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フィンランド語学習記 vol.41 −[ö]の発音について考える

この頃、気になっているのはフィンランド語の発音のこと。

目下のテーマは[ö]の音です。

例えば、yö(夜)という単語がありますが、単に「よう」と発音してしまうと、日本語で友人に呼びかけているような感じになってしまいます。

フィンランド語の[ö]の音は、国際音声記号(IPA)では[ø]という記号で表します。しかしこの音は英語にも存在しないため、おそらく多くの日本人にとっては馴染みが薄いのではないでしょうか。

[ø]の実際の音声は Wikipedia の Close-mid front rounded vowel のページで聞くことができます。右側の sound の下の▶をクリックしてみてください。

これを聞く限り、日本語の「オ」よりは「ウ」に近いような気もしますが、そのどちらでもないことは確かでしょう。

自分の場合、どうも音感がないせいか、音を聞いただけですぐに真似をすることができません。そこで手持ちの参考書をもう一度ざっと横断してみました。

 

フィンランド語が面白いほど身につく本(中経出版)

舌の位置は「エ」、唇は丸めて「ウ」、そしてのどから「オ」を発音する。

オとヨをあわせたような音になります。

P.29

舌は「エ」で、唇は「ウ」というのは、かなり難しいですね。何とかその状態を作って、「オ」を発声しようとすると、思わず戻してしまいそうになるときも。(自分だけ?)

 

フィンランド語のすすめ(研究社)

日本語にも英語にもない母音です。エ、エーを発音しながら、唇を丸めていくとこの母音の発音になります。

P.2

エを発音しながら、唇を丸めるというのは結構難しいです。しかし練習していると、それなりに似ている音を作ることはできました。

ちなみにこの本では、ö に音に「オェー」というカナが振られています。やはり戻すときの音なのでしょうか?

 

フィンランド語文法ハンドブック(白水社)

ö は唇を丸めて e[エ]を発音する音です。

P.9

これは集中すれば、すぐに真似をすることができました。個人差はあるかもしれませんが、私の場合、エを発音しながら唇を丸めるより、唇を丸めてからエを発音する方が楽にできます。

しかしとっさに発音ができるようになるには、それなりの練習が必要でしょう。

 

そんな訳で今回は ö の発音について考えてみました。外国語における発音の問題はなかなか悩ましいですね。


Google AdWordsのキーワードツールを使って日本における外国語の人気度を調査してみる

今の日本にフィンランド語を学習している人はいったいどれくらいいるでしょうか?

首都圏にはフィンランド語の教室がそれなりにありますし、宮崎あおいさんがCMでフィンランド語を話しているのを聞いたりすると、フィンランド語はそれなりに人気があるのかな?と思うことがあります。

そこで日本における外国語の人気度を調査するため、Google AdWords のキーワードツールを利用してみることにしました。

これはもともとウェブサイトのSEO対策のためのツールなのですが、それはさておき、あるキーワードが Google のサーチエンジンでどれくらい検索されたのかを調べることができます。

それでは、さっそく結果を見てみましょう。

*数値は月間の検索数(過去12か月の平均)

言語 検索数
英語 16,600,000
フランス語 673,000
ドイツ語 246,000
ラテン語 90,500
イタリア語 74,000
スペイン語 49,500
中国語 33,100
韓国語 33,100
ロシア語 12,100
ポルトガル語 8,100
アラビア語 8,100
スウェーデン語 6,600
フィンランド語 5,400
オランダ語 5,400
ノルウェー語 1,900
デンマーク語 1,300
アイスランド語 590
エストニア語 260
サーミ語 73
フェロー語 36

 
英語の1位は予想通り。しかし2位以下の言語とこれほどまでに数字の開きがあるとは思いませんでした。現在の地位は当分盤石でしょうか。

北欧の言語を見ると、フィンランド語はスウェーデン語に次ぐ2位という結果に。北欧では1位かと思っていただけにやや残念。

意外なのは7位の中国語。もう少し上位に来ると思ったのですが。

そんな訳で、妥当性にはやや疑問が残るものの、日本における外国語の人気度を調査してみました。

なお「フィンランド語」の検索数は5,400件でしたが、「ムーミン」は165,000件でした。ムーミンおそるべし。


小笠原語の世界

先日、池袋の LIBRO で『日本語の隣人たち Ⅱ』という本をぱらぱらとめくっていたところ、非常に面白かったので、勢いで購入してしまいました。

この本ではタイトルのとおり、日本の周辺で使われているあまりメジャーではない言語を紹介しています。そのラインアップは以下のとおり。

  • 樺太アイヌ語
  • アリュートル語
  • オイラトモンゴル語
  • シベ語
  • ゾンカ語
  • リス語
  • ブヌン語
  • 小笠原語

アイヌ語以外は、名前すら聞いたことがありません。

しかし、この中の「小笠原語」というのが何だか気になります。小笠原はいつか行ってみたいと思っていた場所でもあるので、真っ先にそのページを読んでみました。

 

