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嫉みと妬み

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「嫉妬(しっと)」という単語は「嫉む(そねむ)」と「妬む(ねたむ)」という文字から成っています。

この「嫉む」と「妬む」の違いとは何でしょう?

そんなことが気になったので、辞書を調べてみました。

そねむ【嫉む】

〔他人の幸運や長所を見て〕自分にはそれが望み得ないことを不満に思い、相手に悪い事が起こればいいと思う。

「新明解国語辞典 第七版」

ねたむ【妬む】

他人の幸運・長所をうらやんで、幸福な生活のじゃまをしたいという気持ちをいだく。

「新明解国語辞典 第七版」

これを読んでも、はっきりとした違いはわからず。

深読みをしてみれば「相手に悪いことが起こればいい」と積極的に願う「嫉む」の方が、やや強い感情と言えるのかもしれません。

ただし現代においては、この違いがそれほど意識されているとは思えませんし、「妬む」や「嫉む」よりも、この二つが合わさった「嫉妬する」という表現の方がスタンダードになっているように思います。

わざわざ同じような意味の漢字を二つ連ねて表現する、それだけ人間にとって根深く、本質的な感情なのかもしれません。

 
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email という単語はいつ生まれたのか?

photo credit: Server Move via photopin (license)

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robot という単語は、チェコスロバキアの小説家カレル・チャペックが1920年に発表した戯曲『R.U.R.』の中で初めて使われました。

数ある単語の中には、このように初出文献が(ある程度)明確なものもあれば、明確ではないものもあります。

ある単語がいったいいつ頃から使われるようになったのか、おおまかな年代を特定することはできても、正確に言い当てるのは案外難しいことなのかもしれません。

そんなこともあり、世界最大の英語辞書『オックスフォード英語辞典(Oxford English Dictionary)』は、オンライン上の appeals というページで、さまざまな単語の初出文献に関する情報の提供を呼びかけています。

そこに現在、掲載されている単語の一つがお馴染みの email という単語。

Appeals: email | Oxford English Dictionary

OED が現在保有する記録の中で、electronic mail の最初の用例は1975年。その短縮形である email の最初の用例は1979年とのこと。

しかし1979年の記録が専門誌であることから、実際にはこれより早い用例があるはずと推測しています。

このページにはすでに数人の情報提供者からの書き込みがあって、1979年より早い用例も報告されているようです。

いずれにせよ email の生年は1975〜1979年のいずれかということになるのでしょうが、果たして正確な年は明らかになるのでしょうか?

またそれはそれとして、こんな風にインターネット上で情報提供を呼びかけて、単語の用例を収集することができる現代というのは、OED が最初に発刊された時代に比べれば、非常に恵まれた環境にあるのだと思います。

フィンランド語学習記 vol.313 − kyllästyä

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以前のエントリーで目的語が入格の形になる tutustua(知り合う)と tarttua(くっつく)という動詞を取り上げました。

Hauska tutustua sinuun.(あなたと知り合えて嬉しいです。)

フィンランド語学習記 vol.307 − tutustua

Tupakansavu tarttuu vaatteisiin.(タバコの煙は服にしみつく。)

フィンランド語学習記 vol.308 − tarttua

上記の例文で、それぞれの動詞(tutustua, tarttua)の後に来る目的語は入格(〜の中へ)の形になっています。

主格 入格
sinä(あなたは) sinuun(あなたの中へ)
vaate(服は) vaatteisiin(服の中へ)

*sinuun は単数入格、vaateisiin は複数入格。

その後、テキストを読んでいたら、もう一つ目的語が入格の形になる kyllästyä(飽きる)という動詞が出てきました。

Minä olen kyllästynyt vanhoihin suomalaisiin elokuviin.(私は古いフィンランドの映画に飽き飽きしています。)
*kyllästyä(飽きる)、vanha(古い)、suomalainen(フィンランドの)、elokuva(映画)

日本語の感覚からすると、最初に挙げた tutustua(知り合う)や tarttua(くっつく)は入格のイメージ(〜の中へ)と合っているのですが、kyllästyä(飽きる)の方はあまり合っていないような気がします。

