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フィンランド語学習記 vol.504 − 2冊の教科書

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現在、通っているフィンランド語教室では『suomea suomeksi 2』と『suomen mestari 3』という二冊の教科書を使っています。

隔週でそれぞれの教科書を使っており、お互いの関連性はないのですが、時折、一つの教科書で習った表現が、すぐにもう一つの教科書で出てくるということがあります。例えばこんな表現。

Arvaa, mitä minä teen?(私が何をしているか当ててみて。)

− En tiedä. Kirjoitat kirjettä.(知らないよ。手紙を書いてるの?)

「suomea suomeksi 2」P.101

arvaa は「推測する」を意味する動詞 arvata の(二人称単数)命令形。

Arvaa, mitä minä teen? を直訳すれば「私が何をしているか推測して」という意味になります。

なるほど、フィンランド語ではこういうときに arvata という動詞を使うのかと思っていたら、もう一つの教科書でも似たような表現が出てきました。

Hei Hanna, arvaa mitä, mä sain sähköpostia mun vanhasta koulusta Brasiliasta.

(ねえ、ハンナ、聞いてよ。僕、ブラジルの母校からEメールをもらったんだ。)

「suomen mestari 3」P.85

arvaa mitâ を直訳すれば「何が起こったのか推測して」という意味になります。

*ただ今回は英語の guess what のように「聞いてよ」と訳してみました。

このように2冊の教科書の内容がリンクすると、単純に「これ知ってる!」と思えて嬉しいですし、いつも以上に記憶に残るような気がします。

そのあたりが2冊の教科書を平行してすすめているメリットなのかなと思います。


be all mouth

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威勢のいいことばかり言って、行動が伴わない人のことを「あいつは口だけのやつだ」なんていうことがあります。

こういった表現というのは万国共通なのだろうか?と思って調べてみると、少なくとも英語には似たような表現があることがわかりました。

be all mouth

(informal) if you say somebody is all mouth, you mean that they talk a lot about doing something, but are, in fact, not brave enough to do it

「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」

面白いのは、英語には次のようなロングバージョンもあるということ。

be all mouth (and no trousers)

PHRASE

informal

Tend to talk boastfully without any intention of acting on one’s words.

Oxford Dictionaries

「あいつは口だけでズボンを履いていないやつだ」というのは、結局「口だけのやつだ」と同じ意味らしいのですが、絵を想像すると思わず笑ってしまいそうになります。

何かのきっかけで日本語にも輸入されたらいいのに、と思ってしまうコミカルな表現です。


The rain in Spain stays mainly in the plain.

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オーストラリア英語において today を「トゥデイ」ではなく「トゥダイ」と発音することがある、というのはよく知られた特徴の一つです。

これはすなわち標準英語における /ei/ の音が /ai/ に変化しているということ。

このオーストラリア英語のルーツの一つと言われているのがイギリス、ロンドンのいわゆるコックニー訛りと呼ばれている発音です。

イギリスからオーストラリアに渡ってきた労働者たちの話す英語がそのままオーストラリア英語として継承されてきたということなのでしょう。

このコックニーは、標準的な発音(Queen’s English)に比べて、あまり品のよくない発音であるという扱いを受けてきました。

映画『マイ・フェア・レディ』には、この /ai/ の発音を /ei/ に矯正するシーンが出てきます。

映画の主人公イライザが、発音矯正のために何度も練習させられるのが、

The rain in Spain stays mainly in the plain.

というフレーズ。

よく聞いてみると、この文の中には5つの /ei/ の音が含まれています。

決して早口言葉という訳ではないのですが、きれいに /ei/ の音を出そうとすると、ちょっとたどたどしくなってしまいます。

みなさんはこのフレーズをきちんと発音することができますか?


パンダはどこから

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先日、御徒町から上野までいわゆるアメヤ横丁を歩いていたときのこと。

上野動物園で生まれたパンダの赤ちゃんシャンシャンのグッズが屋台で売られていました。

このパンダという単語を英語辞書で引いてみると次のように出ています。

panda

(also giant panda)

NOUN

A large bearlike mammal with characteristic black and white markings, native to certain mountain forests in China. It feeds almost entirely on bamboo and has become increasingly rare.

