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attender vs attendee − する人とされる人(2)

18011901

昨日のエントリーの最後に書いた attender と attendee の違いについて、改めて検証してみたいと思います。

[昨日のエントリー]employer vs employee − する人とされる人

<前提>
・英語の接尾辞[-er]は「〜する人」、[-ee]は「〜される人」を意味する。
(例、employer=雇う人、employee=雇われる人)

・しかし attender と attendee はともに「出席する人」の意味になる。

動詞 attend は「出席する」の意味ですから、本来なら attender は「出席する人」、attendee は「出席される人」になるはずです。

しかし「出席される人」というのは意味がよくわかりません。

無理にこじつければ、その会の主催者ということになるでしょうか。

ここで改めて employ と attend の語法を考えてみると、employ というのは「人」を目的語にとる動詞であるのに対して、attend は「会」を目的語にとる動詞です。

employ someone(人を雇う)
attend a meeting(会議に出席する)
主語(人) employ 目的語(人)
employer employee

 

主語(人) attend 目的語(会)
attender
attendee
×

 

このように図示してみると、attend という動詞から「〜される人」を意味する[-ee]の形が派生すること自体が不自然なようにも思えます。

このあたりの事情について、Wiktionary の attendee の項に次のような説明が出ていました。

Attender was originally the only word for a person attending. As with most nouns formed from verbs, as payer, trainer, employer, it was the receiver of action that was formed with -ee, as with payee, trainee, employee. In the 1980s with the advent of spell-checkers, the word attender was erroneously flagged as misspelled and attendee was its replacement. Since then attender is no longer in popular usage.

「Wiktionary」

すなわち、

1)もともと「出席者」を意味する単語は attender しかなかった。
2)1980年代にスペルチェッカーが誤って attender をスペルミスと判定し、attendee が代わりに使われるようになった。
なぜスペルミスと判定されたのか?という疑問は残りますが、この説明が正しいなら、やはり「出席する人=出席者」を意味する単語としては attender の方が正当であるということになります。

とはいえ、言葉の選択というのは「正しい、正しくない」だけで決まるわけではないので、正当性を主張しただけでは attender が復権することはないでしょう。

attender にしてみれば、とんだ濡れ衣を着せられたことになりますね。

employer vs employee − する人とされる人

18011801

employer

A person or organization that employs people.

Oxford Dictionaries

employee

A person employed for wages or salary, especially at non-executive level.

Oxford Dictionaries

英語で employer は「雇い主」、employee は「従業員」の意味。

[-er]は「〜する人」を意味する接尾辞なのに対して、[-ee]は「〜される人」を意味する接尾辞です。

ただ[-er]と比べて[-ee]の付く英単語というのはあまり思い浮かびません。

そこで今回は辞書の中から[-ee]の付く英単語を拾ってみました。

adviser, advisor
指導教官
advisee
指導学生
attender
出席者
attendee
出席者
committee
委員会
contactee
被接触者(宇宙人と接触したと主張する人)
examiner
試験官
examinee
受験者
interviewer
面接官
interviewee
面接を受ける人
referee
レフェリー
trainer
訓練をする人
trainee
訓練[研修]を受けている人

*『ウィズダム英和辞典 第3版』より

ご覧のように[-ee]の単語があっても、ペアになる[-er]の単語がないケースもあります。なお、

[-er]= する人
[-ee]= される人

という原則を考えると、attender と attendee が同じ「出席者」という意味になるのは不思議な現象。

原則に従えば attendee は「出席される人=会の主催者」になってもよさそうですが、そのような意味は見つかりません。

ここを掘り下げると、また別のテーマになりそうです。

ツンデレ、ふわとろ

18011701

この前、電車の中で近くにいた学生たちの会話の中に「ツンデレ」という言葉が出てきました。

「あー、ツンデレね。もちろん知ってるよ。」

と心の中で呟きつつ、つい不安になり、スマホの辞書アプリで検索してしまいました。

つんでれ[ツンデレ](名)

〔俗〕ふだんはつんつんしているのに、二人きりになるとでれでれする〈性格/人〉。〔二〇〇五年ごろから広まったことば。もとは女性に言った〕

「三省堂国語辞典 第七版」

だいたい思っていたとおりの意味で、ほっとしました。

ところで、この語釈を見ると、ツンデレという表現は「つんつん」と「でれでれ」の合成語であることがわかります。

つんつん(副・自サ)

①〔においが〕強く鼻をつきさすような感じ。つんと。

「ーにおう」

②かたく、上に向かって突き出るようす。

「ーのびた麦の穂」

③とりすましてあいそのないようす。

「ーしている女」

「三省堂国語辞典 第七版」

でれでれ(副・自サ)

①しまりがなくだらしないようす。

「ー(と)した生活」

②〔とくに男が女に対して〕あまくてこびるようす。

「ー(と)した態度」

「三省堂国語辞典 第七版」

この「ツンデレ」のように二つのオノマトペを縮めて一つの言葉にしている日本語というのは他にあるでしょうか?

あちこち探してみたところ、見つけたのはこんな言葉。

ふわとろ(名)

〔俗〕〔オムレツ・お好み焼きなどが〕ふわりと軽く、とろりとやわらかいこと。

「ーの食感」

ふわとろに限らず、食感のオノマトペというのは組み合わせの自由度が高いような気がします。

  • ふわふわ+とろとろ=ふわとろ
  • もちもち+ふわふわ=もちふわ
  • もちもち+とろとろ=もちとろ

ただ食感以外の言葉ではなかなかこのような「オノマトペ+オノマトペ」の例は見つからず。

そういう意味では、ツンデレの希少価値は高いのかもしれません。他に何かあるでしょうか?