小笠原語の成立過程

小笠原諸島には、19世紀、日本人より先に欧米人が入植していました。その後、小笠原は日本領となり、八丈島などからの移民が増えてきます。すると在来の欧米人は日本に帰化し日本語も話すようになります。

その後、第二次世界大戦の後には、小笠原は米軍の施政下に入り、島民は英語教育を受けることになりました。

その結果、英語と日本語の混合言語を母語とする島民が現れ、その言語を小笠原語と呼ぶようになったそうです。

 

小笠原語の世界を覗いてみる

本書には、小笠原語の実際の会話例がいくつかのっています。

I refuse to learn the 丁寧 way.

me はちゃんとしないと。

混合言語というのは、こういう表現のことなのですね。ところで上記の文の me に関する解説が面白かったので抜粋してみます。

me「私」:欧米系島民に小笠原ことばの典型的な特徴を聞くと、まず出てくるのはここに見られる1人称代名詞の me です。主語でも目的格でも me です。所有格も my や mine ではなく「meの」となります。これに当たる複数形は us や we でもなく、ワレワレやワタシタチでもなく、「meら」です。

P.159

これらは単に英語と日本語を混ぜて話しているのではなく、独自の文法規範を持った固有の言語であるというのが、筆者のダニエル・ロング先生の主張です。本書ではその根拠も挙げられていますので、興味のある方はぜひご覧になってみてください。

なお小笠原語は Wikipedia にも項目があり、そこではこんな文例がのっていました。

現在では使われていないが、本土復帰直後の日本人教師と生徒との会話例を一部示す。ニュアンスは後に日本の俳優であるルー大柴が発する「ルー語」に近い。

「ユーは何のティーチャーかい?」

「東京ベイは、グアムアイランドよりも大きいかい?」

「『メス』って、メイルかい?それともフィメイルかい?」

最初に小笠原語の文例を見たときに感じた既視感・親近感は、もしかしてルー語に近いためだったのかな?と思ったり、思わなかったり。

いずれにしても、日本の辺境にこんな言葉があったとは、全然知りませんでした。まだ知らない日本のことばもたくさんあるのでしょう。

 

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フィンランド語学習記 vol.40 − suu と syy

フィンランド語教室19週目のレポート。

今回はしばし雑談の後、簡単な会話と発音の練習を行いました。

その際、話題になったのが、[u]と[y]の発音の違いについて。

フィンランド語の[y]は母音で、日本語の母音の中では比較的「ウ」に近い音だと思われます。しかし、そうだとすると[u]と[y]の違いはどこにあるのでしょうか?

困ったときの『フィンランド語文法ハンドブック』を参照してみました。

u は日本語の[ウ]とはかなり異なります。フィンランド語の u を発音するときには唇をしっかりと丸めて突き出し、口の奥の方で音を出すような感じで発音します。唇をしっかりと丸めるので、u は場合によると[オ]に聞こえるかもしれません。

y は唇を丸めて i[イ]を発音します。

P.9

この説明を読む限り、どちらも難しそうですね。

今回の授業でも、下記の単語で発音の練習をしたのですが、なかなか上手くいかず。

suu(口)
syy(繊維、理由)

特に上の suu は、どうしても日本語風の「スー」になってしまいコツがつかめません。

おそらく[u]と[y]では[u]の方が、日本人にとっては難しい音なのでしょう。

なんとなく字面のイメージから[u]の方が日本語の「ウ」に近く、[y]はやや変わった音かと思っていたのですが、そう単純な話ではないようです。

よい解決策も見つからないので、とりあえずこの問題は継続課題ということになりました。

今日も「スー」とか「す〜」とか言いながら、道を歩いていたので、よほど変な人と思われていたことでしょう。


Tanacross Learners’ Dictionary − タナクロス語の世界を覗いてみれば

20代のころ、アラスカの文化や言語に興味があって、関連する本を読んだり、アラスカ大学のホームページを読んだりしていた時期がありました。

何となくその頃のことを思い出して、久しぶりに Alaska Native Language Center のホームページを見ていたら、なんとタナクロス語の辞書が iPhone アプリで出ているとのお知らせを発見。

これはおもしろそうだ!と思い、さっそく試してみました。

タナクロス語というのは、おもに北アメリカで話されているアサバスカ諸語(Athabaskan Languages)の中の一言語です。

日本版の Wikipedia には項目がないので、英語版の Wikipedia から引用してみましょう。

Tanacross (also Transitional Tanana) is an endangered Athabaskan language spoken by fewer than 60 persons in eastern Interior Alaska.

