極北

photo credit: Snowy Farm via photopin (license)

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もしもたっぷりのお金と時間があって、どこへでも行ってよいと言われたら、北へ向かいますか? それとも南へ向かいますか?

人によって好みの分かれるところだと思いますが、自分の場合はおそらく北へ向かうような気がします。

そういえば大学生になって初めて一人旅をしたときの目的地も北海道の稚内でした。

今ならフィンランドのヘルシンキでレンタカーを借りて、行けるところまで北上してみるなんていう旅もよいなと思います。

北へ北へと向かえば、やがて辿り着くのは極北の世界。

きょくほく【極北】

はるか北の方。北の果て。北極に近い所。さいはて。

「広辞苑 第五版」

この極北というのは、ちょっと不思議な言葉。

まず面白いのは「極北」という言葉はあるのに、逆の「極南」という言葉はないということ。

○ 北極 ○ 南極
○ 極北 × 極南

 

また日本語の極北には、単に地理的な北というだけではなく、「日本語表現の極北」とか「現代文学の極北」のように抽象的な使い方もあります。

これらの極北は極限的という意味で使われているのだと思いますが、よい意味か悪い意味かと言われれば、よい意味と考える方が妥当でしょう。

そういう意味でも人が最後に目指すところは、やはり「北」なのかもしれません。