 
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美人でない人

18011601

いきなり不謹慎なタイトルで申し訳ありません。

先日あるエッセイを読んでいたら「どの国も美人と非美人の比率は変わらない」という一節が出てきました。

ここで考えてみたいのは、本当にどの国も美人と非美人の比率は変わらないのか、、、ということではなく「非美人」という表現について。

美人でない人は「非美人」ではなく「不美人」なのでは?と思ったのです。

辞書を引いてみると、やはり見出し語になっているのは不美人の方でした。

ふびじん[不美人](名)

美人でない〈こと/女性〉。(↔美人)

「三省堂国語辞典 第七版」

ではさきほどの非美人という表現は単なる間違いなのか?というと、必ずしもそうは言い切れないような気がします。

不美人というのはたしかに辞書に出ている言葉ではありますが、いわゆる手垢のついた表現であり、どことなく品のなさを感じます。

その点、非美人の方がより中立的で politically correct なイメージがあるので、著者は無意識に非美人という表現を使ったのではないか。そんな推理を働かせてみたくなります。

ではこのような不と非によるニュアンスの違いというのは他の単語にもあるのでしょうか?

それを探るため、不と非で始まる単語をいくつか国語辞書から拾ってみました。

  • ふかくじつ[不確実]
  • ふかのう[不可能]
  • ふけんこう[不健康]
  • ふまじめ[不真面目]
  • ふまんぞく[不満足]
  • ふろうふし[不老不死]
  • ひこうりつ[非効率]
  • ひこくみん[非国民]
  • ひじょうしき[非常識]
  • ひせいき[非正規]
  • ひせんとういん[非戦闘員]
  • ひぼん[非凡]

ここからわかるのは、不と非で始まる言葉の多くは、不と非を入れ替えると著しく不自然になるということ。

よって「不美人・非美人」のように入れ替えてみてニュアンスの違いを探るというのは難しいものがあります。

では不と非のどちらかしか使えない場合には、いったいどのような法則で不と非の選択が決まっているのでしょう?

その規則性を理解することができれば、不美人と非美人の違いももっと上手く説明できるのかもしれません。

しかしこれはこのコラムで結論を出すにはあまりに奥深い問題。今後の継続課題にしたいと思います。

 
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フィンランド語学習記 vol.532 − トゥルクと埼玉の共通点

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フィンランド語教室のテキスト『suomen mestari 3』にフィンランドの古都トゥルクについての短い読み物が出ていました。

TURKU

Turku on Suomen vanhin kaupunki ja maamme entinen pääkaupunki. Kaupungin mielenkiintoiseen historiaan voi tutustua Turun linnassa. Kannattaa käydä myös Luostarinmäen käsityöläismuseossa ja tuomiokirkossa

トゥルク

トゥルクはフィンランドの最も古い街であり、前の首都です。街のおもしろい歴史はトゥルク城で知ることができます。ルオスタリンマキ手工芸博物館と大聖堂も訪れる価値があります。

フィン
entinen former 前の
mielenkiintoinen interesting おもしろい
tutustua get to know 知り合いになる
kannattaa to be worth 〜する価値がある
käsityö handwork 手仕事
tuomiokirkko cathedral 大聖堂

 

この Turku という地名は格変化に伴って、中の[k]が落ちることがあります。

Turku(トゥルク)
Turun linna(トゥルク城)
主格 〜は/が Turku
属格 〜の Turun
内格 〜の中で/に Turussa
出格 〜の中から Turusta
入格 〜の中へ Turkuun

 

最初にこのルールを知ったときは「フィンランド語は固有名詞でも格変化するのか」とびっくりしました。

この現象は改めて考えてみると、日本語のイ音便に似ているような気もします。

いおんびん[イ音便](名)

〘言〙音便の一つ。「キ・ギ」などの音が「イ」の音になるもの。例、「咲きて」→「咲いて」。「脱ぎて」→「脱いで」。

「三省堂国語辞典 第七版」

地名で言えば「埼玉(さきたま)」が「埼玉(さいたま)」になったという例もあります。

もちろん一つの会話や文章で埼玉が「さきたま」になったり「さいたま」になったりする訳ではないので、フィンランド語と日本語の音変化を同列に考えることはできませんが、傾向としては似ているのではないか。そんなことをふと考えました。

 
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フィンランド語学習記 vol.531 − 寒さに強い、寒さに弱い

18011401

先日のフィンランド語教室で、タイプ6の動詞[-etA]について話していたときのこと。

先生が紹介してくれたのが tarjeta という動詞。

なんと一語で「寒さに強い」という意味を表すのだそうです。

Wiktionary で調べてみると、次のように出ていました。

tarjeta

(intransitive) To (be able to) withstand the cold, be warm enough (in order not to shiver with cold).

Tarkenenkohan minä ulkona näillä vaatteilla?
(I wonder if I’m warm enough outdoors with these clothes.)

「Wiktionary」

「寒さに強い」の他に「十分暖かい」という意味もあるようです。

今の季節に使い勝手の良さそうな単語ですね。

日本語にも似たような表現はないだろうか?と考えてみると、寒さに強いという表現は思いつかなかったものの、逆の表現ならあることに思い当たりました。

さむがり[寒がり](名・形動ダ)

ふつうの人よりも、よけい寒さを感じる〈性質/人〉。(↔暑がり)

「三省堂国語辞典 第七版」

もしかしたらフィンランド語にもこれに類する表現があるのかもしれませんが、寒がりの人がフィンランドで暮らすのはしんどそうです。

寒さに強いフィンランド語と寒さに弱い日本語。他の言語にも似たような表現はあるのでしょうか?

 
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