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Kは、単語の先頭にくるときと三番目にくるときでは、どちらが多いでしょうか?

photo credit: danieleloreto Casa dolce casa via photopin (license)

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アメリカの心理学者ダニエル・カーネマンの『ファスト&スロー』の冒頭に予測可能性とバイアスに関するいくつかの心理学実験が出てきます。ある実験では、被験者に次のような質問がなされたとのこと。

Kという文字を思い浮かべてください。Kは、単語の先頭にくるときと三番目にくるときでは、どちらが多いでしょうか?

みなさんの答えはどちらでしょう?

??

しばらく考えてみたのですが、どちらが多いかを考える前に、そもそもKが三番目に来る単語が思い付きません。

あまりにも思い付かないので、辞書をめくってみたら cake や take など、馴染みの単語がいくつか見つかりました。なぜこんな簡単な単語を思い付かなかったのでしょう?

そんな不思議な実験の結論は次のようなもの。

スクラブル(単語並べゲーム)をやったことのある人なら誰でも知っているように、ある特定の文字で始まる単語を思い浮かべるほうが、その文字が三番目にくる単語を探すよりはるかに容易である。これは、アルファベットのどの文字についても言えることだ。したがって被験者は、K、L、N、R、Vのように三番目にくる頻度のほうが高い文字についても、単語の先頭にくる頻度を過大評価すると予想できる。

実際には、Kが一番目に来る単語よりも、三番目に来る単語の方が多い。ただしKが三番目に来る単語というのは思い浮かべるのが難しいため、多くの人はKが一番目に来る単語の方が多いと判断してしまう。

人間の認知の盲点を突いた面白い実験ですね。

たださきほどの引用でも言及されているスクラブルの経験が豊富な人などは、このあたりの感覚が常人よりも発達しているのかもしれません。

例えば一文字の得点が高いJ、Q、X、Zあたりの出現パターンを熟知していれば、より高得点が取れるようになるのでしょうか?

 

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zoanthropy

photo credit: Frits Ahlefeldt-Laurvig, Hiking.org Any news from the jungle? via photopin (license)

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カフカの「変身」は次のような一節で始まります。

ある朝、グレーゴル・ザムザがなにか気がかりな夢から目をさますと、自分が寝床の中で一匹の巨大な虫に変わっているのを発見した。

フランツ・カフカ『変身』高橋義孝訳(新潮文庫)より

もしもこんな風にあなたが何かの動物に生まれ変わることができるとしたら、いったいどんな動物を選びますか?

コアラになって、ユーカリの木の上でのんびりするのもよし、

シロクマになって、北極の氷の上でのんびりするのもよし、

なぜか牧歌的な絵ばかりが浮かんでしまうのですが、もちろんコアラやシロクマにも彼らなりの悩みや苦労はあるのでしょう。

しかしある朝、目が覚めてグレゴール・ザムザのように本当に自分の姿がコアラやシロクマに変わってしまっていることに気が付いたなら、あなたは zoanthropy に罹患しているのかもしれません。

zoanthropy

NOUN

rare [mass noun] A form of madness involving the delusion of being an animal, with correspondingly altered behaviour.

Oxford Dictionaries

zoanthropy は「獣化妄想」を意味する英単語。

精神障害の一種で、自分のことを動物だと思ってしまう妄想なのだそう。

まさに事実は小説より奇なり。人間をやめてしまった先にはいったいどのような世界が広がっているのでしょう? 小手先の想像力など及ばない圧倒的な狂気の世界がそこにあるのかもしれません。

 

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post-truth − Oxford Dictionaries Word of the Year 2016

photo credit: NASA's Marshall Space Flight Center Fiery South Atlantic Sunset via photopin (license)

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Oxford Dictionaries では毎年その年に注目を集めた英単語を Word of the Year として選出しています。

2016年の Word of the Year に選ばれたのは post-truth でした。

Word of the Year 2016 − Oxford Dictionaries

post-truth(ポスト真実)というのはいったいどのような意味なのでしょう?

辞書の定義は次のようになっています。

post-truth

ADJECTIVE

Relating to or denoting circumstances in which objective facts are less influential in shaping public opinion than appeals to emotion and personal belief:

‘in this era of post-truth politics, it’s easy to cherry-pick data and come to whatever conclusion you desire’

‘some commentators have observed that we are living in a post-truth age’

Oxford Dictionaries

語義をそのまま訳せば「客観的な事実が、感情へのアピールや個人的な信念ほど世論形成に影響を与えない状況」ということになるでしょうか。

2016年を象徴する出来事と言えば、6月の Brexit そして11月のアメリカ大統領選挙。

その両者の底流にあるものを怖いくらいにぴたりと捉えた、イメージ喚起力のあることばだと思います。

それにしても post-truth という単語が一つあるだけで、私たちは知らぬ間に post-truth の時代を生きているのかもしれないと想像することができるのですから、ことばというものが秘めているその可能性の大きさに驚かずにはいられません。

nought と naught の違いとは?

