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とうざい、とうざい!

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ムーミンの小説作品の第三作『たのしいムーミン一家』の中に、ムーミンと仲間たちが山で魔法の帽子を拾ってくるというエピソードが出てきます。

魔法の帽子は、中に入れたものをすっかり他の姿に変えてしまう力を持っています。

拾ってきた当初ごみ箱代わりにしていた帽子にムーミンが投げ捨てた卵の殻は、五つの小さい雲に姿を変えました。

その雲に乗ったスノークのおじょうさんの様子を見て、いっしょにいたスニフは自分も乗ってみようとします。

「ぼくも乗ってみようっと」

こういってスニフは、べつの雲にとび乗ると、玉乗りでもする気になって、

「とうざい、とうざい!」

とさけびました。ところが、そうやって「とうざい」をいいかけたときに、雲はふわりと動いて、しずかに地の上からまいあがったのです。

「たのしいムーミン一家」P.29-30

このシーンの「とうざい」の意味が気になって、しばらく考え込んでしまいました。

こんな表現は辞書には出ていないだろうし、、、と思ったものの、引いてみるときちんと出ているではありませんか。国語辞書すごい!

とざいとうざい【東西東西】

観客のどよめきをしずめ、また、口上を述べる際に、「皆様お静かに」の意でかける言葉。とうざいとうざい。

「新明解国語辞典 第七版」

聞き慣れない表現ですが、「東のお客様から西のお客様まで、みなさまお静かに」というようなニュアンスのかけ声なんですね。

それにしてもムーミンの世界からこんな和風な言葉を拾うことができるとは思いませんでした。

原書のスウェーデン語ではいったいどのような表現だったのでしょう?

 
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フィンランド語学習記 vol.505 − 見つかる、見つける

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次の文を比較してみましょう。

Lompakko löytyi kadulta.(道で財布が見つかった。)

Pojat löysivät lompakon kadulta.(少年たちは道で財布を見つけた。)

「Tarkista Tästä」P.79

löytyi は「見つかる」を意味する自動詞 löytyä の三人称単数過去形。

löysivät は「見つける」を意味する他動詞 löytää の三人称複数過去形。

まずはそれぞれの語形変化をお楽しみください。

löytyä löytää
一人称単数現在 löydyn löydän
二人称単数現在 löydyt löydät
三人称単数現在 löytyy löytää
一人称複数現在 löydymme löydämme
二人称複数現在 löydytte löydätte
三人称複数現在 löytyvät löytävät
一人称単数過去 löydyin löysin
二人称単数過去 löydyit löysit
三人称単数過去 löytyi löysi
一人称複数過去 löydyimme löysimme
二人称複数過去 löydyitte löysitte
三人称複数過去 löytyivät löysivät

 

さてここからが本題。

フィンランド語にはこの löytyä と löytää のように自動詞・他動詞が対になった単語が多く見られます。

一方、英語にはこの自動詞に当たる単語が存在しないケースもあります。

そのため冒頭の例文を自然な英文に訳そうとすれば次のようになるでしょう。

A wallet was found on the street.
The boys found a wallet on the street.

英語には löytyä に当たる自動詞がないので、be found と受動態を使って表すことになります。

改めて日本語、英語、フィンランド語の関係を整理してみましょう。

日本語 見つかる 見つける
フィン語 löytyä löytää
英語 be found find

 

こうして見ると、日本語とフィンランド語は語彙のあり方が似ており、英語は違っているということがわかります。

にもかかわらず、例えば「道で財布が見つかった」という内容をフィンランド語で表現しようとしたときに、A wallet was found on the street. のような英語の構造を思い浮かべてしまったという経験はありませんか?

日本語に「見つかる」という自動詞があるにもかかわらず、わざわざ英語の be found を連想してしまうということは、やはり第三言語(フィンランド語)を学ぶときには第二言語(英語)の影響が強く現れるということなのだと思います。

*以前にそのあたりの内容をまとめた記事はこちら。
Finnish as a third language − 第三言語としてのフィンランド語習得を考える

細かい話ではありますが、そんなところにちょっとした語学の難しさを感じている今日この頃です。

presentator(プレゼンテーター)

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先日あるプレゼンテーションの研修に参加したときのこと。

講師の先生がプレゼンテーションをする人のことを繰り返し「プレゼンテーター」と呼ぶのが気になりました。

プレゼンテーター?

