「煮詰まる」と「行き詰まる」の違いとは?

15062301

ある会社の定例会議。

現状を打開するための方策を話し合っていたものの、議論は一向に噛み合わず。

すっかり煮詰まってしまったので、一時休憩となりました。

。。。こんな時に使っていた「煮詰まる」という表現。実は誤用であるということを最近知りました。

新明解の「煮詰まる」の語義を見てみましょう。

につまる【煮詰まる】

  1. 煮えて鍋の中の水気が(ほとんど)無くなる。「汁が煮詰まったところで火を止める」
  2. 会議などで、議論が出尽くして、結論が出せる状態に近づく。「話合いがー」〔問題の解決処理に行き詰まる意に用いることもあるが、誤り〕

「新明解国語辞典 第七版」

「煮詰まる」というのは結論に近づくことであり、行き詰まることではないと定義されています。

たしかに煮物を作ろうとして鍋を火にかけたのであれば、煮詰まること自体は目的に適っており、何ら悪いことではありません。

せっかくなので「行き詰まる」の語義も見てみましょう。

ゆきづまる【行き詰まる】

道が無くて先へ行けなくなる。いきづまる。〔広義では、交渉・仕事などがうまく進まず、動きがとれなくなることを指す。例、「運動(話合い)がー」〕

「新明解国語辞典 第七版」

言われてみればたしかに「行き詰まる」というのは「煮詰まる」に比べて意味が明解。

それなら「行き詰まる」を使えばよいのですが、ついつい「煮詰まる」と言ってしまうのは自分だけでしょうか?

 
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