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まずは次の例文を見てみましょう。

A million is written with six noughts.

All our efforts have come to nought (= have not been successful).

「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」

ここからわかるように nought という単語には「数字のゼロ」「何もない」という二つの意味があります。

nought

  1. [countable, uncountable] (British English) (also zero North American English, British English) the figure 0
  2. (also naught) [uncountable] (literary) used in particular phrases to mean ‘nothing’

「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」

ただややこしいことに、英語にはこの nought と一文字違いの naught という単語も存在します。

イギリス英語においては nought = zero、naught = nothing というのが標準的な使い分け。

nought naught
zero ×
nothing

 

一方、アメリカ英語においては、そんな細かいことを言わずにどちらをどちらの意味に使ってもいいじゃないかというおおらかなルールになっているようです。(ただし綴りとしては naught の方が好まれるとのこと。)

イギリス英語の知識が必要な人は、nought は綴りの中に0が入っているから「ゼロ」と覚えておけば間違いないと思います。

 
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藍色と洋紅色

16120301

有島武郎の童話「一房の葡萄」の主人公は絵を描くのが好きな小学生。

学校のある横浜の港の風景を描こうとするものの、手持ちの絵具ではどうしても表現できない色があることに気が付きます。

けれどもあの透きとおるような海の藍色と、白い帆前船などの水際近くに塗ってある洋紅色とは、僕の持っている絵具ではどうしてもうまく出せませんでした。いくら描いても描いても本当の景色で見るような色には描けませんでした。

物語の鍵になっている藍色と洋紅色の絵具。藍色はわかるのですが、洋紅色というのがいったいどんな色なのか想像できません。

いわゆる普通の紅色と何が違うのでしょう?

国語辞書には次のように出ています。

ようこう【洋紅】

食品・化粧品などの染色や、絵の具に使う紅色の色素。⇒カーマイン レッド

「新明解国語辞典 第七版」

カーマインという英名が出てきたので、英英辞書も調べてみました。

carmine

a dark red colour

「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」

dark red というのはワインのような色ということでしょうか?

どうもピンと来ないので、色検索のサイトで調べてみると、、、

16120302

なるほど、洋紅色(カーマイン)というのはこんな感じの色だったんですね。

たしかに赤ともピンクとも朱色とも違う、独特の風味を持った色合い。

一房の葡萄の「僕」がこの色に強く惹かれたのも、さもありなんという感じでしょうか。

 
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一房の葡萄
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(2012-09-27)

レストランで注文をするときに

photo credit: ninfaj Coffee Time via photopin (license)

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海外でカフェレストランなどに入ったときに、どのように店員さんを呼べばよいのか迷ってしまうことはありませんか。

回りのお客さんの振る舞いを観察していると、声をかける代わりに自然なアイコンタクトでコミュニケーションをとっている人が多いように見えます。しかしそのまま真似をしようとしても、気後れしてしまうせいか、なかなか上手にできません。

ただ一方では、日本にやってくる外国人観光客は別の難しさを感じているのかもしれません。

書棚に置いてあった旧版の中学英語の検定教科書『New Horizon 3』をめくっていたら、次のような一節に目が止まりました。

When you want to order in Japanese restaurants, you usually say, “Sumimasen,” in a loud voice. But in America, we just raise our hand and make eye contact. So I still have a hard time in Japanese restaurants. I always say, “Sumi…uh, uh, sumimasen,” too quietly. It’s not easy for me to get food. So I get very hungry.

外国の人にとっては、日本式に「すみません」と声をかけるのが高いハードルなんですね。

ただ今の日本では(少なくとも大衆的なお店では)ボタンを押して店員さんを呼ぶ仕組みを採用しているところも多くあります。

あるいはタッチパネルで注文までできてしまう居酒屋や回転寿司屋なども。

ああいう日本的な方法というのは外国人観光客の目にはいったいどのように映っているのでしょう?

「すみません」と声をかけるよりは楽だと思われているのか、それともさらにハードルが高いと思われているのか、果たしてどちらでしょうか。

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