いなずまを追いかける

子どもの頃によく意味がわかっていなかった単語の一つに「逐電」があります。

太郎は会社のお金を持って逐電した。
花子は恋人の太郎と一緒に逐電した。

もちろん文脈から何となく意味を推測することはできるのですが、なぜ電気が出てくるんだろう?と思っていたような記憶があります。

改めて辞書を調べてみると次のような説明が出ていました。

ちくでん【逐電】

〔電(イナズマ)を逐(オ)うように急ぐ意から〕そこに居られない事情が起こったため、ほかの土地に逃げ隠れること。出奔。〔古くは「ちくてん」とも〕

「新明解国語辞典 第七版」

なるほど。逐電というのは「イナズマをオうように急ぐ」という意味なんですね。

字面を見たときにぱっと意味が思い浮かばないのは、逐という文字と「追いかける」、電という文字と「いなずま」という意味がすぐに結びつかないせいなのでしょう。

いなずまを追いかけるように、

よくそんな例えを思い付くなあと感心してしまう面白い表現だと思います。

 
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