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一回の検索で複数の言語を同時検索できるiPhoneアプリ『MOT Wordz』

外国語学習者向けの辞書は、ふつう二言語で記述するものと一言語で記述するものに分けられます。

英和辞書であれば「英語・日本語」の二言語、英英辞書であれば「英語」のみの一言語です。

通常の外国語学習なら、もちろんそれで十分。しかし最近では多言語の語義を同時に調べられるオンライン辞書やアプリも出てきました。

例えば、iPhoneアプリ『MOT Wordz』では、一回の検索で複数の言語を同時に検索することができます。

例えば、検索窓に thank you と入力すると、こんな感じで語義の一覧を見ることができます。

Afrikaans dankie
Arabic شُكْرا، أشْكُرَك
Bulgarian благодаря
Portuguese (Br) obrigado
Czech děkuji
German danke
Danish tak
Greek (σε, σας) ευχαριστώ
Spanish gracias
Estonian tänan! aitäh!
Farsi ممنون
Finnish kiitos
French merci
Hebrew תוֹדָה
Hindi धन्यवाद देने या मना करने का एक तरीका
Croatian hvala
Hungarian köszönöm!
Indonesian terima kasih
Icelandic þakka þér
Italian grazie
Japanese ありがとう
Korean 감사합니다
Lithuanian ačiū
Latvian paldies; pateicos
Malay terima kasih
Dutch dank je
Norwegian tusen takk (for)
Polish dziękuję
Portuguese (Pt) obrigado
Romanian mulţumesc
Russian благодарю
Slovakv ďakujem
Slovene hvala
Serbian hvala
Swedish tack (ska du/ni ha)!, tackar!
Thai การแสดงความขอบคุณ
Turkish teşekkür ederim
Chinese (Taiwanese) 謝謝(你)
Ukrainian дякую; спасибі
Urdu آپ کا شکريہ
Vietnamese cảm ơn
Chinese (Simpl.) 谢谢(你)
Chinese (Trad.) 謝謝(你)

 
さて、この機能を実際に使うとしたら、どのような場面でしょうか?

  1. アジアやヨーロッパなどで複数の国を横断しながら旅行するとき。
  2. トライリンガル(3言語話者)の人が、複数の言語で調べものをするとき。
  3. ???

ということで、あまり実用的な局面は思い付かなかったのですが、言語好きな人には面白いアプリだと思いますので、ぜひお試しください。

 
MOT Wordz MOT Wordz
価格: ¥170(記事公開時)
カテゴリ: 辞書/辞典/その他, 教育
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フィンランド語学習記 vol.22 − 文末焦点のはなし

photo credit: nprkr via photopin cc

フィンランド語教室11週目のレポート。

年明けの1回目。3週間ぶりの教室です。

市ヶ谷駅前の「パク森」で「パク森カレー」を食べてから向かいました。ここのカレーは絶品で、時間に余裕があるとついつい立ち寄ってしまいます。

まあそれはよいとして、今回は休み明けということもあり、これまでの復習を主に行いました。その中から、次の一文の構造を考えてみたいと思います。

Tuolilla on kissa.(イスの上にねこがいます)

単語の意味は下記のとおり。

tuoli(イス)
tuolilla(イスの上に)
*tuoli に「〜の上に」を表す格語尾[-lla]が付いた形
on(〜がある)
kissa(ねこ)

さて、ここで面白いなと思ったのは、Tuolilla on kissa. の語順です。

まず「イスの上に」が来て、次に「ねこがいます」が来る。日本語と同じ順番なので、生理的にしっくりくるような気がしませんか。

ただしこの文は語順を入れ替えて、Kissa on tuolilla. と言うこともできるようです。二つの文を比較してみましょう。

Kissa on tuolilla.(ねこはイスの上にいます)
Tuolilla on kissa.(イスの上にねこがいます)

この二つの文の違いは何でしょうか?

日本語訳をじっと見ると、たった一文字だけ異なる部分があります。

Kissa on tuolilla.(ねこイスの上にいます)
Tuolilla on kissa.(イスの上にねこいます)

「は」と「が」の違いですね。

文法的に説明すると、日本語の助詞「は」は既知の情報(旧情報)、「が」は未知の情報(新情報)を導くという性質があります。わかりにくければ、それぞれの文を答えとする質問文を想定してみましょう。