違和感があるなあと思い、英語の辞書を引いてみたもののやはり presentator という単語は出ていません。プレゼンをする人はプレゼンテーター(presentator)ではなく、プレゼンター(presenter)のはず。

おそらくプレゼンテーションという語感に引っ張られてプレゼンテーターになってしまったのだろうとその場では解釈していました。

しかし帰宅後もこのプレゼンテーターという表現が気になってしまい、念のため国語辞書を引いてみたら何と掲載されているではありませんか。

プレゼンテーター(名)〔和製 presentator〕

プレゼンテーションをする人。

「三省堂国語辞典 第七版」

もちろん和製英語のラベルが貼ってありますので、英語の語彙に presentator が存在しないことは間違いありません。ただ国語辞書に掲載されているということは、

  • セミナーの先生が話したのは英語ではなく日本語である。
  • よってプレゼンテーターという表現は間違っていない。

という理屈も成り立つのでしょうか?

和製英語だからダメということになれば、サラリーマンやビジネスホテルのような日本語もダメということになってしまいます。

ここでのポイントはその言葉がどこまで日本語に浸透しているかということ。プレゼンテーターはすでに日本語の市民権を得た表現なのでしょうか?

 
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フィンランド語学習記 vol.504 − 2冊の教科書

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現在、通っているフィンランド語教室では『suomea suomeksi 2』と『suomen mestari 3』という二冊の教科書を使っています。

隔週でそれぞれの教科書を使っており、お互いの関連性はないのですが、時折、一つの教科書で習った表現が、すぐにもう一つの教科書で出てくるということがあります。例えばこんな表現。

Arvaa, mitä minä teen?(私が何をしているか当ててみて。)

− En tiedä. Kirjoitat kirjettä.(知らないよ。手紙を書いてるの?)

「suomea suomeksi 2」P.101

arvaa は「推測する」を意味する動詞 arvata の(二人称単数)命令形。

Arvaa, mitä minä teen? を直訳すれば「私が何をしているか推測して」という意味になります。

なるほど、フィンランド語ではこういうときに arvata という動詞を使うのかと思っていたら、もう一つの教科書でも似たような表現が出てきました。

Hei Hanna, arvaa mitä, mä sain sähköpostia mun vanhasta koulusta Brasiliasta.

(ねえ、ハンナ、聞いてよ。僕、ブラジルの母校からEメールをもらったんだ。)

「suomen mestari 3」P.85

arvaa mitâ を直訳すれば「何が起こったのか推測して」という意味になります。

*ただ今回は英語の guess what のように「聞いてよ」と訳してみました。

このように2冊の教科書の内容がリンクすると、単純に「これ知ってる!」と思えて嬉しいですし、いつも以上に記憶に残るような気がします。

そのあたりが2冊の教科書を平行してすすめているメリットなのかなと思います。

be all mouth

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威勢のいいことばかり言って、行動が伴わない人のことを「あいつは口だけのやつだ」なんていうことがあります。

こういった表現というのは万国共通なのだろうか?と思って調べてみると、少なくとも英語には似たような表現があることがわかりました。

be all mouth

(informal) if you say somebody is all mouth, you mean that they talk a lot about doing something, but are, in fact, not brave enough to do it

「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」

面白いのは、英語には次のようなロングバージョンもあるということ。

be all mouth (and no trousers)

PHRASE

informal

Tend to talk boastfully without any intention of acting on one’s words.

Oxford Dictionaries

「あいつは口だけでズボンを履いていないやつだ」というのは、結局「口だけのやつだ」と同じ意味らしいのですが、絵を想像すると思わず笑ってしまいそうになります。

何かのきっかけで日本語にも輸入されたらいいのに、と思ってしまうコミカルな表現です。

The rain in Spain stays mainly in the plain.

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オーストラリア英語において today を「トゥデイ」ではなく「トゥダイ」と発音することがある、というのはよく知られた特徴の一つです。

これはすなわち標準英語における /ei/ の音が /ai/ に変化しているということ。

このオーストラリア英語のルーツの一つと言われているのがイギリス、ロンドンのいわゆるコックニー訛りと呼ばれている発音です。

イギリスからオーストラリアに渡ってきた労働者たちの話す英語がそのままオーストラリア英語として継承されてきたということなのでしょう。

このコックニーは、標準的な発音(Queen’s English)に比べて、あまり品のよくない発音であるという扱いを受けてきました。

映画『マイ・フェア・レディ』には、この /ai/ の発音を /ei/ に矯正するシーンが出てきます。

映画の主人公イライザが、発音矯正のために何度も練習させられるのが、

The rain in Spain stays mainly in the plain.

というフレーズ。

よく聞いてみると、この文の中には5つの /ei/ の音が含まれています。

決して早口言葉という訳ではないのですが、きれいに /ei/ の音を出そうとすると、ちょっとたどたどしくなってしまいます。

みなさんはこのフレーズをきちんと発音することができますか?

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