Origin

Mid 19th century: apparently from a local language of Nepal.

Oxford Dictionaries

何気なく引いたこの項目で一つ「へえー」と思ったのが、Origin(語源)の欄。

panda はネパール語に由来するとの記載があります。

さらに語源由来辞典を調べてみると、パンダは「竹を食べるもの」を意味するネパール語「ニガリヤ・ボンヤ(ポニヤ)」に由来するという説が有力なのだそう。

パンダとカタカナで書くからには外来語であることに不思議はありませんが、ネパール語とは思いもしませんでした。ネパール語起源の日本語というのは他にあるのでしょうか?


フィンランド語学習記 vol.503 − 言葉の倉庫

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フィンランド語教室のテキスト『suomea suomeksi 2』に「語学」をテーマにしたスキットが出てきました。

これがなかなか身につまされる内容。一部を抜粋してみます。

Yritin eilen lukea erästä viime jouluna joululahjaksi saamaani ranskankielistä romaania, mutta en pystynyt lukemaan sitä kunnolla. Olen unohtanut tavattoman paljon. Sanavarastoni on liian pieni.

きのう、去年のクリスマスにクリスマスプレゼントとしてもらった、あるフランス語の小説を読もうとしたんだけど、きちんと読むことができなかったんだ。とてもたくさんのことを忘れてしまっていて。僕の語彙はあまりに少ないんだ。
フィン
joululahja Christmas present クリスマスプレゼント
romaani novel 小説
pystyä be able to 〜できる
kunnolla properly きちんと
tavattoman singularly 著しく、非常に
sanavarasto vocabulary 語彙

 

ここで面白いなと思ったのが、「語彙」を意味する sanavarasto という単語。

これは「言葉」を意味する sana と「倉庫」を意味する varasto という単語から成る複合語。

フィンランド語の語彙は「言葉の倉庫」なんですね。何だかユニークな表現です。

さきほどのスキットを読んで思ったのは、語彙が少ないというのは、おそらくあらゆる言語学習者に共通の悩みで、語学を続けている限り「語彙はもう十分」なんて思えることはないのではないかということ。

時にはざるで水をすくうように、一進一退の作業を繰り返していくしかありません。

なおさきほどのスキットには、挿絵としてマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』の表紙が描かれています。そんな作品を読もうと思ったら、ネイティブ並みの語彙が必要になりそうですね。

自分の場合は、まず絵本や簡単なニュースをすらすらと読めるようになることが目標。そのために日々コツコツと言葉の倉庫を満たしていきたいと思います。


uber

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uber と聞けば、現在世界中に広まっている自動車配車アプリケーションを思い浮かべる人が多いと思います。

この uber という名前はそもそも何に由来するのでしょう?

先日読んだ MacMillan Dictionary Blog の記事にこんな説明が出ていました。

Uber is not just the name of the company behind the phenomenally successful app, of course. Uber- is a very productive prefix meaning ‘very’, ‘total’, or ‘complete’, found in combinations such as uber-cool, uber annoying, uber nerd and uberfan. It is also used as a standalone adjective meaning ‘great’, ‘super’.

Uber | Macmillan Dictionary Blog

なるほど。uber というのは作られた固有名詞ではなく、もともと英語の語彙に存在する一般名詞なんですね。

さっそく辞書を引いて見ると次のように出ていました。

uber-, über-

/úːbər/

[<ドイツ]

接頭

(くだけて)超、最高に:めちゃ

▶uber-cool
めちゃくちゃかっこいい

「ウィズダム英和辞典 第3版」

上記のとおり、uber はドイツ語起源の英単語。

冒頭に紹介した MacMillan Dictionary Blog の記事によると、über というドイツ語はフリードリヒ・ニーチェが『ツァラトゥストラはかく語りき(Also sprach Zarathustra)』の中で提唱した超人(Übermensch)の概念に由来するのだそうです。

ニーチェのツァラトゥストラから現代の自動車配車アプリケーションへ。

そんな思いがけないつながりを教えてくれた MacMillan Dictionary Blog の記事でした。

 
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