鬱の両面

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みなさんは「鬱」という漢字からどのような印象を受けるでしょうか?

あまりにも細かい字なので念のため拡大しておきます。

鬱というのは「憂鬱」の鬱であったり、「鬱病」の鬱であったり、現代においては真っ先にマイナスの意味を連想する人が多いと思います。

そんな「鬱」ですが、広辞苑で引いてみると次のような語義がのっています。

うつ【鬱・欝】

  1. 草木の茂るさま。物事の盛んなさま。「鬱蒼・鬱勃(うつぼつ)」
  2. 気のふさぐこと。「憂鬱・沈鬱」

「広辞苑 第五版」

ついつい忘れがちですが、鬱という字は「木が鬱蒼(うっそう)と茂っている」なんて言うときの鬱でもあるんですね。

このように使われるときの鬱というのは「勢いがある」というプラスの意味を持っています。

一方そこから、あまりにも草木が成長してしまい視界がない(=気持ちのはけ口がない)というマイナスの意味にもつながっていったのだと思います。

だとすると、鬱の語義というのは人間の生命力というものをプラスとマイナスの両面から捉えたものであるとも言えるのかもしれません。