階の数え方 − アメリカ英語とイギリス英語の違いをめぐって

アパートやマンションに住んでいる人に「部屋は何階ですか?」と聞くことがあると思います。

– What floor is your room on?(あなたの部屋は何階ですか?)
– My room is on the __________ floor.(私の部屋は2階です。)
この階を表すしくみがアメリカ英語とイギリス英語で異なるというのは、よく知られているところ。

アメリカ英語 イギリス英語
1階 first floor ground floor
2階 second floor first floor
3階 third floor second floor

 

つまりさきほどの文なら、

【アメリカ英語】My room is on the _second  floor.(私の部屋は2階です。)
【イギリス英語】My room is on the _first_ floor.(私の部屋は2階です。)

と表すことになります。

このとき私たちは「イギリス英語では2階を first floor と呼ぶ」と理解したくなりますが、イギリス英語でも first は1を意味するのですから「イギリスの人たちは私たちが2階と呼んでいる部分を1階と呼ぶ」という方がより正確な理解なのかもしれません。

このイギリス式、日本語を母語とする私たちにとっては奇妙な感じもします。

ただ改めて考えてみると、私たちが普段馴染んでいる数字の世界では「−2、−1、0、1、2」と整数が並んでいるのですから、地下1階と地上1階の間に0階(=ground floor)が存在するイギリス式の方が理にかなっているとも言えそうです。

なおアメリカ英語でも1階を ground floor と呼ぶことがあるようですが、その場合でも2階は second floor と呼びます。

それでは first floor はどこへ行ってしまったのでしょう? 。。。そのあたりはまあアメリカ英語のおおらかなところなのでしょう。