フィンランド語学習記 vol.247 − 過去形の作り方(2)
フィンランド語の過去形の作り方を紹介するシリーズの二回目です。
一回目のエントリーはこちらから。
フィンランド語学習記 vol.244 − 過去形の作り方(1) | Fragments
一回目はタイプ1の動詞を扱いました。今回はタイプ2の動詞を扱います。
タイプ1 | 2つの母音で終わる動詞 |
---|---|
タイプ2 | [dA]で終わる動詞 |
タイプ3 | [lA, nA, rA, stA]で終わる動詞 |
タイプ4 | [AtA, OtA, utA]で終わる動詞 |
タイプ5 | [itA]で終わる動詞 |
タイプ6 | [etA]で終わる動詞 |
まずは前回の簡単なおさらいをしておきます。
1)フィンランド語の過去形の印は[i]。
Asuin Osakassa.(私は大阪に住んでいました。)
2)過去形の印[i]を置いたときに、直前の母音が消えたり、変化したりすることがある。
Odotin taksia.(私はタクシーを待っていました。)
以上を踏まえた上で、タイプ2の動詞を見ていきましょう。
1)[i]の前が長母音のとき
長母音というのは[aa][ee][ii][oo][uu][yy]のように同じ母音を伸ばす音。
過去形の印[i]の前に長母音があるときには、その長母音がきゅっと短くなります。
[aa → a][yy → y]
[現在語幹]saa
[過去語幹]sai
現在 | 過去 | |
---|---|---|
minä | saan | sain |
sinä | saat | sait |
hän | saa | sai |
me | saamme | saimme |
te | saatte | saitte |
he | saavat | saivat |
2)[i]の前が二重母音のとき
二重母音というのは[oi][ie][uo][yö]のように異なる母音の組み合わせ。
この場合は文字の種類によって、変化が異なります。
2−1)二重母音の二文字目が[i]のとき
二重母音の二文字目が[i]のときには、その[i]が消えます。
[現在語幹]voi
[過去語幹]voi
過去形の印[i]を置いて、二重母音[oi]の二文字目の[i]を消したら同じ形になりました!
現在 | 過去 | |
---|---|---|
minä | voin | voin |
sinä | voit | voit |
hän | voi | voi |
me | voimme | voimme |
te | voitte | voitte |
he | voivat | voivat |
*現在形と過去形が完全に同一のセットになっています。これはわかりやすいのでしょうか? それともわかりにくいのでしょうか?
2−2)二重母音の二文字目が[i]ではないとき
二重母音の二文字目が[i]ではないときには、その二重母音のうち一文字目が消えます。
[現在語幹]juo
[過去語幹]joi
ここでは、二重母音[uo]のうち一文字目の[u]を消しています。
現在 | 過去 | |
---|---|---|
minä | juon | join |
sinä | juot | joit |
hän | juo | joi |
me | juomme | joimme |
te | juotte | joitte |
he | juovat | joivat |
*このパターンは二重母音が[ie][uo][yö]の三通りしかないみたいです。
3)käydä
タイプ2の動詞のうち käydä は例外的な変化をします。
いわゆる「覚えるしかない!」というやつですね。
[現在語幹]käy
[過去語幹]kävi
現在 | 過去 | |
---|---|---|
minä | käyn | kävin |
sinä | käyt | kävit |
hän | käy | kävi |
me | käymme | kävimme |
te | käytte | kävitte |
he | käyvät | kävivät |
以上、今回はタイプ2の動詞の過去形の作り方をまとめてみました。
6つある動詞のタイプのうち、まだ1と2しか終わっていない??と思われるかもしれませんが、残りのタイプ3〜6はそれほど複雑ではないので、次回の過去形の作り方(3)に全て含めることができるはず。(たぶん。。。)
もうしばらく、お付き合いください!