[問1]ねこはどこにいますか?
[答1]ねこはイスの上にいます。
[問2]イスの上には何がいますか?
[答2]イスの上にはねこがいます。

[答1]ではねこが存在することは既知の情報ですので「は」を付け、[答2]ではねこが存在することは未知の情報ですので「が」を付けます。

そして、それぞれの文でポイントになる部分(一番伝えたい部分)はアンダーラインの部分です。

言語で伝えたい部分は通常文末に来ることから、これを文末焦点の原則と呼んだりします。

日本語の「は」と「が」は、この情報の流れに関して、非常に重要な役割を担っているのですが、ネイティブである私たちはもちろん意識して使い分けている訳ではありません。

しかし日本語を外国語として勉強している人にとっては、これはかなり厄介なルールなのでしょう。

フィンランド人の先生も「は」と「が」の使い分けはホント難しいねえとおっしゃっていたのが印象に残りました。

英語ではこの違いを冠詞(a, the)で表すため、冠詞のない国から来た人には余計難しく感じるのかもしれません(フィンランド語には冠詞がない)。もちろん私たちは格変化を覚えなければならないので、お互い様といったところでしょうか?


iPhoneでフィンランド語の[ä, ö]を入力する方法

先日、iPhoneで[ä, ö]を入力しようとして方法がわからず、ずいぶん探しまわる羽目になってしまいました。

もしかしたら役に立つこともあるかもしれないので、その方法を簡単に紹介しておきます。

iPhoneの場合は、ソフトウェアキーボードで文字入力をするため、フィンランド語のキーボードを設定してあげると簡単に[ä, ö]の入力ができるようになります。

ホーム画面の「設定」→「一般」→「キーボード」→「キーボード」→「新しいキーボードを追加」とすすみ、フィンランド語を選びましょう。

するとこんな感じで[ä, ö]が入力できるようになります。文字が増えた分だけ英語のキーボードより若干幅が狭くなるので、慣れないと打ち間違えやすいかもしれません。

選べる言語は他にもたくさんあり、どんな風に表示されるのか気になったのでアラビア語と韓国語を試してみました。するとアラビア語は上の検索窓が右から入力する仕様に!

韓国語は[ㅇ]+[ㅏ]=[아]のようにパーツ(字母)を組み合わせて入力するのですね。

まだまだ知らないことがたくさんあるなあ、といたく感心。

ちょっとしたことですが、これもまた新しい発見でした。


フィンランド語学習記 vol.21 − 数を数えてみる②

photo credit: pure9 via photopin cc

さて昨日のエントリーで、フィンランド語の数の数え方を紹介しました。

フィンランド語学習記 vol.20 − 数を数えてみる | Fragments

その後、そういえば日本語の数の数え方はどうなっていたかな?と思い、考えたことを少しメモしておきます。

日本語の場合1から10までの言い方を覚えれば、99までの数を数えることができます。例えば、

17=「じゅう」+「なな」
55=「ご」+「じゅう」+「ご」
93=「きゅう」+「じゅう」+「さん」

こんな具合に。

その意味ではフィンランド語よりも、さらにシンプルと言えますが、問題なのは1つの数字に二つの呼び方がある場合。

フィン
1 いち yksi
2 kaksi
3 さん kolme
4 よん、し neljä
5 viisi
6 ろく kuusi
7 なな、しち seitsemän
8 はち kahdeksan
9 きゅう、く yhdeksän
10 じゅう kymmenen

 
こんな感じで、4, 7, 9だけ二通りの読み方があります。

*音訓などの詳しい説明はこちらで読むことができます。

これは外国語として日本語を学習する人にとっては、困った仕組みではないでしょうか。例えば4の場合、単独で読むときは「よん」が普通だと思いますが、1, 2 ,3 ,4と順番に数えるときは「いち、に、さん、し」と読むこともありますね。

また1にしても、単位と組み合わせれば、

1つ=「ひとつ」
1個=「いっこ」
1日=「ついたち」

など読み方に複数のバリエーションがあります。漢字の「一」で考えれば、人名などで「かず」や「はじめ」とも読むことができます。

一方、フィンランド語の数字は格変化(!)するため、それはそれで大変です。

ということで、より大変なのはいったいどちらでしょうか?

この答えはフィンランド語と日本語の両方を外国語として勉強した人に聞くしかありませんが、そんな人はあまりいなさそうですね。でも、いたらぜひ会ってみたいものです!


フィンランド語学習記 vol.20 − 数を数えてみる

photo credit: Ben Harding. via photopin cc

沢木耕太郎さんの紀行小説「深夜特急」の中で、国境を越えるごとに現地の人々から簡単な挨拶と1から10の数字を教えてもらうというエピソードが出てきます。

挨拶は当然として、旅先では買い物や両替などお金のやり取りをする機会が多いので、数字を覚えておくと役に立つということなのでしょう。

そんな訳で、今回はフィンランド語での数の数え方を紹介してみます。

まずは0から10まで。これは覚えるよりほかありません。覚え初めの頃は、どうしても5と6がこんがらがってしまいましたが、ようやくすっと言えるようになってきました。

0 nolla
1 yksi
2 kaksi
3 kolme
4 neljä
5 viisi
6 kuusi
7 seitsemän
8 kahdeksan
9 yhdeksän
10 kymmenen

