フィンランド語学習記 vol.316 − 複数分格の作り方(2)
昨日のエントリーの続きです。
フィンランド語学習記 vol.315 − 複数分格の作り方(1)
今回は以下の表現を複数分格の形に直してみます。
pitkä pöytä(長いテーブル)
pieni saari(小さい島)
siisti baari(きれいなバー)
pieni saari(小さい島)
siisti baari(きれいなバー)
pitkä pöytä(長いテーブル)
pitkä pöytä | 1)単数語幹を求める(=そのまま) | = | pitkä pöytä |
pitkä pöytä | 2)複数の印[i]を置く | → | pitkäi pöytäi |
pitkäi pöytäi | 3)[i]の前に来る母音が[ä]のときは、 3ー1)音節の数を数える → 2音節 → 2音節の単語は[i]の前の[ä]が消える |
→ | pitki pöyti |
pitki pöyti | 4)単数語幹が1つの母音で終わるときには、分格語尾[-a/-ä]を付ける | → | pitkiä pöytiä |
[i]の前に来る文字が[a]のときと[ä]のときでは、(3)の行程が一手間異なります。
<比較>
omai kuvai | 3)[i]の前に来る母音が[a]のときは、 3ー1)音節の数を数える → 2音節 3ー2)単語の最初の母音を見る →[o][u] → 2音節の単語で、最初の母音が[o][u]のときには[i]の前の[a]が消える |
→ | omi kuvi |
vanhai laivai |
3)[i]の前に来る母音が[a]のときは、 3ー1)音節の数を数える → 2音節 3ー2)単語の最初の母音を見る →[a][a] → 2音節の単語で、最初の母音が[o][u]以外のときには[i]の前の[a]が[o]に変わる |
→ | vanhoi laivoi |
pitkäi pöytäi | 3)[i]の前に来る母音が[ä]のときは、 3ー1)音節の数を数える → 2音節 → 2音節の単語は[i]の前の[ä]が消える |
→ | pitki pöyti |
pieni saari(小さい島)
pieni saari | 1)単数語幹を求める | → | piene saare |
piene saare | 2)複数の印[i]を置く | → | pienei saarei |
pienei saarei | 3)[i]の前に来る母音が[e]のときは、[e]が消える | → | pieni saari |
pieni saari | 4)単数語幹が1つの母音で終わるときには、分格語尾[-a/-ä]を付ける | → | pieniä saaria |
語幹を求めるときに[i]→[e]の変化が起こっているところがポイントでしょうか。
siisti baari(きれいなバー)
siisti baari | 1)単数語幹を求める(=そのまま) | = | siisti baari |
siisti baari | 2)複数の印[i]を置く | → | siistii baarii |
siistii baarii | 3)[i]の前に来る母音が[i]のときは、[i]が[e]に変わる | → | siistei baarei |
siistei baarei | 4)単数語幹が1つの母音で終わるときには、分格語尾[-a/-ä]を付ける | → | siisteiä baareia |
siisteiä baareia | 5)母音が3つ並んだ場合(複数の印[i]が母音で挟まれた場合)は[i]が[j]に変わる | → | siistejä baareja |
さきほどの pieni saari との違いには注意が必要。
語幹を求める際、古くからのフィンランド語は[i]→[e]の変化あり。
pieni saari → piene saare
外来語はそのまま。
siisti baari → siisti baari
というルールがあります。これは覚えるしかないのですが、とりあえず英語っぽい単語が出てきたときには外来語である可能性が高いように思います。(今回の baari など)
もとの単語が同じ[i]の語尾であっても、古くからのフィンランド語か外来語かによって、完成形が全く変わってしまうのがやっかいなところです。