat lyhyitä.
(日が長い夏には、日が短い冬ほど、人々は長く眠らない。)
フィン
kesä summer
pitkä long 長い
ihminen person
nukkua sleep 眠る
talvi winter
lyhyt short 短い

 

さきほどの例文に二回出てくる jolloin は英語の関係副詞 when に当たる単語。

Google 翻訳による英訳と比較してみましょう。(この訳文はお見事。)

フィン Kesällä, jolloin päivät ovat pitkiä, ihmiset eivät nuku yhtä paljon kuin talvella, jolloin päivät ovat lyhyitä.
In the summer, when the days are long, people do not sleep as much as in the winter, when the days are short.

 

この jolloin という単語を wiktionary で調べたところ、次のような説明が出ていました。

jolloin

Etymology

Temporal case of joka.

「Wiktionary」

ただいつもの格変化表の中には temporal case(時格?)という格はありません。おそらくは一部の単語にだけ存在する形なのでしょう。

単数 複数
主格 〜は/が joka jotka
属格 〜の jonka joiden
joitten
対格 〜を joka
jonka
jotka
分格 〜を jota joita
内格 〜の中で/に jossa joissa
出格 〜の中から josta joista
入格 〜の中へ johon joihin
接格 〜の表面で/に jolla joilla
離格 〜の表面から jolta joilta
向格 〜の表面へ jolle joille
変格 〜に(なる) joksi joiksi
様格 〜として jona joina

 

↓New! ということで覚えておきたいと思います。

単数 複数
時格 〜のときに jolloin

 


フィンランド語学習記 vol.450 − 賢い馬鹿は馬鹿な賢者より賢い

17022701

Wikiquote を眺めていたら、次のようなフィンランド語のことわざ(?)が出ていました。

Viisas tyhmä on viisaampi kuin tyhmä viisas.
(賢い馬鹿は馬鹿な賢者より賢い。)
フィン
viisas wise 賢い
tyhmä stupid 愚かな

 

おもしろいのは「賢い」を意味する viisas という単語が比較級の viisaampi も含めて3回も使われているということ。

ここでは念のため、viisaampi の作り方をおさらいしておきましょう。

viisas 1)単数語幹を求める viisaa
viisaa 2)kpt の変化を伴う単語では弱形の語幹を使用
*今回は kpt の変化なし
viisaa
viisaa 3)2音節の語では語末の[-a/-ä]が[e]に変化する
*今回はそのまま
viisaa
viisaa 4)語幹に比較級の印[-mpi]を付ける viisaampi

 

ところで「賢い馬鹿、馬鹿な賢者」というのは一種の形容矛盾、別の言い方では撞着語法(英:oxymoron)と呼ばれる修辞技法の一つです。

Viisas tyhmä on viisaampi kuin tyhmä viisas.
(賢い馬鹿は馬鹿な賢者より賢い。)

この表現の中では「賢い」ということが評価され、同時に貶められてもいます。

論理的には破綻した表現なのに、これを一つの箴言と捉えることのできる人間の知性というのは凄いもの。

人工知能はこのような文をどう解釈するのでしょう?


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