フィンランド語学習記 vol.303 − アメリカ合衆国
フィンランド語教室で使っているテキスト『suomea suomeksi』に次のような文が出てきました。
Yrjö-setä oli ollut viisi vuotta Yhdysvalloissakin.(ユルヨおじさんは5年間アメリカ合衆国にもいました。)
*setä(おじさん)、Yhdysvallat(アメリカ合衆国)、-kin(にも)
*setä(おじさん)、Yhdysvallat(アメリカ合衆国)、-kin(にも)
フィンランド語で「アメリカ合衆国」は Yhdysvallat.(ユフデュスヴァッラット)。
yhdys は「統合された」を意味する接頭辞。
vallat は「権力」を意味する名詞 valta の複数形。
[単数主格]valta
[複数主格]vallat
[複数主格]vallat
英語の United States に当たる表現なので、複数形になっています。
この Yhdysvallat が冒頭の本文では内格の形になっています。
[複数主格]Yhdisvallat
[複数内格]Yhdysvalloissa
[複数内格]Yhdysvalloissa
今回はこの Yhdysvalloissa という形を作る手順を見てみたいと思います。
ただし Yhdysvallat → Yhdysvalloissa と直接変化させることはできないため、vallat の単数形 valta からスタートします。
valta | 1)音節の数をチェック | = | 2音節 |
valta | 2)複数の印[i]を置く | → | valtai |
valtai | 3)2音節の単語で[i]の前に[a]が来るときは、単語の最初の母音をチェック | = | [a] |
valtai | 4)単語の最初の母音が[u/o]以外のときは[i]の前の[a]が[o]に変わる | → | valtoi |
valtoi | 5)内格語尾[-ssA]を付ける | → | valtoissa |
valtoissa | 6)kpt 変化により[-lt-]が[-ll-]に変わる | → | valloissa |
以上の手順により Yhdysvallat の内格は Yhdysvalloissa という形になりました。
「私はフィンランドにいる」なら単に Olen Suomessa. でよいものの、「私はアメリカにいる」と言うためには、Olen Yhdysvalloissa. と複数内格の形を使わなければなりません。
これまでにさまざまな国の名前を習ってきましたが、その中にアメリカ合衆国が出てこなかった理由がよくわかりました。これはややこしい。。。