飽きるというのは気持ちが離れることですから、むしろ出格(〜の外へ)の方がしっくりくるような。

このあたりの感覚をつかむのが、フィンランド語の難しいところです。

そうかもしれないし、そうでないかもしれない

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人の頭の中というのは案外空っぽにするのが難しく、気が付けばいつも何かを考えています。

その何かというのは、

「あの人は表向きはにこやかだけど、心の内では自分のことを快く思っていないのではないか。」

とか、

「新しい仕事に挑戦してみたいけれど、失敗してしまうのではないか。そして周りから笑われてしまうのではないか。」

などなど「そうかもしれないし、そうではないかもしれない」ということがほとんど。

「確かにそうである」ということなど、実際1割にも満たないのではないでしょうか。

放っておくだけで、これほどまでに妄想を広げてしまう人の心というのは不思議なもの。

パソコンを強制終了するように、心が生み出すものをシャットダウンすることができたらよいのですが、なかなかそうはいきません。

そういうときには、今、考えていることは「確かにそうである」ことなのかどうかを自問してみるようにしています。

その結果、それが「そうかもしれないし、そうではないかもしれない」ものなら、それは観測されたものではなく、心が生み出したものに過ぎません。

妄想に惑わされることなく、ただ目の前にあるものに集中すること。ゆっくりと呼吸をすること。頭の中で静かに数を数えること。

そんな風にして心を調律していけたらよいと思います。

ウサギのツノ

この頃はとにかく忙しい。。。

など、日常会話でもよく使う「とにかく」という単語。

ひらがなのまま使うのが普通でしょうが、漢字に変換すると「兎に角」という字になります。

なぜ「とにかく」が「ウサギのツノ」になるのでしょう?

語源由来辞典によると、これは「兎角亀毛」という仏教用語に由来するのだとか。

これは文字通り「兎の角」や「亀の毛」のようにありえないものを意味する言葉。

一説によると夏目漱石が初めて使ったとも、あるいは漱石以前からあった用法を漱石が広めたとも言われています。

おそらく遊び心から生まれたこんな用法がすっかり日本語に定着しているというのもおもしろいことですね。

また、この「とにかく」を新明解で調べると、次のような語義がのっていました。

とにかく【兎に角】

そうなる(する)に至ったいろいろな事情はさておいて、さしあたっての状況や結論を述べる様子。

表記「{左右}」とも書く。

「新明解国語辞典 第七版」

「左右」とも書く?

今、このブログを書いている Mac で「とにかく」を漢字に変換しても「左右」は候補に出てこないのですが、「とかく」を変換したら「左右」が出てきました。

これはとにかくの語義「いろいろな事情はさておいて…」の「いろいろな事情」の部分を「左から右まで」という形で表わしたもののよう。

「とにかく」というたった一つの言葉から、さまざまな世界が広がっています。

 
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フィンランド語学習記 vol.312 − テレビからやって来る

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フィンランド語で「来る」は tulla(トゥッラ)。

フィンランド語教室で使っているテキスト『suomea suomeksi』にこの tulla のおもしろい使い方が出てきたので取り上げてみたいと思います。

それはこんなスキットの中に。

Voitko avata television. Sieltä tulee kohta vanha suomalainen elokuva.
(テレビを付けてくれませんか? すぐに古いフィンランドの映画が始まります。)

*voida(できる)、avata(開ける)、tulla(来る)、kohta(すぐに)、vanha(古い)、suomalainen(フィンランドの)、elokuva(映画)

後半の文に出て来る tulee は tulla の三人称単数の形。

tulla(来る)

単数 複数
一人称 tulen tulemme
二人称 tulet tulette
三人称 tulee tulevat

さきほどのスキットの後半の文を英訳との対比で見てみると、次のようになります。

フィン Sieltä tulee kohta vanha suomalainen elokuva.
from there comes soon old Finnish movie.

 

逐語訳すると「古いフィンランドの映画がテレビからやって来る」というような形になっています。

これは日本語や英語とは全く異なるフィンランド語独特の感覚。

こういう文に接すると「外国語だなあ」と嬉しい気持ちになります。

とはいえ、話すときや書くときにこの形を思い付くのは相当難易度が高い!と思います。

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