話者数60人以下ということですので、かなり差し迫った消滅の危機にある言語と言えるでしょう。

またアサバスカ語というのは、アメリカの著名な人類学者エドワード・サピアが、私信の中で the son-of-a-bitchiest language と呼んだくらい、文法的に複雑きわまりない言語として有名です。

Alaska Native Language Center ホームページの説明によると、この辞書アプリには2,000の英語見出し語と4,500のタナクロス語、そして3,800の音声ファイルが収録されているとのこと。音声が聞けるというのは素晴らしいですね。

それでは、いよいよ辞書の中身を見てみましょう。

この画面から単語を検索します。なおこの辞書は、英語からタナクロス語を調べる、いわゆる「英・タナクロス辞書」となっています。通常の学習者用辞書のように「タナクロス・英辞書」にしてしまうと、使いこなせる人は相当限定されてしまいそうなので、無理もないでしょう。

ここでは人称代名詞の I と you を検索してみました。

I と me は同じ一語(shih)で表すのですね。また語法の説明によれば、文の「主体」は動詞の中で示されるため、人称代名詞の shih は省略されることも多いようです。これはタナクロス語に限らず、アサバスカ諸語に共通の特徴なのだとか。

例えば、アプリに付属している解説によると tâatihdaał という一語で、I’ll go back home. の意味になるのだそうです。その際のタナクロス語の形態素と英単語の対応関係は以下のとおり。

tá- home
na- back
t- future
ih- I
d- back
haa go
ł future

 
それにしても話者数60人以下の言語で、これだけの辞書アプリを出してしまうというのは、すごいことだと思います。

調べた訳ではないので確かなことは言えませんが、もしかすると「辞書アプリを持っている世界最少話者数の言語」である可能性はないでしょうか?

 
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TuneInで世界のラジオ放送を聞いてみる

TuneIn はインターネット経由で世界中のラジオ放送が聞けるウェブサイトです。

トップページはこんな感じ。

例えば、フィンランド語の放送を聞いてみたい、というときの手順は下記のとおり。

  1. 画面上部メニューバーの「地域別」をクリック。
  2. 「大陸」選択画面から、ヨーロッパをクリック。(ヨーロッパって大陸か?という突っ込みはとりあえずナシで)
  3. 「国」選択画面から、フィンランドをクリック。

するとフィンランドのラジオ局の一覧が表示されます。数えてみると、全部で20のラジオ局がありました。

たくさんあって目移りしますが、今回はその中から Yle Puhe というラジオ局を選んでみました。クリックすると、なんと!フィンランド語が流れてきます。(あたりまえ)

私が聞いた時間帯の放送では、二人の女性がひたすらおしゃべりをしていました。

*Yle Puhe の Puhe は「おしゃべり、話」の意味。

内容はさっぱりわからないものの、ところどころ拾える単語はありました。初学者としては、それだけでも少し嬉しかったりします。

TuneIn では世界中のラジオ放送が聞けますので、あらゆる言語の学習に利用できます。

英BBCなどのメジャーな放送局も利用できますし、あまり知られていないマイナーな放送局を発掘する楽しみもあるでしょう。

どれくらい利用者がいるのかわかりませんが、フェロー諸島から発信しているフェロー語のラジオ局というのもありました。

Rás 2 – 102.0 FM Tórshavn – Listen Online

また、冒頭の「大陸」選択画面で、南極大陸(!)があったので選択してみると、南極のラジオ局 ‘A’ Net Station(英語)を聞くことができました。

南極のラジオ局といっても、南極の情報を発信している訳ではなく、George Maat さんという人が運営する非営利の音楽専門の放送局のようです。

ラジオ局の紹介ページによると「静かな場所で仕事をしたかった」とのこと。なるほど。。

それはそれとして、アコースティック系の音楽中心の非常に素敵な選曲のラジオ局なので、南極云々はさておき、家で静かに時間を過ごしたいときなどにおすすめです。

‘A’ Net Station – Snow Hill Island – Listen Online

 
TuneIn: Listen to Online Radio, Music and Talk Stations


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