「弘法にも筆の誤り」は英語で何と言う?

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「弘法にも筆の誤り」とは、どんなに優れた人でも時には失敗することがあることのたとえ。

探してみると、日本語にはこれと同じ意味の表現がたくさんあります。

例えば「河童の川流れ」「猿も木から落ちる」「上手の手から水が漏る」などなど。

それではこれに類する英語の表現はあるのだろうか?と思って調べてみたところ、見つかったのがこちら。

すぐれたホメロスも居眠りすることがある。
Even Homer sometimes nods.
quandoque bonus dormitat Homerus.

 

これは古代ローマの詩人ホラティウスの『詩論』に収められた一節。オリジナルはラテン語です。

ホメロスは『イーリアス』『オデュッセイア』などの叙事詩を残した古代ギリシアの高名な詩人。

「ホメロスの居眠り」とは、これほどの大詩人でも時には居眠りしながら作ったのではないかと疑われるような出来の詩があるという意味なのだとか。

表現するということは、多かれ少なかれ不完全を受け入れるということでもあります。

天才は天才なりに、凡人は凡人なりに、それぞれの持ち場で見えない壁に立ち向かっているのでしょう。

せっせとブログを書いているような人にとっても、なかなか励まされる表現かもしれません。

<参考>
『ギリシア・ローマ名言集』(岩波文庫)
 

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