 
続いて11から19まで。先ほどの1から9に[-toista]を付けるだけです。英語の[-teen]と同じ感覚ですね。

11 yksitoista
12 kaksitoista
13 kolmetoista
14 neljätoista
15 viisitoista
16 kuusitoista
17 seitsemäntoista
18 kahdeksantoista
19 yhdeksäntoista

 
20は日本語と同じように、[2 kaksi]+[10 kymmenen]=[20 kaksikymmentä]となります。*語尾が少し変化。

20 kaksikymmentä

 
ここまで覚えてしまえば、あとは簡単。21は、[20 kaksikymmentä]+[1 yksi]=[21 kaksikymmentäyksi]となり、22以降も同様のつくり方。

21 kaksikymmentäyksi
22 kaksikymmentäkaksi
23 kaksikymmentäkolme
24 kaksikymmentäneljä
25 kaksikymmentäviisi
26 kaksikymmentäkuusi
27 kaksikymmentäseitsemän
28 kaksikymmentäkahdeksan
29 kaksikymmentäyhdeksän

 
30は20と同じように、[3 kolme]+[10 kymmenen]=[30 kolmekymmentä]となります。40以降も同様。

30 kolmekymmentä
40 neljäkymmentä
50 viisikymmentä
60 kuusikymmentä
70 seitsemänkymmentä
80 kahdeksankymmentä
90 yhdeksänkymmentä
100 sata

 
100は sata です。

さてお気付きの方もいると思いますが、英語と一つ違う点は、大きな数でもまとまって一つの単語になるということ。

例えば英語なら[99 ninety nine]と分かち書きをしますが、フィンランド語では[99 yhdeksänkymmentäyhdeksän]とくっつけて表記します。

そのため慣れていないと目がチカチカしてしまいます。この点は要注意。


マルクス・アウレリウス『自省録』を読む

日々の仕事の中で、うまくいかないことがある。また原因はわからないもののどうしようもなく気分が塞いでしまう。

そんなときには、気持ちを落ち着かせるため、寝床で『自省録』を読むことにしています。

この書物を書いたマルクス・アウレリウスという人は、古代ローマ帝国の皇帝で、五賢帝と呼ばれた名君の一人です。

昨年、映画が公開されて話題になった漫画「テルマエ・ロマエ」にも子役(?)で出ているので、それで知っている人もいるかもしれません。

『自省録』は彼が残した手記の伝承であり、誰かに見せるために書かれた文章ではありません。原題の ta eis heauton は「自分自身に」という意味だとか。皇帝としての執務の間に、ただ自分の心を穏やかにするために書かれた思索の記録がそこにあります。

本文は全12章から成っており、それぞれの章は主に数行程度の断章によって構成されています。もともとはギリシア語で書かれた手記ですが、いくつかの言語に翻訳されており、日本では岩波文庫から神谷美恵子さんの訳本が出ています。

一度、全編を読んだ後は、適当なページをパラパラとめくって拾い読みをするというスタイルで、何度か読み返してきました。

面白いのは同じ文章を読んでも、その時に自分が置かれている状況によって、文章の受け取り方が違うということ。ある時には素通りした文章が、別の時には深く心に残るということもあるのです。

今回はその中からいくつかの断章を紹介してみたいと思います。

君に害を与える人間がいだいている意見や、その人間が君にいだかせたいと思っている意見をいだくな。あるがままの姿で物事を見よ。

第4章 十一

当たり前のことを言っているように聞こえるでしょうか? しかしよくよく考えてみると、他人のフィルターを通さず、眼前の状況をありのままに受け取るということほど難しいことはありません。私たちは少し油断すると、歪んだ価値観に影響され、物事の本質が見えなくなってしまいます。
 

もしある神が君に「お前は明日か、またはいずれにしても明後日には死ぬ」といったとしたら、君がもっとも卑劣な人間でないかぎり、それが明日であろうと明後日であろうとたいして問題にしないだろう。というのは、その間の期間などなんと取るに足らぬものではないか。これと同様に何年も後に死のうと明日死のうとたいした問題ではないと考えるがよい。

第4章 四七

あたかも一万年も生きるかのように行動するな。不可避のものが君の上にかかっている。生きているうちに、許されている間に、善き人たれ。

第4章 十七

人生は有限です。終わりの日は50年後かもしれませんし、明日かもしれません。そのことは理屈ではわかっていても、雑多な日常の中に埋没してしまいます。

ここでいう「善き人」が何を意味するのかは個々人が考えるほかありませんが、確かなのは自分の人生に責任を持つことができるのは自分自身だけだということ。最後の日に、それなりに面白い一生だったと思えるよう、日々を過ごしていきたいものです。

ということで、今回は『自省録』の紹介でした。やや抽象的な話になってしまいましたが、読んだ人それぞれの受け取り方があると思います。ぜひ枕元に一冊置いてみてください。

 

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