フィンランド語学習記 vol.353 − 所有接尾辞の使い方(4)

photo credit: Black Billie via photopin (license)
所有接尾辞の使い方に関するエントリーの最終回です。
フィンランド語学習記 vol.350 − 所有接尾辞の使い方(1)
フィンランド語学習記 vol.351 − 所有接尾辞の使い方(2)
フィンランド語学習記 vol.352 − 所有接尾辞の使い方(3)
今回は三人称の所有接尾辞に関する補足を一つ。
三人称の所有接尾辞について
まずおさらいすると、各人称の所有接尾辞は次のようになっていました。
一人称単数 | minun | [-ni] |
---|---|---|
二人称単数 | sinun | [-si] |
三人称単数 | hänen | [-nsA] |
一人称複数 | meidän | [-mme] |
二人称複数 | teidän | [-tte] |
三人称複数 | heidän | [-nsA] |
よく見ると、三人称単数と複数の所有接尾辞は[-nsA]という同じ形になっています。
しかし実際の会話では、この[-nsA]のほかに「母音を重ねて+n」という形が使われることも多いのだとか。
Minä | pidän | kissasta. | |
↓ | |||
Minä | pidän | hänen | kissastaan. |
こちらの方がシンプルで良いのでは?と思ってしまいますが、この形には使用制限があって、以下の格に適用することはできません。
1)単数主格
2)子音で終わる格
2)子音で終わる格
「母音を重ねて+n」ですから 、子音で終わる格に適用できないのは当たり前。一方、単数主格に付けられないというのは盲点になりそうです。
またもう一つ気を付けなければならないのは、[-nsA]という形を見ればすぐに所有接尾辞とわかりますが、「母音を重ねて+n」の方は既習の入格の形と似ているので紛らわしいということ。
[単数入格]kissaan
[単数出格+三人称単数の所有接尾辞]kissastaan
[単数出格+三人称単数の所有接尾辞]kissastaan
kissa のように馴染みのある単語は良いものの、知らない単語がこういう形になっていたら、すぐに所有接尾辞だとはわからないかもしれません。
どうせならもっとわかりやすい印を!とお願いしたくなりました。