あるへいぼう

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目的もなく辞書をパラパラとめくっているときの面白い発見の一つは「えっ? そんなものに名前があったの?」という単語を見つけること。
先日もこんな単語を見つけました。
アルヘイぼう【有平棒】
(有平糖に似ているからという)床屋の看板に用いる赤・白・青のらせん模様の棒。
「広辞苑 第五版」
調べてみると、有平糖というのはポルトガル伝来の砂糖菓子のこと。
その有平糖に由来するという「有平棒」は、英語でサインポール(signpole)とも呼ばれています。
人の認識というのは不思議なもので、子どもの頃から繰り返し見てきた「有平棒」が「有平棒」であることを知らなくても、全く違和感はありません。
もしそれを話題にしたいなら「床屋の前にある三色のくるくる」なんていう呼び方でも十分なのです。
子どもの頃から何度も床屋さんに通いながら、あの棒が何と言う名前なのか知らずに、またそんなことに一度も興味を持つことなく生涯を終える人もいるはず。
一方、有平棒を知ってしまったあなたは、有平棒を知っている人のグループに属してしまい、有平棒を知らない人のグループに戻ることは二度と出来ないのです。
そんなどうでもよいことを考えていると、いつのまにか夏の一日が終わっていきます。